著者 : 吉川英治
東に織田信長、西に毛利輝元の勢力に挟まれてた城主・小寺政職。家老の官兵衛は、さっそく信長との仲介を羽柴藤吉郎へ頼みに行く。そこで軍師・竹中半兵衛と出会ったことにより、運命の歯車が廻り始める…。
火計は見事成功!天下分け目の決戦は、周瑜の呉軍が勝利を収めた。しかし劉備と孫呉は荊州をめぐる対立関係に。争いは諸葛亮の鮮やかな一計により劉備が先んじる。勢いを恐れた孫権は、妹を劉備に嫁がせ、婚儀にて彼を誅殺しようと画策。そのころ曹操は、赤壁の大敗を払拭すべく西涼に進出。三者の覇権争いが激化する中、蜀で劉備を迎えようという動きが起こるー。逆転と義勇の第七巻。
吉岡一門との大死闘を切り抜けた武蔵。起死回生の勝利の酔いから醒め、敵将とはいえ年若い少年を斬り捨てた記憶に胸を痛める。いっそ修行などやめ、愛する女と暮らせたら…とさえ思う。だが猛る恋心をぶつけたお通には、逃げられてしまう。剣の道と人の道との相剋に身を削る武蔵が、飽くなき自問の果てに把えた閃きとはー。願いは交錯し、隘路へ誘う。邂逅と別離に心揺れる第五巻。
孫権のもとで発展を遂げた呉に目をつけた曹操。しかし呉の周瑜は曹操の求めに従わず、天下三分の計を持論とする孔明に煽られ、開戦へと突き進む。互いに策謀を巡らせながら、赤壁において両軍はついに激突。そして孔明の能力が次の脅威となるを恐れた周瑜は、彼の命を狙うー。物語最大の山場を迎える、野望と決戦の第六巻。
蓮華王院三十三間堂。兄の仇と一門の汚名返上に奮い立つ伝七郎に対峙した武蔵は、一太刀であたりの雪を赤く染め上げた。これにより吉岡方の恨みは頂点に!次なる舞台は、総勢七十余名の待ち受ける一乗寺下り松。圧倒的不利の状況で次々と挑みくる敵を無心に斬り続け、武蔵の肉体が限界を迎えたその時、遂に二刀流が生まれたー。血潮飛び散る苦闘の第四巻。
関羽は曹操の部下が守る五関を見事突破、ようやく劉備と再会を果たす。しかし、劉備の受難は止まることがなかった。呉の孫権と結んで袁紹を下した曹操に再び敗れ、劉表の食客になるも、そこでも命を狙われてしまう。間一髪逃げ延びた先で、劉備は軍師、徐庶に出会うがー。『三国志』最大の賢人、諸葛孔明がいよいよ登場!邂逅と展望の第五巻。
自省と克己に励む手負いの武蔵。その行く手には、過去の因縁から深い怨嗟を秘め抱く鎖鎌使いの宍戸梅軒、一門の名を賭けて復讐を誓う吉岡清十郎、そして一門きっての荒くれ者・伝七郎ら難敵が、次々に立ちはだかる!孤独に戦う武蔵をめぐる、お通と朱実の恋の行方はー。他方、小次郎になりすました又八は本物の小次郎と対決!?それぞれの命懸けの想い轟き怨憎哀楽、超回転の第三巻。
董卓亡き後、またもや苦境に陥った帝を助けた曹操は、丞相となり朝廷で躍進。若き孫策は江東を平定し、小覇王と呼ばれるように。さらに淮南では、強大な勢力を誇る袁術が、自らを帝王と称しはじめる。翻弄される劉備の明暗やいかに!?栄華と混戦の第三巻。
丞相曹操の権力はいよいよ強大になり、許田の猟において献帝を軽んじるような行動に出る。憂いを深めた献帝は、信頼する大臣の董承に曹操暗殺の秘勅を降す。曹操の庇護のもと許都で暮らす劉備も、密かにその連判に加わることになる。苦闘と忠義の第四巻。
槍の宝蔵院を訪ねた武蔵。傲岸な法師・阿巌を瞬殺するも、老僧・日観に「もっと弱くなれ」と諭され、例えようのない敗北感にひしがれる。修行のためと置き去りにしたお通の残像に惑う恋心。さらに、鼻息荒く乗り込んだ小柳生城ではやむなく逃亡することに…。ついに、美少年・佐々木小次郎登場!因縁の歯車が動き出す。渦巻く功名心、恋心、敗北感…腕力満載、疾風怒涛の第二巻。
劉備・関羽・張飛・孫権・曹操・諸葛孔明……英傑たちの物語が、いま幕を開ける! 後漢末の頃。貧しいが高貴な血を引く劉備は、世を救うという大志を果たすべく、関羽・張飛と桃園にて義兄弟の契りを結ぶ。跋扈する黄巾賊の征伐に乗り出した彼は、智謀に優れた人物、曹操に出会うーー。これぞ王道の「三国志」! 波乱に満ちた群雄割拠の世を描き切る、壮大で華麗な歴史スペクタクル。
董卓の暗殺に失敗して逃亡した曹操は、袁紹や公孫瓚らを味方に連合軍を結成。劉備たちも志願する。だが権勢を強める董卓は無謀な遷都を強行、民衆の苦しみは深まる一方だった。暴政に耐えかねた大臣の王允は、董卓とその臣下の呂布を対立させるべく、絶世の美女、貂蝉を使ったある計画を実行に移すーー。魅力溢れる英傑たちの活躍を描く傑作歴史ロマン、第二巻。
二世紀末、中国後漢末期、政治は腐敗し、黄巾賊が各地にはびこって、民衆は苦しんでいた。青年劉備は、同志関羽、張飛と桃園で義盟を結び、世を救うことを誓う。ここに百年に亘る治乱興亡の壮大なドラマの幕が開く。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「桃園の巻」「群星の巻」収録。
黄巾の乱から十年、天下の形勢は大きく変わり、曹操が抜きんでた存在となっていた。劉備は関羽、張飛を擁するものの今は小沛の城を守るのみ。しかし、諸侯の間に日増しに高まる打倒曹操の声に、劉備も謀議の仲間に加わる。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「草莽の巻」「臣道の巻」収録。
劉備は三顧の礼をもって孔明を迎え入れ、天下人として開眼するが、曹操の追撃の手は一向に緩まない。国力を拡充させていた呉の孫権に、檄を飛ばす曹操。孫権を説き伏せる孔明。かくて、赤壁での会戦へと時は流れていく。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「孔明の巻」「赤壁の巻」収録。
赤壁の戦いで、曹操は大敗。劉備は蜀を得て、魏・呉・蜀三国の争いは、ますます激しくなり、呉の周瑜、蜀の孔明、両知将の謀略の戦いが演じられる。一方、頭角を現し始める司馬仲達の進言で、曹操も失地回復を窮う。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「望蜀の巻」「図南の巻」収録。
関羽、孤立無援の中で鬼籍に。続いて曹操、劉備も命運尽きる。三国の均衡は破れ、蜀の興廃は、ただ孔明の双肩にかかっていた。孔明、仲達、連戦七年、ついに孔明も五丈原で星となる。吉川英治の名著『三国志』本編のみをまとめた新装版。「出師の巻」「五丈原の巻」収録。