著者 : 吉村龍一
北陸の漁村で育った二十歳の十兵衛は、険しい龍神参りを成功させ村に大漁をもたらす。一時は英雄となるも、初恋の君と過ちを犯して村を追われてしまう。突きん棒漁師・伝照に命を救われ、三陸で銛突き漁の修行を始める十兵衛。狙う獲物は、師の片目を奪った巨大メカジキー。
競走馬の怪死事件。腹を鋭く引き裂かれた死体を前に、樋口孝也の脳裏には、あの凄惨な「羆」の悪夢が蘇る。孝也と上司の山崎は捜査に動き出すがー。表題作「隠された牙」ほか、北海道日高の森林事務所に持ち込まれる事件と保護官たちの格闘を、五感を刺激する文章で鮮やかに描いたアクション小説の傑作。
昭和七年、冬。北陸の漁村に育った二十歳の十兵衛は、村を代表し室生山に祀られた龍神を参拝する。無事の帰還は村に大漁をもたらした。しかし初恋の君・繁子との再会を機に、若さゆえの過ちを犯し村を追われてしまう。落命しかけた十兵衛を救ったのは片目の漁師。老練な突き屋を師と仰ぎ、青年は三陸の海で銛撃ち修行を始める。狙う獲物は、“メカ”ただそれのみー。
夏空の下、家を飛び出し一人旅を続ける直次郎が、人とのコミュニケーションが苦手な塊太と出会う。お互いを補完し合い、成長していく正反対の高校生二人の“バディ”を描く青春小説。(解説/長岡弘樹)
厳冬の北海道、消息を絶ったカメラマン捜索のため、若き森林保護官はスキーを履き、険しい山中へ向かう。カメラマンは無残な遺体で発見され、手負いの羆は銃殺され事件は一件落着したかに見えた。しかし、噛み跡はその羆のものより遙かに巨大だった。最強の野生動物「羆」との壮絶な死闘を描く、元自衛隊の、期待の大型新人による傑作山岳小説。 はかりしれない自然への畏怖の念。血が騒ぎます。胸をうちます。冒険小説ファンは必読。驚くぞ。読むべし!-池上冬樹(文芸評論家) 生きとし生けるものすべてへの畏敬の念が静かに満ちている。-角田光代(作家) むせかえるような自然と獣の匂い、五感の全てを刺激する傑作。-さわや書店フェザン店 松本大介 プロローグ 一章 白い谷 二章 食害 三章 銃声 四章 タンデムベルト 五章 凶弾 六章 発火点 エピローグ
16歳の夏、なにもかもが嫌になって家出をした徹平。もう戻らないと心に決めた旅立ちだった。丸2日、夜行列車に揺られて降り立ったのは北海道は十勝の無人駅。たまたま知り合ったおばちゃんの家に泊まり、20トントラックに乗せてもらうことに。道中、ヤザワ好きの運転手に心をゆるし、打ち明け話をする。そして彼と別れ、ひとり礼文島に渡るー青春ロードノベル、著者初の文庫書き下ろし。