2016年1月27日発売
平凡な公園ランナーの自分が大勢の見も知らぬひとから見つめられているなんてーランニング仲間との「レース」にはまっているインテリア会社社長・高木のもとに届いた一通の脅迫状ー。「明日のレースには負けなさい。さもなければ、ひとが死にます」高木が勝った夜、レースが行なわれた公園で本当に男の死体が発見された!?乱歩賞作家が放つ疾走!狂走!ランニングミステリー!!
顔面を吹き飛ばされた欧州議会議員の死体が発見された。ユーロポールの主任警部ヴェスターホイゼンは、アナリストのアヴァと協力して捜査に乗りだす。大小さまざまなドローンによってすべてがデータ化された監視社会。アメリカは没落し、ブラジル、アラブ、EUなどが太陽光や波動エネルギーをめぐって覇権を争う。シミュレーション空間「ミラースペース」を駆使して捜査は進むが、新EU憲法の採択に向けて、そこには巨大な謎が隠されていた。ユーロポール長官の老獪なフォーゲル、自由党の女性党首ヤナ・スヴェンソン、情報多国籍企業タルコンの総帥ジョン・タラン、政治スキャンダル専門の謎のジャーナリスト・ジョニー・ランダム、影の警察RR…。
熟年吸血鬼夫婦の倦怠期、馬に転生した歴代大統領、お国のために蚕に変えられた女工たち…現代アメリカ文学最前線の女性作家、待望の第二短編集!最高の想像力で描く、最高に切ない8つのトワイライト・ゾーン。
みのり28歳。恋は3年していない。美味しい料理があって、気が置けない友達がいて、わたしの生活はどうにか回っている。そんなとき、通い始めた生け花教室で、8歳年下の透と出会い…。でも、この気持ちは封印しなければいけない。
糖尿病からアルコール性肝炎。医師の禁酒勧告も知らぬ存ぜぬの作家の橋本道太郎は、80以下が正常値のγ-GTP検査の数値で、驚きの4000台をたたき出す。新聞に書いたその件で、講演、原稿依頼殺到!気を良くして、毎日4合5合と飲み続けた1年後、61歳にして「肝硬変」を宣告される。くわえて「食道がん」「胃がん」が身体に襲いかかる。彼を取り囲む献身的な妻、娘、美しき女友だち、1匹のブルドッグ…。そんな闘病中、我が身に起きた奇跡も知る。重病を宣告され狼狽しながらも、「病気」をエネルギーに変えていく自伝的小説。
ペンネームに「動物」がひっそりと隠れた作家が紡ぐ「動物」をテーマにした物語。嵐の夜に海からやってきた羊や、男子大学生の心を惑わせる鹿、偽占い師がさがしている兎、なぜか体中が傷だらけの鶏、関西弁で事件を解決する馬など、“アニマルな作家”たちによる異色の競演。
昭和七年、冬。北陸の漁村に育った二十歳の十兵衛は、村を代表し室生山に祀られた龍神を参拝する。無事の帰還は村に大漁をもたらした。しかし初恋の君・繁子との再会を機に、若さゆえの過ちを犯し村を追われてしまう。落命しかけた十兵衛を救ったのは片目の漁師。老練な突き屋を師と仰ぎ、青年は三陸の海で銛撃ち修行を始める。狙う獲物は、“メカ”ただそれのみー。