小説むすび | 著者 : 和爾桃子

著者 : 和爾桃子

ヴァンパイアはご機嫌ななめヴァンパイアはご機嫌ななめ

エリザベス・テイラー、通称ベッツィ。長身でブロンドの元モデル。職業はエグゼクティブ・アシスタント。高価なブランドものの靴を買うのが大好き。そんな彼女の30歳の誕生日は、最低最悪だった。まず寝坊してバスに乗り遅れ、会社に遅刻すると解雇を言いわたされ、天気が悪くて誕生日パーティーは中止、そのうえなんと、交通事故にあって死んでしまったのだ!さらに最悪なのは、目が覚めると棺の中で、安っぽいドレスに継母のお古の安物の靴をはかされていた!ショックのあまり、もういちど死んでしまおうとするが、ベッツィは死ねなかった。不死身のヴァンパイアになっていたからだ!?けれど、ヴァンパイアになったにしては、教会に行っても、十字架を持っても、聖水を浴びても、とくになにも起こらない。とはいうものの、ありとあらゆる男性がベッツィに色目を使ってくるようになる。血を吸ってくれって言いながら…。おまけにノストロなんていうヴァンパイアのボスからは手下になれと脅されるし、シンクレアというちょっといい男の吸血鬼からは、「あなたこそヴァンパイアの女王だ」なんてつきまとわれて、もうほんと、やってられないわ。

ママは悪魔ハンタ-ママは悪魔ハンタ-

ケイト・コナーは、カリフォルニア州サン・ディアブロに住む、二人の子持ちのごくごく平凡な専業主婦。夫は地方公選弁護人になるべく選挙活動中の弁護士で、それを助ける妻業と子育てのママ業をめいっぱいこなしながらも、「フツーの幸せ」を満喫していた。だが、彼女には秘められた過去があった。孤児としてバチカン法王庁で育てられ、小さい時から悪魔退治の技法を教えこまれたデーモン・ハンターだったのだ。いまは引退し、平和な街で何年も暮らしてきた彼女だったが、ある日を境に状況は一変する。悪魔に憑かれた老人に、突如襲われたのだ。しかも、よりによって夫の選挙運動をかねて開いた新任の判事を招いたディナーパーティの直前に。かろうじて退治し、死体はキッチンのパントリーにほうりこみ、家族の目から必死で隠す。それだけでもショックなのに、ディナーの主賓ラーソン判事から漂ってきたのは、悪魔特有の悪臭だった!どうやら悪魔たちの目当てはなんらかの聖遺物で、それがこのサン・ディアブロにあるらしいのだが…。

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