著者 : 国弘喜美代
スミソニアン博物館に勤める鳥類画家のロニは、認知症を患う母の介護のため、故郷のフロリダに帰ってきた。母の荷物を片づけていると、「ボイドの死についてあなたに話しておかなくてはいけないことがあります」という謎めいたメモを発見。父ボイドは25年前に沼で不審な溺死を遂げ、その名は家では禁句になっていた。かつて観察眼に優れたロニを、アオサギに宿ってすべてを見渡す沼の女王にたとえた父。当時のことを探り始めたロニに思わぬ危険が迫っていた…沼地に隠された悲劇と家族の絆を描く傑作サスペンス。
企業で弁護士として働くレックスは、子供時代をすっかり捨て去ったつもりだったー実の両親からきょうだい七人が虐待されたつらい過去を。いまは充実した毎日を送っている彼女は、刑務所で亡くなった母親の遺言をきっかけに、事件後ばらばらになったきょうだいのそれぞれと連絡をとる。“恐怖の館”と呼ばれるようになる家で、あのころ彼らきょうだいは監禁されていた。ろくに食事も与えられず、鎖につながれて。その過去の絶望がよみがえるとき、レックスは…。読む人の心を揺さぶる、衝撃のサイコサスペンス。
ニュージャージー州アトランティックシティ。叔母のデズとともに暮らす少女クララは、他人の強い思いをビジョンとして視ることができる能力を持っていた。その力を使った占いで生計を立てていた彼女は、ある日行方不明になった少女を捜し出してほしいという依頼を受ける。その日を境に、女性たちが傷つけられる不吉なビジョンを頻繁に視るようになったクララは、カジノホテルのスパ施設で働くリリーの協力を得て彼女たちを救おうとする。だが犯人の魔の手はクララたちにもおよび…エドガー賞最優秀新人賞受賞作。
アルプス山中。かつてこの地で開催されたスノーボード選手権で、女性選手サスキアが姿を消した。そして十年後、当時の関係者であるミラは四人の男女とこの地で再会する。旧交を温める一同であったが、ホステルで見つかったカードがその雰囲気を一変させた。“サスキアを殺した”のメッセージがー。氷河に囲まれたホステルは孤立し彼らは互いに疑心暗鬼に陥っていく。ミラたちを雪山に閉じ込めたのは誰なのか。そして十年前に何があったのか?元スノーボーダーの著者が迫真の筆致で描く密室状況のサスペンス。
有名女優のあなたは、夫と3人の子どもに恵まれ幸福の絶頂。それに比べてご近所に住むわたしは、不妊治療を諦め夫に捨てられ、幸せもキャリアの未来も何もない…でも、あなたを一番理解しているのは、毎日の生活を見守るこのわたし。今度のご近所パーティで絶対あなたとお友達になれるはずー不幸の連鎖から目を逸らすべく、女優と仲良くなることに固執していく女性。羨望と落胆が人生を狂わせる、痛恨の心理スリラー。
ベティ・トラスク賞(英)、フェミナ賞外国小説賞(仏)など数々の栄誉に輝く、“パトリック・メルローズ”シリーズ第四弾!ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ原作。ぼくが心から憎んでるのは、世代から世代へしたたり伝わる毒だ。英国を代表する作家の半自伝的小説(全5巻)。
ベティ・トラスク賞(英)、フェミナ賞外国小説賞(仏)など数々の栄誉に輝く、“パトリック・メルローズ”シリーズ第三弾!ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ原作。底意地の悪い社交界に身を置き、女性の体に救いを求めながら、ぼくはぼくなりに再生しつつあった…英国を代表する作家の半自伝的小説(全5巻)
ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ原作。待ちわびた父の死。だが、ぼくの救いようのない日々にまだ光は射して来ないー英国を代表する作家の半自伝的小説(全5巻)、ベティ・トラスク賞(英)、フェミナ賞外国小説賞(仏)など、数々の栄誉に輝く、「パトリック・メルローズ」シリーズ第二弾!
ベティ・トラスク賞(英)フェミナ賞外国小説賞(仏)など数々の栄誉に輝く、“パトリック・メルローズ”シリーズ開幕!ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ原作。優雅で退廃的な、英国貴族的生活の中で、両親がぼくにくれたのは耐えがたい苦痛と、冷酷な無関心ー英国を代表する作家の半自伝的小説(全5巻)
CIA分析官ヴィヴは、米国に潜むロシア工作員の調査に心血を注いでいた。二年に及ぶ暗闘の末、ついにその手がかりを掴んだヴィヴ。だが目にした機密画像に衝撃を受け、彼女は当局への報告をためらう。なぜならロシア側の重要人物として映し出されたのはヴィヴの夫、マットだったのだ!最愛の人物の裏面を知った彼女は決断を迫られる。夫を告発するか、国家を裏切るのか?CIA出身の著者による迫真の諜報スリラー。
連続殺人犯ルース・トンプスンが逮捕されたのは、その娘アニーが警察に密告したからだった。里親に引き取られたアニーは「ミリー」という名前で素性を隠し、新たな人生を歩むことに。だが、ミリーの精神にルースが落とした影は色濃く、さらに里親の娘に疎まれたことで転入先の学校でも孤立を深めていく。そして事件の裁判で彼女は母親との過去と向き合うことになり…。殺人鬼の娘の心理に極限まで迫る破格の心理スリラー。
元デルタフォース隊員で、現在は空港の保安監督官として働くデイヴは、飛行機事故で最愛の妻子を失った。絶望にうちのめされながらも、いくつかの奇妙な符合から、テロではないかと疑念を抱いた彼は、恐ろしい事実と政府の隠蔽工作に直面する。そして、元兵士の友人たちとともに、自らの手で狡猾なテロリストに鉄槌を下す決意をする。すべてを失った男の凄絶な怒りと闘いを描く緊迫のミリタリー・サスペンス。
イギリスの田舎で静かに暮らすイヴと、アメリカの人気作家ジャックを結びつけたのは、イヴが送ったファンレターだった。成人した娘との関係に悩むイヴと、恋愛で失敗してばかりのジャック。文通を始めた二人は、料理好きという点で意気投合し、レシピを教え合い、しだいに互いを心の支えと感じるようになる。そしてジャックはイヴにある提案をするー「一度会いませんか。パリで」。寂しさを抱える大人たちを描いた、さわやかで心温まる物語。
北大西洋に突き出したスペイン岬。その突端にあるゴッドフリー家の別荘で、殺人事件が起きた。休暇中のマクリン判事のもとに遊びに来ていたエラリーはその捜査に付き合わされることに。国名シリーズ第9弾。
NYで華々しく幕を上げたロデオ・ショー。大スターのホーンが、大勢のカウボーイたちを率いて颯爽と馬に乗って登場。天に向かって一斉に銃声をとどろかせた瞬間、ホーンの体は馬上から滑り落ちた。クイーン警視とエラリーは、すぐさま会場を封鎖するが、凶器はどこにも見つからない。2万人の大観衆が見守る中、いかにして犯行は為されたのか。そして全く同じ状況で第2の殺人が起こり…!?大人気“国名シリーズ”第6弾!
ダンテ“地獄篇”に秘められた暗号と象徴。人口過剰とマルサス主義、トランスヒューマニズム。小説『インフェルノ』に託された現代社会の問題とキーワードを、徹底解説!
オランダ記念病院の見学席から手術を見守るエラリーの前に運ばれてきた患者。だが、シーツをめくると彼女は絞殺されていた。被害者は病院の創設者である大富豪。目撃証言から、犯行が可能だったのは執刀医だけに思われたが、彼は何者かが自分に変装したと主張する。その言葉通り、犯行に使われたと思われる一足の靴が見つかるが、様様な不審点があり…。エラリーの論理と分析が冴えわたる「国名シリーズ」第3弾。