著者 : 土屋恵
父に決められた愛なき結婚が、 赤い糸をもつれさせ……。 2年前の夜、婚約者に手酷く裏切られて以来、恋に臆病なジョージア。 そんな彼女にとって、父の右腕を務めるジェイ・ブラックは、 気の置けない仲であり、大切な存在だった。 けれども彼女は、ジェイが抱えている秘密をまだ知らない。 じつは、彼はさる大企業を継ぐべき立場の御曹司であること。 そして2年前のあの日、失意の彼女を抱いて慰め、一夜を過ごしたこと。 彼女はその直後、事故で前後の記憶を失ってしまっていた。 あるとき、暴君で知られる父の命に、ジョージアの心は千々に乱れる。 父は告げたーージョージアは父が選んだ冷血な実業家と、 彼女の妹は……ジェイ・ブラックと結婚するように、と。 女心をくすぐるすてきなヒーローを描くのが得意なT・ラドリーの、切ない記憶喪失ロマンスをお届けします! ジェイを大切に思いながらも、ずっと足踏みしていたジョージアの恋。それが今、傲慢な父の手によって引き裂かれようとしていて……。
大富豪ジェレミーの来訪が告げられ、イザベラは固まった。ついに契約を実行に移すときがきたというわけだ。かつてイザベラは、親もなく、貧しさのなか必死で弟を養っていた。3年前、そんな彼女が出会ったのが、ジェレミーだった。弟が独り立ちしたあとに半年間、イザベラが彼のものになるなら、経済的に援助しようとジェレミーは申し出た。藁にもすがる思いで、イザベラはその条件をのんだのだ。オフィスに入ってきた彼は相変わらずセクシーで、裕福な実業家というオーラを全身にまとっている。不安と同時に、理性に反した胸の高鳴りを覚え、イザベラは身を震わせた。
予定日まであとひと月と迫ったある日、急な陣痛に襲われたナオミ。そこに居合わせた元婚約者の大富豪ロイスに励まされながら、玉のような双子の女の子を無事出産し、彼女は感動に包まれた。数カ月前、ナオミは我が子欲しさに匿名ドナーの子を宿し、その後に出会ってすべてを受け入れてくれたロイスと婚約した。だが、彼にはかつて流産を機に去っていった別の婚約者がいたと聞き、その女性と失った子の代わりかと思うと辛くて、やむなく別れたのだった。いまだにロイスの感触、匂い、優しいまなざしを忘れてはいないけれど、今、しばらく双子の世話を手伝うと申し出てくれた彼を前に、ナオミは自分を戒めたー愛を期待したら、また傷つくことになる、と。
キャンダスは秘密の代理出産をしたが、依頼主の女性が亡くなった。 心配でたまらなくなった彼女は素性を隠したまま、 赤ん坊のベビーシッターとして、依頼主の夫ニックに雇われる。 ニックは優しくハンサムで裕福な経営者だが、娘を見るとつらそうだ。 亡き妻と浮気相手の間にできた子だと信じているのだ。 とんでもない誤解だわ……キャンダスは真実を知っている。 依頼主は、子どもがつくれない体だったから、 キャンダスに夫の子を産ませたのだ。自分が妊娠したふりをして。 苦しむニックを見ていられず、彼女は思わず告げてしまう。 あの子は、わたしたち二人の子どもなのーー とてもドラマティックなシークレットベビー・ロマンスです。二人は初めて会ったときから惹かれ合っていましたが、ニックがすぐにキャンダスの話を信じるはずもなく、波乱の展開に。
子供の頃から病を抱えるイザボーは、母と施設暮らしをした苦労人。周囲に迷惑をかけまいと心に決めて生きる日々だったが、彼女は今、大富豪トリスタン・ミケルソンに胸をときめかせていた。たくましく最高にセクシーだけれど、無骨で口数が少ない。そんなトリスタンが1カ月限定で仕事の手伝いを必要としていたため、イザボーはそのあいだ彼のそばで働くことになったのだ。母の不幸な結婚のせいで、男性との関わり方もわからない彼女に、トリスタンは衝動的なまでに激しく甘い誘惑を仕掛けてくる。仕事、病ー拒む理由はいくつもあるのに、気づけばイザボーは彼に身を任せ、お腹に小さな命を宿していて…。
十代で母と妹を事故で亡くし、自らも癌を患った過去を持つナオミは、ある日、人里離れた場所に立つガラス張りの館を訪れた。ここに住む有能な大富豪、ロイスの協力のもと家業を盛り立て、もう病弱な自分ではないことを、家族に証明したいのだ。でも、世間を寄せつけない彼との交渉は慎重に進めなければ。いざ会ったロイスは、優しく魅力的な男性だった。悪天候でガラスの館に閉じ込められ、ともに過ごすうち、ナオミは孤高の大富豪に強く惹かれ、身も心も任せてしまう。しかし、性急に燃え上がった情熱の余韻も冷めやらぬなか、ロイスが氷のように硬い表情で言った。「きみの本当の目的はなんだ?」
2歳の息子をひとりで育てるサビーヌのもとを、 かつての恋人で大富豪のギャビンが突然訪ねてきた。 「なぜずっと隠していた、ぼくの息子を?」 詰問され、サビーヌは動揺した。なぜ今になって現れたの? 住む世界が違いすぎると別れを切り出したあの夜、 彼の目にはなんの感情もよぎらなかった──怒りも、悲しみも。 ただそっけなくうなずいただけで、彼は私を人生から切り捨てたのだ。 ギャビンは官能的な唇を固く引き結び、 怒りに燃える瞳をぎらつかせて言った。 息子のDNA鑑定が済み次第、すぐに親権を要求すると。 心優しくときに大胆なヒロイン像が光る、スター作家アンドレア・ローレンスのシークレットベビー・ロマンスをお楽しみください。斬新で予測不能な展開で読者を魅了する大スター作家、リン・グレアムの作品がお好きな方に、特におすすめします。
引きとめてほしいのは、 秘書ではなく、女として。 「突然ですが、ぼくは婚約しました。相手は秘書のアデレードです」 ボスで富豪のデンプシーに公の場で宣言され、アデレードは呆然とした。 彼にないがしろにされ、仕事を辞めたいと申し出た矢先なのに? だがそれは、有能な秘書に退職を思いとどまらせるために、 彼女のお人好しな性格を利用した、デンプシーの巧妙な手口だった。 さらに、ひと月だけでも婚約者を装って、彼の下で働くよう命じられる。 貧民街に暮らしていた少女時代からずっと、デンプシーが好きだった。 これが愛ある本物の婚約だったなら、どれだけ幸せなことだろう……。 そんなアデレードの純情も知らず、我が道を行くデンプシーは、 これから彼の屋敷で寝泊まりしろと告げ、彼女の身も心も翻弄するーー アデレードの長年の片想いを軸に描かれる、ボスと秘書のもどかしくも甘やかな恋物語。愛を信じられない大富豪デンプシーが演じる偽りの婚約は、いったいどんな展開に……? スター作家、キャサリン・マン作『富豪が残したあの夜の証』(D-1751)の関連作。
ウエイトレスとして働きながら独りで息子を育てるローズの店に、 今や富も名声も手に入れたかつての恋人が現れたーーザンダー! 初めて愛し、すべてを捧げた男性。彼が町を出て11年。 ずっとこの日を夢見ながら、同時に恐れてもいた。 隠し続けてきた秘密を、とうとう知られてしまうのだろうか? 「きみは昔と少しも変わらずセクシーだ」彼に食事に誘われ、 熱いキスを交わした直後、息子がけがをしたと電話が入り、 ザンダーの車で病院へ向かった。 ローズの息子を見たザンダーは凍りつき、鋭い目つきになった。 「きみは……ぼくに話すべきことがあるんじゃないか?」 大スター作家リン・グレアムがお好きな方に! 日本デビュー作『愛を忘れた氷の女王』以来、予測不能ロマンスで読者を魅了し続けるスター作家アンドレア・ローレンスの、秘密の命の物語。
密かに憧れてきたボスに、 愛されたかったはずなのに……。 苦境に追いつめられたCEO秘書のバージニアは今夜、 ボスのマルコスのペントハウスを訪れていた。 優秀な経営者だった父が妻に先立たれて身を持ち崩したため、 バージニアはその借金を肩代わりしようと、 密かに慕っているボスに、恥を忍んで給金の前借りと支援を願い出た。 するとマルコスは見返りとして、1週間恋人役を演じるよう求めてきた。 復縁をもくろむ身勝手な元恋人に見せつけるために。 わたしは小道具にすぎない。なのにそれでも、胸がきゅんとしてしまう。 演技のキスが、やがて情熱に火をつけ……。でも、これは見せかけ……。 しかし気づけば、バージニアはマルコスの子を、身ごもっていたーー 偽りの恋人を演じるうち、いつしか情熱を止められなくなってしまったふたり。約束の1週間を過ぎても逢瀬を重ねるうち、バージニアはもはやどこからが演技でどこまでが真実なのかわからなくなって煩悶します。それゆえ予期せぬ妊娠のことも告げられず……。
想いはすれ違い、幸福は手からこぼれ落ちる。 わたしたちはもう終わりなの? 大富豪の夫メイソンとの子供に恵まれなかったスカーレットは、 養子縁組で迎えた赤ん坊まで心変わりをした実母に奪われ、 失意のどん底に突き落とされた。夫婦仲も徐々に険悪になり、 ついにメイソンは「別の男と幸せになってくれ」と言い捨て、 家を出ていってしまった。離婚も時間の問題だった。 そんなとき、死の床にある義弟から幼い一人娘の養育を託される。 弟を安心させたいというメイソンの願いを聞き、 スカーレットは彼と幼子を我が家へ迎え入れる決意をした。 二人の情熱は再び燃えあがり、彼女は幸福に酔いしれた── “メイソンを信じてもいいの?”という心の声に耳を塞いで。 巧みなストーリー展開と個性豊かなキャラクター描写で人気の作家、アンドレア・ローレンスが描く、夫婦の愛と再生の物語をお楽しみください。壊れかけた二人の絆を、1歳になったばかりのルナがどう結びつけていくのか……? ご注目ください。
人生を変えた、あの夜の甘美な過ち。 宿した命の秘密を、彼はまだ知らない。 きらびやかな仮面パーティの夜、エマは生まれて初めて激しい恋に溺れた。 目が合った瞬間に惹かれあい、顔も名前も知らないまま体を重ねたが、 ふたたび会う約束はしなかった。仮面をかぶった私は大胆で奔放な女。 でも本当は地味で退屈。素顔の私を知れば、彼はきっと幻滅するわ……。 だが3カ月後、仕事で派遣された会社のハンサムな社長、 ジョナの手を見た瞬間、エマは心臓が止まりそうになった。 そこにはふたりが互いを忘れないようにと刻んだ目印があったのだ。 あの運命の夜の恋人はーーおなかの子の父親はーーこの人なの? 妊娠に悩むエマの心も知らず、デートに誘ってきたジョナ。 ああ、彼は私が誰だか気づいてもいない……。 鮮烈デビュー作、D-1581『愛を忘れた氷の女王』の奇想天外なストーリー展開と個性豊かなキャラクター描写で話題をさらい、一躍人気作家となったA・ローレンス。今作では、“氷の女王”の異名をとる姉シンシアと正反対な性格の妹がヒロインになります。
亡き親友の兄で大富豪のリードのもとを訪れたライラは、黒髪と明るい緑色の瞳にたちまち心を奪われてしまった。だまされてはだめ。外見はゴージャスでも、彼の本性は傲慢で冷酷。妹がお金に困っていたときも、助けようとしなかったのだから。「この子はあなたのものよ」ライラは胸の痛みをこらえ、腕の中の赤ん坊ー親友の忘れ形見を伯父にあたるリードに引き渡した。そして、ナニーが見つかるまでの約束で子供の世話を引き受ける。リードの家でともに暮らすうちに、ライラは冷たい仮面の下の本当の彼を知り、惹かれる気持ちを抑えられなくなる。だが、彼が求めているのはベッドをともにしてくれるナニーで…。
こんなに優しくしてくれるあなたが、 誰も愛せない冷酷なひとだというの? 自動車事故に遭い、病院で目覚めたエイプリルは愕然とした。 自分の名前も、過去もまったく思い出せない。 見舞いに訪れた黒髪のハンサムな男性ーーセスのことも。 胸がこんなにどきどきするのはなぜ? 彼は……私の恋人? だが、セスは有名ホテルチェーンの経営者で、初対面だと告げた。 彼の弟がエイプリルの同乗者で、事故で命を落としたのだが、 直前にホテルの一つを譲る契約を結んでいたらしい。 入院中、ずっと彼女の体調を気遣い、優しく接してくれるセスに エイプリルは日々癒やされていった。まさか彼がホテルを取り戻すため、 自分を誘惑しようと企んでいるとは夢にも思わず……。 愛を信じない非情なホテル王セスに、ひと目で惹かれてしまったエイプリル。一方のセスは、彼女が色仕掛けで亡き弟のホテルを手に入れたと疑い、彼女の記憶喪失さえ演技だと思い込んでいて……。
エバはため息をついた。亡き両親から譲り受けたホテルは破産寸前。加えて、妊娠していることがわかったのだ。もちろんうれしいけれど、ただでさえ生活が苦しいのに、ひとりでちゃんと育てられるかしら?悩むエバの前に、かつて情熱の一夜をともにした男性が現れる。魅惑的な声と黒い瞳を持つ大富豪キャル。彼は冷たくエバに言った。「結婚しよう。きみは金、ぼくは花嫁を手に入れる」どうしても妻が必要な事情のあるキャルは、さらにエバの足下を見るような交換条件を提示してきた。ホテルへの高額の融資だ。ああ、彼に愛されないことを承知で結婚しなければならないなんて…。
「ぼくに会いに来たんだね」高級なスーツに長身を包み、黒い瞳に怒りを燃え立たせたリュックは、そう言ってシャリの唇を奪った。ひと月前、シャリは大企業の重役リュックとパーティで出会い、一夜の熱い恋におちた。皮肉なことにリュックは、暴力をふるっていた元婚約者のいとこだった。その事実を知ってシャリがまだ婚約中と誤解したリュックは、彼女の愛を疑って冷たくなじり、去っていったのだ。彼に会いたくはなかった。でも、きちんと言わなければ。“わたしのおなかには、あなたの赤ちゃんがいるの”と……。
地中海の島国アルマの王女ベラは落胆していた。父に強いられた、石油王の御曹司ウィリアムとの政略結婚。兄たちのように恋におちた相手と幸せになれたらよかったのに……。そんなときベラは、浜辺で偶然でくわした魅惑的な男性が、驚くことにほかならぬ許婚ウィリアムだと気づく。たくましい体。きらめくアクアブルーの瞳。写真で見た、ハンサムだけれど真面目そうな印象の彼とはまるで違う。なんて快活でセクシーな人なのかしら。にわかに胸躍らせるベラだったが、すぐにそれが勘違いだとわかる。彼の名はジェームズーー父が決めた結婚相手の双子の
エミリーは体の震えを抑え、紺碧の海を臨むペントハウスの主を訪ねた。新しい命を授かったと、セクシーな一夜の恋人レイフに伝えるために。父親の名前も知らずに育つ寂しさを、お腹の子には味わわせたくない。富豪一族の長男である彼のもう一つの名は、ラファエル・モントロ四世。彼は、美しい地中海の島国アルマの王位継承者なのだ。そんな彼としがないバーテンダーの私に未来があるはずもないけれど…。妊娠を告げたエミリーの耳に、レイフの言葉が虚ろに響くー「王位を捨てることはできない」だが、気づくと彼女はレイフに求められるまま激しく情熱を交わしていた。なんて愚かな私。逃げるように部屋を出たエミリーだったが…?!
姉の死後、姪を引き取ったハッティは一縷の望みを胸に、かつての恋人で大富豪ルックのオフィスを訪ねた。赤ん坊を抱いたハッティを、黒い瞳が射るように見つめる。彼女は挨拶もそこそこに切り出した。「わたしと……結婚してほしいの」そしておずおずと打ち明けた。卑劣な義兄一家に姪を渡したくない一心で、“資産家の婚約者がいる”と嘘をついてしまったことを。いちだんとセクシーさを増したルックのハンサムな横顔は険しかった。こんなばかげた頼み事、承知してくれるはずがないわよね……。「いいだろう。すぐにぼくの家に引っ越すんだ」冷たい