著者 : 坂岡真
伊刈運四郎、馬庭念流の剣客、24歳。念願の出仕が叶うも、訳も分からず配されたのは火付盗賊改方の通称「しノ字組」。初仕事は、口から鯖の尾鰭が飛び出た血腥い屍骸の検分だった…。顔の刀傷で畏怖される供頭・杉腰小平太と、大酒呑みや博打好きなど、曲者の仲間たちに翻弄されつつ、凶賊を追って江戸八百八町を突っ走る!
天明七年、江戸市中は飢饉の影響で混迷を極めていた。一方で長らく長岡玄蕃から裏の役目の命は下されず、手下の白澤を晒したことへの報復を恐れた八品商の元締めも鳴りを潜めていた。そのおかげで忠兵衛はおぶんや重太郎と束の間の平穏を味わっていたが、それは帳尻屋を襲う大嵐の前の静けさに過ぎなかったー。最凶の敵を相手にした空前絶後の闘い。結末はいかに!?大人気シリーズ、ここに堂々完結!!
下総の小藩の元藩士で、いまは大道芸で生計をたてる朝比奈結之助。結之助が一度救った田楽屋の主が斬られ、拐かされた娘は自害した。ささやかな幸せを噛み締めていた父娘の死に、結之助は怒りに燃える。直心影流の達人など強敵に史上最強の剣術といわれる「無住心剣術」の豪剣が唸る。「鬼役」で人気の坂岡真が描いた「涙のシリーズ」が新装版で登場。期待の第二弾。
日照り続きの天保九年。江戸の芳町にある口入屋「ひなた屋」に、隻腕の老人、朝比奈結之助がやってきた。女将おふくの頼みでひなた屋の用心棒となった結之助に、罪なき者を葬る辻斬りの話が舞い込む。そこで、結之助は最強の剣術「無住心剣術」で顔なき悪党に立ち向かう。「鬼役シリーズ」で大人気の坂岡真が描いた「涙のシリーズ」が新装版で登場。待望の第一弾。
幕閣の重鎮、御小姓組番頭の橘右近が死した。橘から「裏御用」を命じられ、数多の奸臣を成敗してきた将軍の毒味役、御膳奉行の矢背蔵人介はその死を引きずっていたが、突然、何者かから「密命」が下った。蔵人介の周囲には次々と異変が起こる。はたして密命を命じてきた人物は味方なのか、それても敵なのか。鬼役シリーズ、新たな幕開けとなる第二十四弾。
将軍家慶の側に仕える御小姓頭取が乱心した。事件の責任をとって、小姓を束ねる立場の御小姓組番頭・橘右近は逼塞処分に。将軍の毒味役を務める矢背蔵人介は、この乱心が、橘を陥れる策謀だと見抜き、背後の敵を探り始めた。しかし、橘と蔵人介は命を狙われ、矢背家にも討手が向かう。そして、橘は、幕閣の糾弾に命をかけた訴えに出たがー。滂沱の第二十三弾。文庫書下ろし長編時代小説。
帳尻屋の仲間である柳橋芸者のおくうに縁談が持ちあがった。突然のはなしに戸惑う忠兵衛だが幼馴染みだという相手の男三太郎を紹介され盃を交わすうちに、ふたりを温かく見守ることを決意する。だがその直後、三太郎が手代見習いとして世話になっている浅草駒形町の紅屋の主人が殺められ、三太郎が行方知れずとなりー。蔓延る悪に引導を渡す、闇の男たちの活躍を描く、大人気シリーズ、灼熱の第六弾!!
老中田沼意次の窮地を救った与力葛篭桃之進は、なぜか左遷され道中手形を扱う閑職、西ノ丸留守居役へ。ある朝、骨壺を抱えた旗本の妻女八重が実家の大垣までの手形を求めてきた。手続きの不備を理由に追い返すと、なんと八重は桃之進との不義密通を夫に告白し、姿をくらました!濡れ衣を訴えつつ八重の突飛な行動を探る桃之進だが、狂犬の如き夫に命を狙われ…。
「女官をひとり斬ってもらう」-将軍毒味役の矢背蔵人介は、御小姓組番頭の橘右近から裏御用を命じられる。水戸家の政を父親の陰陽師とともに壟断している奥向きの女官を調べる蔵人介の前に「天保銭」にかかわる悪事が浮かぶ。そして、現われた覆面の刺客。蔵人介はこれまでにない最大の窮地に。卯三郎の恋、矢背家の総力戦など、濃厚すぎる人気シリーズ第二十二弾。
浜町の為替両替商が押しこみに遭い、一家惨殺という陰惨な事件が起きた。北町奉行所内与力の長岡玄蕃により事件の顛末を知らされた蛙屋忠兵衛は賊である龍神一味を捜すよう命じられる。さっそく動きだした忠兵衛だが、訪れたさきで、島帰りとおぼしき入墨がはいった男のすがたを目にしー。帳尻屋に新たな仲間が登場!蔓延る悪に引導を渡す、闇の男たちの活躍を描く、大人気シリーズ、激動の第五弾!!
京から江戸に戻った将軍毒味役の矢背蔵人介は、相番を務める同僚の桜木兵庫から娘の縁談を聞かされる。しかし、縁談相手の由緒ある乙山家の息子には悪評が。そして、相番の娘は窮地に陥るー。一方、城中では大御所・家斉の奇行が目立つが、家斉を守っていた小姓が何者かに惨殺された。「鬼役」蔵人介の怒りがついに爆発する!人気シリーズの傑作第二十一弾。
将軍の毒味役「鬼役」を務める矢背蔵人介。裏御用を指示する橘右近から呼ばれて、奥高家と大名との衝突の仲裁に入ったことから運命の糸は動き始めた。蔵人介を狙う正体不明の刺客の口からは「京がおまんの墓場」という言葉が漏れる。京へ入った蔵人介の前に待っていたのは、かつてない強大な敵と、自らの衝撃の過去だった。人気シリーズ二十作記念の大傑作長編。
雲州から江戸に出てきて二年、蛙屋忠兵衛率いる帳尻屋の仲間として数々の修羅場を潜ってきた琴引又四郎に、松江藩剣術指南役就任のはなしが持ちあがる。分不相応だとしていったんは固辞した又四郎だったが、度重なる誘いを受け、決断を迫られる。だが当の松江藩内では、古鉄の再製に絡み、不穏な影が蠢いていたー。蔓延る悪に引導を渡す、闇の男たちの活躍を描く、大人気シリーズ、注目の第四弾!!
将軍の毒味役「鬼役」を務める矢背蔵人介。将軍を誹謗する落首を書いたとして、知己の奥医師が切腹を申し付けられた。冤罪を晴らさんと動く蔵人介の前に立ちはだかったのは「甲賀五人之者」と呼ばれる手練たち。その一人を斬ったことで蔵人介は謎の勢力を敵に回すこととなった。想像を絶する強大な敵を相手に、蔵人介の運命やいかに。次作へつながる胸騒ぎの第十九弾。
将軍の毒味役、鬼役を代々務めてきた矢背家。当主の蔵人介は、ついに自らの跡を継ぐ者として居候の卯三郎を試すこととする。命懸けの毒味、驚異の水練、死に物狂いの武芸、桁外れの早駆け…。卯三郎に次々に課されるのは想像を絶する試練だった。卯三郎はその試練を乗り越え、矢背家の跡目を継ぐことはできるのか。大好評シリーズ、涙と笑いと感動の第十八弾。
将軍の毒味役、通称鬼役の矢背蔵人介は、毒味御用の一方で、江戸の悪を成敗してきた。そんな鬼役を支える家族がいる。養母で薙刀の達人の志乃、剣は不得手だが勉学熱心な息子の鐵太郎、成敗御用を支える用人の串部六郎太…。そんな家族たちの「もうひとつの物語」を綴った短編六編を収録。鬼役ファンならずともハマる一冊。
将軍の毒味役を務める矢背蔵人介は、実父・孫兵衛の料理屋で孫兵衛の元上役である天守番之頭・中村勝之進と出会う。しかし、中村は何者かに斬られてしまう。その裏には薩摩の影がちらつく。なおも死の背景を探る蔵人介の前に、父・孫兵衛の知られざる過去が浮き上がり、自らの「出生の秘密」も明らかになってくる…。衝撃のラストに落涙必至の人気シリーズ第十七弾。
芸者のおくう、幇間の粂太郎とともに大川に舟を浮かべ、涼をとっていた蛙屋忠兵衛は、小舟に並んだ若い男と後家貸しの女の屍骸を発見する。白い帷子を纏い、たがいの手に包丁を握っていた姿から、相対死にとして処理されるが、恨みの籠もった女の死に顔を目の当たりにし、殺しだと確信した忠兵衛は、調べをすすめはじめるー。蔓延る悪に引導を渡す、闇の男たちの活躍を描く、衝撃のシリーズ第二弾!!
江戸に強風が吹き荒れ、市中に黄砂が煙る頃。神田馬ノ鞍横町で口入屋を営む蛙屋忠兵衛は、小商いばかりで、うだつの上がらぬ毎日。昼酒を啖い、無聊を託つが、忠兵衛には女房のおぶんも知らぬ、裏の顔があったー。雲弘流の達人「殺生石」柳左近。不傳流の若武者、琴引叉四郎。そして稀代の仕掛人、「帳尻屋」忠兵衛。蔓延る悪に引導を渡す、闇の男たちの活躍を描く、痛快無比の新シリーズ参士!