著者 : 堀川アサコ
流行らない遠海神社の神さまは、自分の食い扶持を稼ぐため、人間の格好をして働いている。ある日、人間には入れない本殿に侵入し、見えないはずの神さまを見ることが出来る青年が、高額なお布施で、御利益を得たいと言ってきた。彼の正体とは?(「水中少女」)丑の刻参りで人気のある神社の神さまから頼まれたアルバイトは、呪いを解くこと?(「神さまと藁人形」)切なく優しい二篇を収録。書下しヒューマン・ファンタジー。
出社すると会社が倒産していた。それを恋人に告げたら、出て行ってしまった(「竜宮電車」)。母親の言うことが窮屈だった少年は、ある文字がタイトルに入った本を集めると願いが叶うと聞き…(「図書館の鬼」)。人気がない神社の神さま。ハローワークで紹介された花屋で働くが、訳有り客ばかりが…(「フリーター神さま」)。現実に惑う人たちと不思議な力を持つ竜宮電車をめぐる三篇を収録。
探し物が得意なアズサは夏休みに帰郷し、元バイト先を訪れる。この世とあの世をつなぐ登天郵便局では、死者が成仏せずに消える事件が頻発!彼らは生前“罪を洗い流す温泉”を訪れていた。懐かしい同僚たちから頼まれたアズサは温泉の在り処を探すが…。大ヒット『幻想郵便局』の続編を文庫書下ろしで!
剣術道場の師範代の巴は、剣の腕前の強さに加え、日本橋小町と評判の見目麗しさ。巴が一方的に慕う刺青彫師の青治と巴に想いを寄せる十手持ちの桃助、三人の周りでは不可思議な出来事が続く。江戸市中を騒がす「生きミイラ」の正体をあばくため、巴らは奔走するが…。怖くてあやしく面白い、最旬時代小説。
不思議なモノ、コトが生息するこよみ村。村長の娘・湯木奈央とボーイフレンドの溝江麒麟は今日も怪事件に首を突っ込む。こよみ村中学の女王・麗華の陥落、「予言暦」盗難事件、湯木家の天敵・三人の大叔母が村の古屋敷で暮し始めるお話。怖いけれど愛しい、そんな「予言村」の世界にようこそ。シリーズ第三弾。
時は黒船来航に揺れる徳川家定の治世。奥州、野笛藩一の美女、今井一期は貧する国許を救うため、野笛出身の座敷童子を連れ戻すべく、大奥へ奉公に上がる。出没する“枕絵の妖怪”や人が死ぬ際に泣く妖怪“泣きジジさま”に翻弄されながらイチゴが知った座敷童子の正体は?温かい涙と笑みがおとずれる癒やし時代小説。
市役所建設課に勤める新米女子職員の千秋はある日、給湯室で不思議なものを目にした。歌をうたいながら踊る着物姿のおじさんー驚くべきことに、その身の丈は15センチほどしかない。孤独な人にだけ見える、小さい(だけどへそまがりで態度はやたら大きい)おじさんの力を借りて、5年前の殺人事件の謎解きに挑む千秋だったが…。史上もっとも凸凹なコンビで贈るミステリ、誕生。
東北の都・仙台にある本当寺には、振袖姿のかわいい幽霊・お鈴さんが住んでいます。お鈴さんは大きな呉服屋の一人娘。ある未練を残して17歳で死んでから、かれこれ160年も浮世をさまよっているのです。一方、父の墓参りにやってきた地元の信金勤めの村田カエデは、うっかりお鈴さんの墓石に蹴つまずいたことから「奉公人」に指名され、手足となって働くことに…。「幻想」シリーズの著者が贈る、あったか可愛いファンタジー!振袖少女&平凡女子、時代超越のコンビのほっこり事件簿!
足利幕府の時代、平穏を取り戻しつつある京の都。奇怪な歌に予言されるように洛中随一の遊女が殺された。現場には半月も前に死んだはずの女がいたという。腕っぷしに自信ありの乱暴者のくせに幽霊嫌いな検非違使・龍雪がこの怪事に挑むが、謎は次々と立ち上がりー。十年前に捨て去られた恋が招いた悲劇とは。恐ろしくも切ない日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
不思議な事が日常的に起こる「こよみ村」。地元中学の同窓会開催にあたり村役場まで乗り出す大騒ぎに。転校生・湯木奈央とボーイフレンド・溝江麒麟は大人の恋のさや当てに巻き込まれ、有力者の孫・十文字覚は人知れず重い悩みを抱える。恋あり、怪談あり、SFあり、ミステリーありの濃密ファンタジー第2弾。
舞台は大江戸八百八町ー。天涯孤独の刺青彫師・青治、青治に片思いする剣術道場師範代の巴、その巴を好いている桃助。市井の人々の口端にのぼる不思議や怪異に、幼なじみの三人は、首をつっこみ右往左往。一話、一話と読み進むうちに、あるときは心浮き立ち、あるときは憂いに胸をしめつけられる。最終話「蝶の影」にて明かされる青治の秘密に、あなたの心は浮くか、沈むか。
野球部を休部中の中学二年生、海彦は落とし物をした同級生のユカリを追いかけて「たそがれ探偵社」にたどりつく。そこは幽霊専門の探偵社で、海彦とユカリは、ヤンキー姿の幽霊、大島の頼みを解決することに。ふたりの通う中学校に伝わる不思議な話も気になりはじめー。大人気「幻想シリーズ」4作目。
思い通りにならない、うまくいかない人生。もし、願いを叶えてくれるアイテムがあったら…。竜宮電車に乗れば、どんな憂いも取りのぞける。でも、フリーパスがないと、乗車できない(「竜宮電車」)。タイトルに“鬼”という字がついた本を自分の年の数だけ読むと、どんな願いもひとつだけ叶う。でも、なかなか、そろわない(「図書室の鬼」)。ハローワークに通うが、やる気のない神さま?年齢不明・祭神(「フリーター神さま」)。「幻想」シリーズで人気の著者が書き下ろしで贈る、切ないけれど優しい物語。
ときは一八五四年、徳川家定の時代。野笛藩一の美女・14歳の今井一期は、江戸城大奥に潜入し、野笛出身の座敷童子を連れ戻してくるよう命じられる。仲良しの御次“茜”、伊賀者同心の“唐次”、枕絵の妖怪“サダさん”、人が死ぬと泣く妖怪“泣きジジさま”、妙にイチゴになつく犬・猫・狆たち、そして厳しく恐ろしい御年寄の“嵐山”-。噂がとびかう大奥と秘密あふれる江戸の街を駆けまわり、イチゴが知った座敷童子の正体とは?
女子の前でひどくあがってしまう中井海彦は野球部に所属する中学二年生。ある日、父親から受験のためにクラブ活動を二年生までで辞めるように言われた海彦は、顧問に練習を休みたいと申し出る。急に暇になってしまった海彦は、帰宅の途中、入学時から気になっていた女子の生徒手帳を拾った。小路の先に楠本ユカリ本人の姿を発見し急いで跡を追う。ユカリが向かった雑居ビルの6階は「たそがれ探偵社」と書かれていた。「ここ、幽霊専門の探偵社なの」扉を開けたその瞬間から、海彦のとんでもない二学期がはじまる!
父・育雄が故郷の村長に当選し、中学二年生の奈央はこよみ村に移り住む。村には秘密の書「予言暦」があるという。元アイドルの溝江アンナとその息子・麒麟、“村八分”松浦、父の政敵・十文字など個性的な村民と共に奈央は様々な不思議な体験をする。村の四季を背景に、ほんのり怖いけれど癒される青春ファンタジー。
謎の美女、猩子が営む日記堂。山奥に佇むこの店では、人に読ませる目的で書いたのではない「本当の日記」を売っている。日記は悩みと希望の生の記録。人生の道しるべとなり、お客の悩みを救う。なぜかタダ働きすることになった大学生・友哉は「日記堂」のとんでもない秘密を知ることにー。人気シリーズ第三弾!
津軽に暮らす十九歳の美しい娘・千歳は、目が見えない。死んでしまった優しい夫に会いたい一心で死者の霊魂と接するイタコになったけれど、夫の霊にだけはまだ会えない。気ままなイタコだったはずの彼女は、世話役の幸代、姪の安子と暮らすうち、次々と怪しい事件に巻き込まれー。ゾっとするほど怖いのに、最後はジーンと心に沁みてくる、青森発の新感覚ファンタジー!