著者 : 堺屋太一
「俺の邪魔立てをする者は、何人たりとも容赦せぬ!」己が理想の国を目指し、天下布武に邁進する信長は、歯向かう者をことごとく葬り去っていく。その苛烈極まる戦いの中、光秀は信長に抗する自らの内なる声を聞く。その甘い響きは、やがて彼自身を蝕みはじめ…。
「信長様の酷薄、それほどであったか」四国を牛耳る長曾我部元親討伐の先手を待ち望む光秀だが、信長から下されたのは秀吉の後詰めに加え、丹波と坂本の領地替えだった。屈辱に震える中、信長が滞在する本能寺の守備が手薄だと知ったことで、揺らぐ気持ちは決意に変わる!
二〇二六年ー低迷し続ける日本社会で新時代を切り拓かんと志す者達がいた。「身の丈の国」を国政方針に掲げる若き総理大臣、脱「官僚主導・東京一極集中」を断行する大阪都知事ら、型破りの夢を描くベンチャー企業家…明治維新、太平洋戦争と国難の度に新しく国を創り変えてきた日本は、もう一度どん底から這い上がり、「三度目の日本」を創ることができるのか。「団塊の世代」リタイア後、あるべき“日本の未来”を活写する、堺屋太一の最後の予測小説。
一九七一年、大学の卒業旅行で出会った男女七人がその後も折につけ集い、旧交を温めてきた。銀行員、厚生官僚、新聞記者、商社マン、高校教師、弁護士、メーカー勤務として社会に出た彼らは五十七年後、予想だにしなかった人生を振り返ることにー。2028年の日本を予測し、団塊の世代、彼らに関わるすべての人のゆく先を示す、予測小説のパイオニア堺屋太一の真骨頂!
新しい日本を世界に示した日本万国博を発案、実現。石油問題に警鐘を鳴らし、「団塊の世代」を命名した。予測/歴史小説家、評論家、経済企画庁長官として、著者の卓越した思考と行動は、常に時代を牽引してきた。団塊の世代の2028年までを描く『団塊の秋』と、多彩な半生とその時代を語り尽くした自伝。『堺屋太一著作集』全18巻、堂々完結!
組織が死に至る原因は三つある。機能体の共同体化、環境への過剰反応、成功体験への埋没。『組織の盛衰』は、今日の組織の病巣を鋭く照射し、健全化への道筋を解く。『日本を創った12人』は、聖徳太子から松下幸之助まで、現代日本の原型を創った人物を通して、日本の針路を示す、「堺屋日本史」の精髄。
「これから社会は大きく変わる」という人は多いが、「こう変わる」という人は少ない。しかし、著者が社会を解く流儀は常に明確だ。『知価革命』はポスト工業社会の核となる「知価」を明示し、『日本とは何か』は風土と歴史から日本の原理を解明した。各国で翻訳されて大反響を呼んだ2作品を収録。知の開拓者・堺屋太一に目を開かれる快感を!
明治の日本は74年目、昭和16年に太平洋戦争に突入。20世紀末、著者は戦後74年目、平成30年の日本の姿を探った。データ分析から導き出されたのは、「何もしなかった日本」。作中では、現状突破のために政治家と官僚たちが奮闘、「天下分け目の改革合戦」が始まる。現実の日本はどうか!?選択の、その先を示唆する予測小説の快作。
全国38紙で連載された巨弾歴史小説、待望の文庫化!戦国の乱世に、偉大な先代の跡を継いで家長となった上杉景勝、毛利輝元、宇喜多秀家という「三人の二代目」は、天下布武を目指す織田信長の圧力にさらされながら、それぞれに生き残りを模索する。そして、本能寺の変勃発。彼らの決断はー。動乱の時代を生き抜く、したたかな知恵と勇気の物語。
全国38紙で連載された巨弾歴史小説、待望の文庫化!戦国の乱世に、偉大な先代の跡を継いで家長となった上杉景勝、毛利輝元、宇喜多秀家という「三人の二代目」は、天下布武を目指す織田信長の圧力にさらされながら、それぞれに生き残りを模索する。そして、本能寺の変勃発。彼らの決断はー。動乱の時代を生き抜く、したたかな知恵と勇気の物語。
アジア北方の草原に生まれたテムジン(チンギス・ハン)。族長の父を亡くし、一族は滅亡の淵にまで追いやられる。中世的身分社会の冷酷さに懊悩するテムジンを救ったのは、冒険心と己の才能によって生き抜く多国籍の人々だった。「人間に差別なし、地上に国境なし」。獲得した思想を信念とし、テムジンは遊牧民の皇帝に就く。
中華の大国を破り、中東のホラズム帝国を制して、ついにユーラシアに覇を唱えたチンギス・ハン。なぜただの征服者でなく、世界の創造者に飛躍できたのか。脱・部族階級社会と絶対王制を支えた策を解き明かす。「天尽き地果てるとも、わが志は止まぬ。時移り、人代わるとも、この想を継げ」の最期の言葉に至る道。
幕府開府から約100年を経た元禄時代。華やかな貨幣経済が、社会を変えようとしていた。武士や農民は疲弊し、大商人が勃興する。赤穂では、藩財政の再建のため塩業改革に乗り出すが、これが三州吉良の塩と競合し、「事件」の導火線となる。経済の視座によって「峠の時代」を描き出す歴史巨篇。
勅使饗応役・浅野内匠頭vs.指南役・吉良上野介。確執はついに、殿中での刃傷事件に及んだ。主家断絶の激震に、大石内蔵助は討入りを決断する。その本懐を遂げた時、仇討ちの46人を「義士」と讃え、不参加の者を「不義士」と糾弾する世論の非情。幕府、浪士、吉良家、そして世論が織りなす「堺屋版忠臣蔵」。
秀吉の弟であり、最も古くからの家臣でもあり、家臣として最大の領地と最高の階位を得た男。だが、豊臣秀長は、なぜか語られずに来た。巨大化する豊臣家臣団をまとめ、厳格な情報管理体制を敷き、その上、鋭い財政感覚と蓄財能力を持った「補佐役」。秀吉という光を支える影に徹した一生を描く名作。
太閤秀吉亡き後、家康は当然、天下を狙う。しかし秀吉は、幼君・秀頼を守るため「組織と法規」を設けていた。それを楯に取り、三成は家康と敵対する。生き残りを賭ける諸将を取り込み、一介の役人・三成は、いかにして天下分け目の「関ヶ原」を創造し得たのか。圧倒的に斬新な歴史ドラマを今、堪能したい。