著者 : 多岐川恭
ゆっくり雨太郎捕物控(6)ゆっくり雨太郎捕物控(6)
いきなり後ろから袖をひっぱられ、脂粉の匂いを漂わせた、ちょっといい女に「市助さん、お前の女房のお春ですよ」と人違いされた八丁堀同心・若月雨太郎。雨太郎は途方にくれつつも山城屋という茶問屋の市助になりすます。“市助”が戻ってきた祝いの夜も更けて、いよいよお春と水入らずになったことから事件が勃発する…(「忘れた昔」)。下町の風物と人情を背景に繰り広げる、ゆっくり雨太郎シリーズ完結篇。
ゆっくり雨太郎捕物控(5)ゆっくり雨太郎捕物控(5)
大工の棟梁・磯七が料理茶屋で殺された。虫の息の磯七いわく、茶屋の博打に加わったおり、おりんという女と知り合ったという。おりんは負けの込んだ磯七に金を貸し与え、しかも博打の後、一夜を共にした。翌朝、頭に激痛を覚えて目をさました磯七の隣に、背中に見事な彫物をしたおりんがいたというのだ。おりんの身許はすぐに割れたが、なぜか背中に彫物はなかった…。異色捕物控シリーズ第五弾。
男は寒い夢を見る男は寒い夢を見る
徒手空拳、非道なやり口で財界の大立者にのしあがった男・押田信介。彼をとりまく様々な人間が、その命を虎視眈々と狙っている。愛人も秘書も、別荘番も友人も、そして、同居中の甥までも…!押田は周囲を圧倒して君臨し憎悪を集めていたのだ。色と欲との殺人競演会の結末は?人間の謎を深く抉る傑作長編サスペンス。
ゆっくり雨太郎捕物控(4)ゆっくり雨太郎捕物控(4)
天保の江戸市中。因業金貸しの松兵衛が息を引きとった。いまわの際に家人一同を呼び集めていわく、「大事な宝を屋敷に隠してある。見つけたやつにその宝をやるが、代りに子供の面倒を見ろ」。さあ大変。松兵衛の妾お政、下男の儀平、甥の治郎七らは宝さがしに目の色かえて狂奔。騒ぎが騒ぎを呼ぶが、“ゆっくり”と異名をとる八丁堀同心若月雨太郎、冴える推理で見事解決。傑作捕物控シリーズ第4弾。