著者 : 安藤由紀子
22年前、ゼインによる教団施設炎上を経験した犯罪心理学者のジャックは、隣人の女性ウィンターに一目で惹かれてしまう。ある日、彼女をストーカーから救った彼だったが、軽傷のはずの犯人が死亡。彼は、ゼインが再び姿を現す徴候ではないかと調査を開始する。一方のゼインも自分の出自を知り、「父」の企業乗っ取りを画策していた…。やがてウィンターが誘拐され、ジャックたちはゼインとの最後の対決に向かうことにー。
秘書派遣会社を経営しているアーシュラの部下であり親友でもあったアンが謎の死を遂げ、速記で隠し場所を示された遺品は奇妙な物ばかりだった。自殺か心臓麻痺と判断されたが、アーシュラは他殺と考え、犯人を突き止めようと決意する。自ら秘書を担当していたクライアント=スレイターに休暇を願い出るものの、彼は協力したいと言う。犯人探しの過程で惹かれ合う二人。しかし、各々が秘密の過去を持っていた。一方、事件は予想以上の展開を見せ、意外な犯人が浮かび上がるー。
かつての恋人ロージーはなぜ失踪したのか?その真相に気づいていたらしい家族も死に、同僚刑事の忠告も無視して調べを進めるフランク・マッキー。次々と浮かぶのは、彼が育った16軒の貧しい家々が軒を連ねるフェイスフル通りでの苦々しい思い出や、ねじれた人間関係、歪んだ家族愛。やがて事態は、フランクの愛娘をも巻き込んでいき…。切ないほどの顛末が胸に迫る、アイルランド発、珠玉のミステリー。
荒れ果てた小屋で見つかった若い女性の刺殺死体。レクシー・マディソンと名乗っていたその女性は、驚いたことにアイルランド警察の刑事、キャシーと瓜二つだった。犯人を探すため、レクシーになりすまして被害者が暮らしていた「ホワイトソーン館」へと潜入するキャシー。そこには四人の男女が現実離れした調和をもって共同生活を送っていた…。新人賞を総なめにした著者の待望の第二弾。2008年アマゾンUSエディターズ・チョイスミステリー部門第1位。
殺人事件の被害者が暮らしていた「ホワイトソーン館」に潜入した刑事キャシーは、ここに住む学生らとの共同生活に不思議なほど馴染む。しかし、屋敷が背負う暗い歴史、周囲の村の住人との摩擦…そこから浮上する数人の容疑者。やがて完璧な調和を保っていた共同生活のほころびが見えはじめ…。被害者が抱えていた暗い秘密とは?真犯人は?事件の真相が心を刺す、感動のミステリー。
運び屋のアリーにとって今度の仕事も楽な稼ぎのはずだった。が、アリーが取引場所に行くと、相手の男が射殺体となって転がっていた。さらに二人組の男からディスクを渡せと脅される。彼女は男を撃って逃走するが、いつのまにかポケットに謎のディスクが。やがてアリーは、自分が元CIAの高官を殺した容疑で指名手配中と知るが…銃の達人で凄腕の運び屋アリーが縦横無尽に疾駆する!ハードでスリリングな新シリーズ。
後悔なんかしてないわ。夫を殺した日から、わたしの本当の人生が始まったのだから。小さな町で暮らすボニータ・フェイは横暴な夫に耐えかね、山頂で夫を射殺してしまった。事件の後、彼女は長年の憧れのパリを訪れ、そこでハンサムな青年と出会って友情を深めていく。が、やがて穏やかな日々に暗い影を落とす事件が…ロマンティックで少しせつない、自己再生を賭けた一人の女性の物語。
闇に覆われた謎の街。娼婦ばかりを標的に、連続殺人が発生する。容疑者ジョン・マードックは記憶を喪失していた。僅かな記憶の断片を頼りに、真実を追うジョン。そして彼を追う刑事バムステッドと妻のエマ。だが、彼らにもまた、不気味な黒い影が忍び寄っていた。ストレンジャーー宇宙の寄生体。彼らは人間の「記憶」を奪おうとしていた…。超絶スケールの新世紀SFスリラー。
打ち捨てられたネイティヴ・アメリカンのコミュニティ。貧窮の極にある家族や仲間のために、ラファエルはある仕事を選んだ。スナッフ・ムーヴィーに主演すること。それは一時間にわたって身体を切り刻まれ、殺される模様を撮影させることを意味したー。『殺人方程式』などでMWA賞を2回受賞した名手が問う、真の愛と勇気。ジョニー・デップに初のメガホンを取らせた問題の原作。
大道芸で日銭を稼ぐわたしの前に、以前いかさま読心術を演じて苦杯をなめさせられた男、オズボーンが現れた。ある女子大生がキャンパスから拉致されたのだが、父親が有名超能力者に捜索を依頼したところ、その人物はオズボーンそっくりの人相特徴を犯人のものとして透視したのだどいう。かつての仇敵のためひと肌脱ぐ羽目となった失業奇術師コルダーウッドの活躍。好評の第三弾。
その朝わたしは、テレビのVTRで旧友クィンプが己れの死を予言しているのに出くわした。世界に冠たる天才のピエロにして、エンターテインメント界の名物男。彼が死ぬ?慌てて駆けつけたわたしのまえに、鍵のかかった金庫のなかかから扮装したクィンプの死体が転がりだすが…。廃業寸前のホテルに展開する難事件。失業奇術師コルダーウッドの推理の行方を軽妙に綴った第2弾。
世界最大のサッカー大会、ワールドカップ。開催国のアメリカは大方の予想を覆して決勝にまで駒を進めていた。だがそんな折りも折り、プロ・ティームのオーナーが競技場内で殺されるという事件が発生する。死体の頭部にはスパイクの跡。スポーツ記者マークは恋人を嫌疑から救うため、真犯人究明に乗りだすが…。あのペレがサッカーへの情熱を謳いあげた、異色のスポーツミステリ。
仕事がら超常現象の類は信じないハリーだったが、今回興行先のペンシルヴァニアの田舎町でおかしな男に出会った。最近幽霊に悩まされているので調べてみてはくれないか、というのだ。だれかの悪戯かと思いきや、男は翌日、本当にビルから身を投げてしまった。幽霊に怯えて自殺?冗談じゃない!奇術師ハリーの活躍を描く軽快なシリーズ第1弾。
ジョン・ロークが命を救った地震学者だという女は、驚くべき情報をもたらした。核戦争の影響で新たな断層が生まれ、フロリダ半島が海に沈もうとしているというのだ。このままでは何百万人ものアメリカ人はもとより、進駐してきたソ連やキューバの将兵も海のもくずと消えてしまう。ロークは第二合衆国政府とソ連軍を一時休戦させようとするが…。
「この赤ん坊を撃ったやつを見たものは?」「痩せ気味で、皇帝髭を生やした男がうちの子を殺したのよ。うちの子を」「そいつを見つけたら必ず殺してやると約束しよう」離れ離れになった妻と子に再会するため、ハーレーにまたがり、サブマシンガンを携えて、核戦争によって焦土と化したアメリカの大平原をひた走る男、ロークが出会うドラマの数々。
筋骨逞しいローマ帝国軍団兵士カスカ。十字架上のイエスに槍を突き上げた彼は,罰として死ぬことのできない身体にされてしまう。しかも、つねに戦いつづける存在として…。平安を願いながらも、奴隷、剣闘士、傭兵と、さまざまに身分は変わり、苦しみに満ちた永遠の生を送らなければならないのだ!虚無を見つめ、歴史をめぐる戦士を描いた異色作。