著者 : 富山太佳夫
大島渚監督最大のヒット作であり、4K映像化もされた伝説の名作「戦場のメリークリスマス」(1983年公開)の原作本。 これまで思索社(後に新思索社)より刊行されてきた同書は、出版元である新思索社が2016年に清算したこともあり、2009年刊行の『戦場のメリークリスマス 影の獄にて・映画版:原作版 新装版』を最後に、書籍の形で原作を読むことはかなわず、長らく絶版状態が続いていました。 時代を超え、繰り返し読み継がれるその魅力を存分に体感してください。 ▼あらすじ 『影の獄にて』(原題:『The Seed and the Sower』)は、南アフリカの作家ローレンス・ヴァン・デル・ポストによる本で、語り手である「わたし」のもとに戦友だったローレンスがクリスマスの日に訪ねてきて、二人で戦中の体験を語り合うという内容。「影さす牢格子」「種子と蒔く者」「剣と人形」の三部作で構成。 元は第一部である「影さす牢格子」が『影の獄にて L・ヴァン・デル・ポスト選集 (1)』に所収され、1954年に思索社より出版。その後、第二、三部が増補される形で、映画編集版となる形にまとまりました。それぞれ、クリスマスの前夜、朝、夜としてまとめられており、映画のもとになったのが第一部「影さす牢格子」と第二部「種子と蒔く者」になります。 ※本書は1978年11月に思索社より刊行された『影の獄にて』を底本とし、新たな装丁・編集にて復刊をするものです。 (c)Erimo Yura/Takao Tomiyama
夜霧の世紀末ロンドンに名探偵ホームズが目撃したものはー猟奇殺人、植民地戦争、女権拡張と労働争議、美女の噂とボクシング、あるいは優生学、進化論、そして神秘思想など、多種多様な思惑がうごめく大英帝国の素顔だった。時代の波に翻弄されるホームズの航跡を辿り、今日の消費社会を先取りした大英帝国の虚実をリアルに抉る画期的世紀末文化論。芸術選奨新人賞受賞、日本シャーロック・ホームズ大賞受賞。
「あなたも学校の先生におなりで。素行不良で退学の学生さんは大半がそうですから」。学友の乱痴気パーティに巻きこまれ、あげくに放校処分をくらってしまったポール・ペニーフェザー君。わけ知り顔の門番の言葉におくられ、教職斡旋所の門をくぐるが…。かくして我らが主人公の多事多難な人生航路が始まる。絶妙のユーモア小説。