著者 : 小嵐九八郎
日本の最南端、琉球諸島の小島に美しい女子大生が訪れた直後ー。波涛悠は、釣りに出掛けた父とリゾート開発業者が、巨大な鮫に食われる悲劇を目撃し、愕然とした。なぜ2人が海中に引きずり込まれ、鮫の餌食になったのか?一滴の血の臭いでもない限り、鮫はけっして人を襲わない。やがて悠の心に一つの疑惑が芽生えた…。長編冒険小説。
諏訪御柱祭り。七年に一度、命知らずの男たちが、切り出された巨木にまたがり、急坂を滑り下りてくる。先頭のハナ切りを狙い、欲襲次21歳は諏訪へ帰って来た。殺された養父の無念を晴らし、憧れの誉志子を手に入れるには、ライバル矢頭丸騎一に勝たねばならない。スピードとエロスの新青春小説いまここに誕生。
坂倫彦は息を呑み、思わず後ずさりした。雪に覆われた山麓に、翼を広げると2メートル半はある空の王者・大鷲が、彼を威嚇したのだ。が、大鷲は右脚から血を噴き苦しんでいた。助けを求めなければ、と振り向いたとき、倫彦は再び戦慄した。背後に、ぞっとするほど美しい少女が立っていたのだ。今や絶滅に瀕する大鷲との交流と、蠱惑的な少女との運命的な出会い。そしてやがて二人を襲う悲劇。都会の若者が愛と勇気に目覚める姿を描く、感動のアドヴェンチャー・ロマン。
まぎれもなくそれは、ニホン狼の特徴をすべて満たしている。大清水丈は驚愕した。絶滅したはずの狼が、凍てついた雪原に姿を見せたのだ。同じ冬、猟に出掛けた兄の震が死んだ。猟友の矢頭の証言によると、狼の群れに追いつめられ猪死谷から墜落したという。復讐を心に誓った丈だったが、やがて兄の死因に新たな疑惑が…。日本の哺乳類すべてが生息すると言われる秋田県白神山地を舞台に、伝説の狼を追い、男と女の愛憎の間で逞しく成長する若者を描く感動の冒険小説。
スナックのホステス、森園由香子が絞殺体で発見され、森園の愛人で、区役所に勤務する郷秀哉が逮捕された。だが、事件の成り行きに不審を抱く石倉練造刑事は、弁護士になりたての冬野尽に郷の弁護を強引に依頼した。1人ではからっきしだめな尽も、美女秘書の野村綾子、石倉の娘で新聞記者のさくら子、郷の娘で不良女子高生の淑子らの強力な助っ人を得て発奮!斬新な本格推理小説の秀作!