小説むすび | 著者 : 小池桂

著者 : 小池桂

迷子の秘書をさがして迷子の秘書をさがして

愛しの社長に片思いの秘書は、 恋の分かれ道で迷子になり……。 父の死後、家族を支えるため身を粉にして働くプリシラは、 昼間は社長秘書、家に帰れば家事や姉の子育てを手伝う毎日。 そんな生活も、姉の再婚を見届けた1年後に終わりを告げた。 悩んだ末に、社長のピーター・B・ロックハートに辞職を願い出たのだ。 それは、届かぬ恋心を隠して彼のそばで働くのがつらかったから。 心機一転、プリシラはさる老婦人の屋敷で住み込みの子守りの職を得る。 老婦人が言うには、知人の子を預かることになったはいいが、 “いやみなバーナバス”と陰で呼んでいる甥から反対されているらしい。 ある日、玄関前に派手な新車が停まり、噂の人物の登場かと思われた。 だがそこに現れたのは、その名もピーター・バーナバス・ロックハート、 彼女が未練を断ち切ったつもりでいた元上司の姿だった! 往年の名作家エッシー・サマーズの未邦訳旧作をお贈りいたします。気丈でがんばり屋なヒロイン像が好感を呼ぶ、ちょっぴり切なくてあたたかなシンデレラストーリーをお楽しみください。

花嫁泥棒花嫁泥棒

美しく礼儀正しき貴公子の正体は、 手並み鮮やかな“花嫁泥棒”-- 4年前、父が命を奪われた日を境に、イザベルの運命は一変した。 母があとを追うように亡くなると伯父に引き取られたが、 美しくも性悪な従姉にいじめられ、召使いのようにこき使われていた。 ある日から、従姉のもとに求婚者ジャスティンが日参するようになる。 聞くところによると、彼はひと月以内に婚礼の儀をあげなければ、 いま治めている領地も城も没収されてしまうのだという。 好条件を引き出そうと返事をもったいぶる狡猾な従姉のかたわらで、 イザベルはこの礼儀正しい貴公子に淡い恋心を抱くようになっていった。 だが残り2日に迫った夜、とんでもない事態に巻き込まれるーー 粗末な小部屋で眠るイザベルを、ジャスティンが強引に連れ去ったのだ! くる日もくる日も疲れ果てるまで働かされているイザベルに狙いを転じたジャスティン。よそで奴隷のように扱われている彼女の弟も引き取ると約束して、結婚を申し込みます。彼の大胆な実力行使に呆然としつつも、イザベルは弟のために一世一代の決断をし……。

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