著者 : 小牧大介
主人公のハバカク・パートンの祖父は熱心な清教徒で、ジャマイカ島東部のモラント湾地域に入植して砂糖黍農園を拓いたのだった。パートンは農園の中の広くて白い家で何不自由なく育った。不幸は突然おとずれる。10歳の時コレラが流行し、祖父、父、兄を一時に奪われたのである。村の教会の世話役だった男が、いかにも信心深い男やもめが敬虔な未亡人に話すのにふさわしい言葉を聖書を引用して悔やみを言いにきた。3年後、世間知らずの母はこの男と再婚した。しかし、この男の狙いは最初から農園をわが物とすることで、13歳のパートンはバルバドス島の農園に年季奉公にだされた。パートンが水夫となってバルバドス島を抜けだし、何年かのちジャマイカ島にたどりついた時、母は死に、自分は失踪人とされ、妹2人は家から一歩もだされず小間使い同然とされていた。ヤケになり、泥酔しては喧嘩し、ついに人を殺して海軍に逃げこんだパートンを拾ってくれたのは、負けず嫌いで腕っ節が強いのを見こんだ現地謀報部のキャメロンだった。
ついにラミジも待望の戦列艦の艦長となった。戦列艦ship of lineとは、戦列を組んで敵の戦列と砲戦をかわし、艦隊決戦に参加する備砲60門以上の大型艦のことである。
マーサズ・ビンヤード島で生まれたエドワード・マナリングは、この島に生を亨けた者のならわしどおり船乗りとなった。今はマサチューセッツ州議会所属の沿岸航路定期船アシーナ号の船長をしている。そこに“ジェンキンズの耳の戦争”という奇妙な名前の戦争が勃発した。乗組員はそのままに、アシーナ号はイギリス海軍の購入するところとなり、マナリングは正規のイギリス海軍将校となった。アシーナ号はただちにジャマイカ島南岸の、カリブ海のイギリス海軍の基地ポート・ロイアルに向かった。1739年10月のことである。泊地にはすでに戦列艦が勢揃いしていたル
歴史の奔流の中で、紺碧のカリブ海に生きたネッド・ヨークの、愛と冒険の一大ロマン!議会派と国王派の対立は、1642年夏についに内乱に発展した。議会派の新国民軍は国王派の軍隊を破り、49年にはチャールズ1世が処刑され、クロムウェルが護国卿に就任する。イギリスは王国から共和国に変わった。清教徒革命である。激動は本国から大西洋をわたってきた。伯爵家の二男でバルバドス島の農園開拓に従事しているネッドに、議会派の迫害は日に日に高まっていく。島を棄て、バカニアとなったネッドは…。
歴史の奔流の中で、紺碧のカリブ海に生きたネッド・ヨークの、愛と冒険の一大ロマン。議会派と国会派の対立は、1642年夏についに内乱に発展した。議会派の新国民軍は国王派の軍隊を破り、49年にはチャールズ1世が処刑され、クロムウェルが護国卿に就任する。イギリスは王国から共和国に変わった。清教徒革命である。激動は本国から大西洋をわたってきた。伯爵家の二男でバルバドス島の農園開拓に従事しているネッドに、議会派の迫害は日に日に高まっていく。島を棄て、バカニアとなったネッドは…。
歴史の奔流の中で、紺碧のカリブ海に生きたネッド・ヨークの、愛と冒険の一大ロマン。議会派と国王派の対立は、1642年夏についに内乱に発展した。議会派の新国民軍は国王派の軍隊を破り、49年にはチャールズ一世が処刑され、クロムウェルが護国卿に就任する。イギリスは王国から共和国に変わった。清教徒革命である。激動は本国から大西洋をわたってきた。伯爵家の2男でバルバドス島の農園開拓に従事しているネッドに、議会派の迫害は日に日に高まっていく。島を棄て、バカニアとなったネッドは…。