著者 : 小路幸也
空を見上げる古い歌を口ずさむ空を見上げる古い歌を口ずさむ
みんなの顔が“のっぺらぼう”に見えるー。息子がそう言ったとき、僕は20年前に姿を消した兄に連絡を取った。家族みんなで暮らした懐かしいパルプ町。桜咲く“サクラバ”や六角交番、タンカス山など、あの町で起こった不思議な事件の真相を兄が語り始める。懐かしさがこみ上げるメフィスト賞受賞作。
東京公園東京公園
「幼い娘と公園に出かける妻を尾行して、写真を撮ってほしい」-くつろぐ親子の写真を撮ることを趣味にしている大学生の圭司は、ある日偶然出会った男から奇妙な頼み事をされる。バイト感覚で引き受けた圭司だが、いつのまにかファインダーを通して、話したこともない美しい被写体に恋をしている自分に気づく…。すれ違ったり、ぶつかったり、絡まったりしながらも暖かい光を浴びて芽吹く、柔らかな恋の物語。
そこへ届くのは僕たちの声そこへ届くのは僕たちの声
植物人間を覚醒させる能力を持つ人がいるという噂と、各地で起きる奇妙な誘拐事件。無関係なはずの二つの出来事を結んだのは、“ハヤブサ”というキーワードだった。“ハヤブサ”とはいったい何なのか?-うちに秘めた「見えざる力」を駆使して、次々と降りかかる試練を乗り越える子供たち。本当の友情と勇気を描いた物語。
高く遠く空へ歌ううた高く遠く空へ歌ううた
ぼく、また死体を見つけてしまったんです。これで10人目なんです。高くて広い空に囲まれた街で起きる不思議な事件。少年・ギーガンは知らず知らずのうちに事件に巻き込まれていく。第29回メフィスト賞受賞作家が放つ会心作。