著者 : 小路幸也
元「怪盗紳士」が隠居として暮らし、非番の日にご近所の相談ごとで引っ張りだこの若手刑事も住む花咲小路商店街。ここにはたくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる。今回の主人公は、商店街で「花の店にらやま」を営む花乃子さんのもとに居候することになった十代の女の子。人々の慶びごとにも悲しみにも寄り添う花屋の仕事を手伝うなかで、ある日ちょっと気がかりなお客さんが来店してー
会いたい、もう一度だけ。 注目の作家たちによる珠玉のアンソロジー。 学生時代の恋人と二人で歩く夜に、祖父と同居しはじめた春休みに、 2021年の皆既月食に、時をつなぐ邂逅に、 音信不通だった母親と巡りあった日にーー 人気作家陣が紡ぐ東京の新たな“原風景”。 切なく温かな涙がこぼれる5つの「再会」の物語。
老舗古書店「東亰バンドワゴン」を営む堀田家の人気シリーズ第8弾。青の出生の秘密や、紺と亜美の出会い、研人とメリーの小さな恋物語など、隠れたエピソード満載の短編集。(解説/啓文社 三島政幸)
柔道が大好きな小学4年生のまどかと、プロのミュージシャンを目指す高校生2年生の由一は、仲のよい家庭で暮らす兄妹。だが、ある電話がかかってきたことで、2人の知らない秘密があることに気づきー人気作家2人が兄妹の視点で交互に描く、ハートウォーミングストーリー。
「楽園の話を、聞いてくれないか」そう言いかけて、父さんは逝ってしまった。山、紫、水、明と名付けられた僕らきょうだいと、一通の手紙を遺して。僕たちの母親は、4人とも違う。手紙には、それぞれの母親について書いてあった。「必要があると考えるなら、会ってこい」なぜ父さんは、結婚離婚を繰り返し、僕ら「家族」を作ったのか。一夏の旅の果てに明らかになる真実とは…。鮮烈な結末が胸を打つ、ビタースイート家族小説。
平凡な営業マン・石井は、仕事の途中で事故を起こしてしまう。パニックになり、伝説のギタリストでホームレスのシンゴ、バンドマンのコジーも巻き込んで逃げた先は、引きこもりの高校生・聖矢の土蔵で……。
夢、希望、怖れ、孤独、友情…。人気作家で贈る11の物語。ときに切なく、ときにほのぼのと、子供と大人たちの間に起こる様々なドラマ。『東京バンドワゴン』シリーズで知られる小路幸也ワールドから、単行本未収録を中心に、少年少女を主人公にした作品を選りすぐった傑作短篇集!巻末に作家本人による自作解説を付す。
ご隠居は、元「伝説の大泥棒」!? 得意ワザ(?)を活かし、商店街の事件を解決! 舞台は、さびれつつある、地方都市によくある小さな商店街「花咲小路商店街」。 主人公の亜弥は、両親が始めた小ぢんまりした英語塾を継いで講師をしている。 既に隠居している父は、日本に帰化したイギリス人なのだが、 その実、若い頃は美術品を中心とする泥棒として名を馳せていた人物。 商店街で起こる事件をその手腕で解決していくのだが、亜弥は気が気ではなくてーー。 トラブルを描いてもどこかやさしい、著者ならではの持ち味が存分に味わえる、じんわり心温まるエンターテインメント。
堀田家随一のイケメン、青の出生の秘密とは?(「紺に交われば青くなる」)、藤島社長と堀田家の初めての出会いとは?(「縁もたけなわ味なもの」)、地味な紺が、亜美を射止めたきっかけは?(「愛の花咲くこともある」)。老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家があふれる人情で解決する人気シリーズ第8弾、番外編。知られざるエピソードが満載。書き下ろし3編を含む全11編。
堀田家に春がきた。勘一のひ孫たちも大きくなり、にぎやかな毎日を送っている。そんなある日、一家にとって大切な人の体調が思わしくないことが分かり…。大人気シリーズ第6弾!(解説/田口幹人)
優等生の委員長と不良少女の淡い恋、すべてはそこから始まった。彼女が自力で人生を立て直すことができたなら、十年後にあるものを渡そう。そして約束の日、三年前から行方不明だという彼女の代わりに、夫を名乗る人物がやってきたがー。ニューヨークから帰ってきた青年と、幽霊騒動に巻き込まれた少年少女、そして最高の「相棒」が織りなす、約束と再会の物語。
世界的アーティストだが病気で色がわからないアーチ、朝と夜それぞれ真逆の時間に眠る不思議な双子の妹キサとトア。不便な事もあるけれど、“風のエキスパート”である父と海辺の町の愉快な仲間と共に楽しく暮らしている。だが父の仕事が原因で一家は少し困ったことに…。やさしい四季の物語。文庫書き下ろし掌編を収録。
やりたいこと、夢、特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人+管理人のタカ先生での共同生活。“シェアハウス小助川”という名前の医院を改築した大きな“家”でー。優しすぎて生きづらい、不器用な若者たちの成長を温かい視線で描ききった長編エンタメ。
1920年代のニューヨーク。裏通りの小さな博物館“BAM”の収蔵品は一風変わったものばかり。そこでは、物に触れると未来を予知できる不思議な少女フェイとワケあり個性派揃いのキュレーターが、悲劇を防ぐべく日夜活躍しているのだ。ジャズエイジの世界へ貴方を誘います。文庫版ボーナストラック「ドラキュラのマント」収録。
50時間起きて20時間眠る特殊体質のメイジ。草食系でのんびりした性格に反し、15年前、父親を殺されたというハードな過去の持ち主。現在はゲームプランナーをしつつ、体質を活かした“監視”のバイトをしている。だが、そのバイトのせいで二億円を拾ってしまい、裏金融世界の魔手に狙われる羽目に。メイジは戸惑いながらも知恵と友情を武器に立ち向かうが、この利とも枷ともなる体質が驚愕の事態を招く。
唯一の堅気者、新人キュレーター・エディ、魅力的な赤毛の美女“ダンシング”メイベル、100キロの巨漢“ベビーベッド”ブッチ、ベビーフェイスの伊達男“キッド”バーンスタイン、滅多にしゃべらない寡黙な“セイント”モース、そして、物に触れるだけで未来の悲劇を読み取ってしまう不思議な少女フェイ。悲劇を阻止すべく、BAMの面々は事件解決に乗り出す。