小説むすび | 著者 : 小長光弘美

著者 : 小長光弘美

忍び愛のシンデレラ忍び愛のシンデレラ

私は彼の家を掃除する家政婦。 結ばれる夢なんて叶うはずがない。 亡き恋人の両親に、忘れ形見の娘を奪われそうになったクレアは、 逃げた末にたどり着いた地で住み込みの家政婦の職を得た。 雇い主の大富豪リンクは、外見が魅力的なだけでなく、 優しくて気遣いのある、惹かれずにはいられない完璧な男性。 でも彼にふさわしいのは良家のお嬢様で、私なんて釣り合わない。 豪邸を美しく整え、手作りの料理を食べてもらえるだけで満足しないと。 そう自分の心に言い聞かせていたある日、 クレアはリンクとの関係を周囲に噂されていることを知る。 使用人の自分が相手では彼の評判を貶めてしまうと危惧した彼女は、 身を引かなければならないと決心するのだったが……。 黙っていても女性が寄ってきてしまう独身貴族のリンク。花嫁探しを勝手に進めようとする母親に困惑するなか、家政婦クレアの存在が頭にちらつきます。けれど、彼の母親は以前の婚約者を“よそ者”と嫌っていました。よそ者で使用人のクレアの、恋の運命は……?

ひとりぼっちの妻ひとりぼっちの妻

キャロラインは富豪弁護士ジェイムズとお互い一目惚れで結婚したが、 気づけば、夫が留守がちな家でいつもひとりぼっち。 ジェイムズが彼女の友人を遠ざけ、主婦業に専念させたせいだ。 子供を望まない彼と妊娠をめぐって喧嘩になり、今は寝室も別。 なんとか話し合って解決しようと夫の職場を訪れたときなどは、 同僚女性を胸に抱く夫の後ろ姿を見てしまい、動揺するばかりだった。 そんなある日、昔の知人男性とでくわして思い出話に花が咲き、 キャロラインは久しぶりに声をあげて笑った。 それでも、また会わないかという誘いにすぐに返事ができなかったのは、 夫への罪悪感? いいえ、そうじゃない。彼女はふいに気づいたのだった。 目の前の魅力的な男性が霞むほど、私はまだ夫に焦がれている、と。 愛し合っているはずなのに、闇にのまれるように破綻していく夫婦。失いかけた愛を取り戻そうと懸命に闘うキャロラインの姿が、読む者の胸を突きます。ジェイムズが妻をひとりで家に置いておくのは、醜い独占欲か、愛の裏返しか。奇才C・ラムの話題作をご堪能あれ。

クリスマス・ストーリー2018 ホワイト・イブの奇跡クリスマス・ストーリー2018 ホワイト・イブの奇跡

シングルマザーのロキシーは愛する娘にプレゼントを買うため、セクシーな妖精の衣装を着てクリスマス間近のデパートでアルバイトをしていた。だがその姿を片思い中の同僚ジェームズに見られてしまう。この出来事を機に、急速に距離が縮まる二人だったが…(『聖夜のフェアリーテイル』)。魅惑的な億万長者リアドに見初められ、彼の秘密の愛人になって半年。報われぬ愛の苦しみに疲れ果てたキャシディは彼の傲慢な態度に深く傷つき、別れを告げる。だが、3週間後のクリスマス・イブの深夜、思いがけず憔悴した様子のリアドが彼女のもとを訪れる(『真冬の千一夜』)。ジュリアは大雪で難儀していた男性を自宅に招き入れた。ジャイルズと名乗るその精悍な男性は、継承した伯爵領の財政を立て直すために裕福な花嫁を探していた。彼にとっては一時のお遊びだと知りながら、ジュリアは彼の強烈な魅力に身も心もとらわれてゆく(『伯爵と雪の華』)。友好国に亡命した小国の王女サーシャは、素性を隠して新米ナニーとして働きはじめた。初めての雇い主は、国際的に活躍するビジネスマンのギャビン。一つ屋根の下で暮らし、母を亡くした子供たちに懸命に尽くすうち、ギャビンにかなわぬ恋心を抱いてしまい…(『ナニーに天使の微笑みを』)。

愛のため夜を駆けて愛のため夜を駆けて

彼と赤ちゃんと一緒に生きていきたい。 でもそれは、願うのも愚かな夢物語……。 小さな小さな天使さん、お願い、早くパパを安心させて。 看護師ナディアは、生死の境をさまよう早産の双子に語りかけた。 双子の父親で医師のギデオンは、不眠不休の看護でもはや倒れる寸前だ。 今回の代理母出産を望んだ妻とは、すでに離婚が成立したらしい。 複雑な事情を抱えた彼を案じつつ、赤ちゃんたちの世話を焼くうち、 ナディアは3人を愛し始め、ずっとそばにいたいと願うようになる。 けれども彼女は、人に話したくないつらい過去を心に秘めていた。 十代のころ、実の父親によって悪党に売り飛ばされたのち、 そこでの生活に耐えかねて逃げ出し、今なお忍び暮らしているのだ。 父子との絆が深まるほど、身を引くべきだという切ない思いが増し……。 愛と切なさで読み手の胸を揺さぶるジョージー・メトカーフ。本作では、壮絶な人生を歩むナディアを主人公に、すべてを乗り越えた愛は何よりも強いと感じさせてくれる珠玉のロマンスを描きました。

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