著者 : 山下さおり
涙の結婚指輪涙の結婚指輪
買われた花嫁の涙はいつか、 愛の喜びに昇華するのかーー 幼い頃に両親を事故で亡くしたドミニは、伯父に愛情深く育てられた。 その伯父が今、窮地に陥っていたーー息子が会社で横領を働いたのだ。 会社の社長でギリシア人大富豪のポール・ステファノスは、 ドミニの伯父には内緒で彼女に取引を持ちかけた。 「君が僕と結婚するなら、事件は公にしないでおこう」 最愛の伯父を救うため、ドミニはうなずくほかなかった。 結婚式がすむと、悔し涙を流した。私はお金で買われた花嫁なのね……。 そしてドミニがハネムーン先から逃げ出そうとしているのに 気づいたポールが、恐ろしいほど静かに告げた。 「僕は君を放さない。僕の気がすむまで、君を捕まえておくつもりだ」 ハーレクイン・ロマンス日本創刊を前にサンプル本として選ばれた、巨匠ヴァイオレット・ウィンズピアの幻の名作! 15歳年上のヒーローは、じつはヒロインがまだ学生の頃から彼女の魅力に気づいていて……。耽美的な世界観をご堪能ください。紙書籍限定発売です。
涙の結婚指輪涙の結婚指輪
ドミニの美貌に目をつけた、社長ポール・ステファノスが 秘密裏に、ある取り引きを持ちかけてきた。 ぼくと結婚すれば、きみの従兄が横領した証である 小切手を燃やし、すべてをなかったことにしよう。 代わりに純潔を差しだすように、とギリシア人は囁いたのだ。 両親を亡くしたドミニを、伯父は娘のように愛してくれた。 その息子の罪を自分が贖わなければ、優しい伯父が窮地に陥る。 「ぼくがきみを買うんだ」熱を孕む瞳で男に見つめられて、 ドミニはただ身をふるわせ、頷くことしかできなかった。
PREV1NEXT