著者 : 山内義雄
モンテ・クリスト伯の仇敵たちが彼の正体を知るときは、すなわち身の破滅のときである。仕組まれた復讐の第一は、メルセデスの家出とモルセール伯の自殺で終わる。ヴィルフォールは肉親の相次ぐ毒殺に遭い、ダングラールは破産寸前まで追いつめられる。
不屈の意志と教養に加えて底知れぬ財宝をもつモンテ・クリスト伯は、人々の賞賛と感嘆をよそに冷やかにすべてを予見し、巧みな変装を用いて計画を着実に進めてゆく。仇敵ダングラール、モルセール、ヴィルフォール三家の運命は彼の掌中に握られている。
モンテ・クリスト伯の三人の仇敵、ヴィルフォール、ダングラール、フェルナンは、いまやパリの社交界に出入りする貴族である。しかし地位と富におごる彼らの身辺には、いつしか伯爵の復讐の手がしのび寄る。波瀾に富む壮大な復讐の物語。
謎の人物モンテ・クリスト伯となったかつての青年ダンテスが、いまはモルセール夫人となっている昔の恋人メルセデスの子息アルベールとローマで親交をむすび、パリでついにメルセデスと対面する。新しい読者を絶えず獲得してきた不朽の名著、第三冊。
シャトー・ディフから脱獄し、ファリア司祭から知らされたモンテ・クリスト島の宝を手に入れたダンテスは、遠大な計画の実行にかかった。モンテ・クリスト伯の名が社交界に高まり、次々とふしぎな事件やエピソードが生まれてゆく。達意の文章と複雑な構想を駆使したこの物語は、いよいよ佳境に入る。
二百年の長い間、世界各国で圧倒的な人気をあつめてきた『巌窟王』の完訳。無実の罪によって投獄された若者ダンテスは、十四年間の忍耐と努力ののち脱出に成功、モンテ・クリスト島の宝を手に入れて報恩と復讐の計画を着々と進めてゆく。
九九 法 律 一〇〇 幽 霊 一〇一 ロクスタ 一〇二 ヴァランティーヌ 一〇三 マクシミリヤン 一〇四 ダングラールの署名 一〇五 ペール・ラシェーズの墓地 一〇六 分 配 一〇七 獅 子 窟 一〇八 裁 判 官 一〇九 重罪裁判 一一〇 起 訴 状 一一一 贖 罪 一一二 出 発 一一三 過 去 一一四 ペピーノ 一一五 ルイジ・ヴァンパの献立 一一六 ゆ る し 一一七 十月五日
八一 パン屋の隠居の部屋 八二 押しこみ 八三 神 の 手 八四 ボーシャン 八五 旅 八六 審 判 八七 挑 戦 八八 侮 辱 八九 夜 九〇 決 闘 九一 母 と 子 九二 自 殺 九三 ヴァランティーヌ 九四 告 白 九五 父 と 娘 九六 婚姻契約書 九七 ベルギー街道 九八 鐘と罎のホテル
六六 結婚政策 六七 検事総長室 六八 夏の舞踏会 六九 情 報 七〇 舞 踏 会 七一 パンと塩 七二 サン・メラン侯爵夫人 七三 約 束 七四 ヴィルフォール家の塋域 七五 調 書 七六 アンドレア・カヴァルカンティの売り出し 七七 エ デ 七八 ジャニナ通信 七九 レモネード 八〇 告 発
四九 エ デ 五〇 モレル一家 五一 ピラムスとティスベ 五二 毒 物 学 五三 『ロベール・ル・ディアブル』 五四 株の高低 五五 カヴァルカンティ少佐 五六 アンドレア・カヴァルカンティ 五七 うまごやしの囲い地 五八 ノワルティエ・ドゥ・ヴィルフォール氏 五九 遺 言 六〇 信 号 機 六一 桃をかじる山鼠から園芸家をまもる方法 六二 幽 霊 六三 晩 餐 六四 乞 食 六五 家庭争議
三五 撲殺の刑 三六 ローマの謝肉祭 三七 聖セバスチヤンの塋窟 三八 約 束 三九 賓 客 四〇 午 餐 会 四一 紹 介 四二 ベルツッチオ 四三 オートィユの家 四四 復 讐 四五 血しぶき 四六 無制限貸出 四七 連銭葦毛 四八 観 念 論
一九 第三の発作 二〇 シャトー・ディフの墓場 二一 ティブラン島 二二 密輸入者 二三 モンテ・クリスト島 二四 眩 耀 二五 見知らぬ男 二六 ポン・デュ・ガールの旅籠屋 二七 物 語 二八 監獄の記録 二九 モレル商会 三〇 九月五日 三一 イタリー──船乗りシンドバッド 三二 め ざ め 三三 ローマの山賊 三四 出 現
一 マルセイユ──到着 二 父と子 三 カタロニヤ村の人々 四 陰 謀 五 婚約披露 六 検事代理 七 訊 問 八 シャトー・ディフ 九 許婚式の夕 一〇 テュイルリー宮殿の書斎 一一 コルシカの鬼 一二 父と子 一三 百日政治 一四 怒れる囚人と狂える囚人 一五 三十四号と二十七号 一六 イタリーの学者 一七 司祭の室 一八 宝 解 説