著者 : 山岡荘八
2020年の大河ドラマの主人公・明智光秀の謎に、豪華作家陣が迫る 若く野望に燃えていた青年期を経て、織田家での異例の出世、そして本能寺の変へーー。 かるたの札に絡めて、謀反の理由へ大胆に迫った「純白き鬼札」(冲方丁) 事実と虚構を見事に切り分け、謎多き光秀を独自の解釈で描いた「一代の栄光」(池波正太郎) 叛逆者の娘・珠の、ある願いと悲劇の選択を描く「ガラシャ」(植松三十里) など、人気歴史作家による名作短編六編を収録した豪華アンソロジー。 文庫オリジナル。
絶望的な「死の舞踏」をくりひろげた挙げ句、サイパン島は失陥、他の太平洋の島々にも累々と死屍が積まれた。和平に持ち込む戦略を持たない指導者たちは、逼迫するほど闘志を燃やし破滅に向けて狂奔。戦艦部隊の強行突入に国運を賭けなければならなくなる。もはや残された道は、玉砕と特攻しかなかった。 関連地図 サイパン玉砕の悲劇(一) サイパン玉砕の悲劇(二) サイパン玉砕の悲劇(三) サイパン玉砕の悲劇(四) 東条内閣崩る! 比島捷一号作戦の陣容 神風特攻隊誕生の近因 神風・神雷特別攻撃隊 悲劇のなぐり込み艦隊 死闘する栗田艦隊(一) 死闘する栗田艦隊(二) 死闘する栗田艦隊(三) 比島戦の山下奉文 死のレイテ島決戦(一) 死のレイテ島決戦(二) 死のレイテ島決戦(三) 比島戦の終末(一) 比島戦の終末(二) 比島戦の終末(三) 太平洋戦争関係年表(4)
「帝都の表玄関」でありながら絶体絶命の孤島と化した硫黄島。その地下壕に栗林中将以下、二万三千の兵は敵襲を待つ。全滅する以外にない残酷きわまる運命は隆盛日本の象徴・戦艦大和にも降りかかる。降伏か徹底抗戦か、小磯内閣も鈴木内閣も終戦の糸口をつかめないまま、沖縄は最終特攻戦へと突入していた。 関連地図 硫黄島の玉砕戦(一) 硫黄島の玉砕戦(二) 硫黄島の玉砕戦(三) 硫黄島の玉砕戦(四) 硫黄島の玉砕戦(五) 沖縄の決戦前夜(一) 沖縄の決戦前夜(二) 沖縄の決戦前夜(三) 沖縄戦・神雷出撃! 米軍慶良間に上陸す! 沖縄県民はかく戦えり 沖縄に立つ往生戦の火柱! 戦艦「大和」出撃の真相(一) 戦艦「大和」出撃の真相(二) 最終特攻戦となった沖縄(一) 最終特攻戦となった沖縄(二) 最終特攻戦となった沖縄(三) 惨烈! 沖縄戦の終末(一) 惨烈! 沖縄戦の終末(二) 惨烈! 沖縄戦の終末(三) 太平洋戦争関係年表(5)
「一億総特攻」として誰もが死所を探す危機は、天皇の聖断により救われた。昭和二〇年八月一五日、終戦。武人たちは自決、天皇は「責任は私が負う」とマッカーサー元帥に告げた。そして「数世紀間の文明を抹殺する思想」という不条理のもと東京裁判が始まる。平和に徹して生きる未来を信じる鎮魂の巨篇、完結。 関連地図 祖国の危機! 本土決戦の構想 祖国の危機! 近衛特使派遣の真相 祖国の危機! 原爆投下とソ連の参戦 祖国の危機! 八月十日未明の聖断 祖国の危機! ポツダム宣言受諾の経緯 ああ、八月十五日! 日本人の自決! 敗戦の衝撃と混乱 連合軍進駐す! 東条大将の逮捕 戦犯旋風の美醜 巣鴨監獄の友情 近衛文麿の死 七人の絞首刑始末(一) 七人の絞首刑始末(二) 満州国の終焉(一) 満州国の終焉(二) 満州国の終焉(三) 太平洋戦争関係年表(6)
和平のため奔走する首相・東条英機だが、ルーズベルト大統領は対日戦争の肚を固めていた。開戦か和平か混乱する中、山本五十六は連合艦隊司令長官就任の祝賀会の席で「天命を待つのみでは祖国の安泰は期しがたい」といってのけた。報道班員として従軍した著者による、太平洋戦争全史を描いた唯一の大河小説。 執筆を終えて 関連地図 奇傑外相 投げられた手袋 同床異夢 運命の御前会議 近衛と東条 白紙還元の御諚 開戦前夜の苦悶 開戦前夜の外交 開戦前夜の民衆 山本五十六の眼 開戦前夜の海軍 十二月八日の前後 開戦の日の表情 マレー沖の火柱 シンガポール攻撃 山下奉文の面目 シンガポール決戦 勝利の虎 太平洋戦争関係年表(1)
日本の運命は三人の軍司令官に託された。マレー強行作戦陣頭指揮の山下奉文中将、比島の本間雅晴中将、蘭印の今村均中将。緒戦の勝利を踏まえ東条英機首相は、占領地域を固める方針だったが、山本五十六連合艦隊司令長官は猛反対。「如何に時を藉さずに敵を捕捉撃滅するか」に集中せよとミッドウェーに出撃する。 関連地図 フィリピン進攻作戦 比島緒戦の大悲劇 バターン死の行進 コレヒドールの勝利 蘭領印度の攻略戦 蘭印に皇軍あり ジャワ軍政の成功 日本陸軍の解剖 ミッドウェー海戦(一) ミッドウェー海戦(二) ミッドウェー海戦(三) ミッドウェー海戦(四) ガダルカナルの死闘(一) ガダルカナルの死闘(二) ガダルカナルの死闘(三) ガダルカナルの死闘(四) ガダルカナルの死闘(五) ガダルカナルの死闘(六) 太平洋戦争関係年表(2)
活路をニューギニアに求めて大軍を上陸させた日本軍だが、米軍の反撃は圧倒的な物量とともに予想をはるかに上回る速さだった。増援の一兵も送れず炎熱と飢餓のなかで軍は壊滅。ビルマではインパール作戦の火蓋が切られたが、思わぬ作戦齟齬の罠が待ちかまえていた。鬼神も哭かしむる壮烈な戦いの果ては。 関連地図 ニューギニアの鬼哭(一) ニューギニアの鬼哭(二) ニューギニアの鬼哭(三) ニューギニアの鬼哭(四) ニューギニアの鬼哭(五) ニューギニアの鬼哭(六) 安達第十八軍の悲劇(一) 安達第十八軍の悲劇(二) ビルマ戦線の鬼たち(一) ビルマ戦線の鬼たち(二) ビルマ戦線の鬼たち(三) ビルマ戦線の鬼たち(四) ビルマ戦線の鬼たち(五) ビルマ戦線の鬼たち(六) ビルマ戦線の鬼たち(七) ビルマ戦線の鬼たち(八) ビルマ戦線の鬼たち(九) 太平洋戦争関係年表(3)
江戸の町奴関根弥次郎は、旧主越後松平家の騒動の渦中に身を投じて、颯爽と正義の刃を揮う。彼をめぐって主家の娘照姫と、女剣士佐々木留伊が恋の騒け引きに鎬を削るが、その背後に陰謀の魔手が…。
悪人一味の手に落ちた照姫。それを案じる弥次郎の姿に、留伊は嫉妬の鬼となる。将軍家綱は病床に臥し大老酒井雅楽頭と老中堀田筑前との将軍継嗣争いに巻きこまれて、越後松平家の騒動は破滅の淵へ…
大久保長安の遺した不思議な連判状は何を意味するのか。やはり大坂は討たねばならないのか。しかし家康の願いは豊臣家存続にある。そのためには戦(いくさ)の回避と大坂開城が必要絶対条件だった。家康と片桐且元(かつもと)の和平交渉が始まる。家康は方広寺の鐘銘事件に名をかりて、淀君、秀頼母子に、大坂城無血明け渡しの謎をかけた。だが……。 巨城の呼び声 深夜の評定 六文銭系図 桐の片桐 紀伊見峠 鐘の前奏 不殺刀 戦国遺品 激流の杭 女使者 柱石砕く 入城軍略 友情三略 老いの決断 流浪の星
大坂冬の陣!籠城を決定した大坂方は河内出口村の堤を破壊し、枚方付近の道を閉ざした。しかし家康は容易に二条城を動かず、東海道を大軍で西上する秀忠にも「急ぐな」との命を発する。はたして家康は、胸中に何を秘めているのか?紆余曲折ののち和議成立。が、それも束の間、時の勢いは夏の陣へ…。
大坂夏の陣!濠を埋められ、篭城できなくなった大坂方は城外に打って出た。名ある猛将も相次いで倒れ、太閤以来の名城も紅蓮の焔に包まれる。そして、家康の最後の悲願淀君・秀頼母子の救出も水泡に帰した。やんぬるかな、秀頼母子ご自害!こうして豊臣家は地上から永遠に消え去った。
豊臣家減亡後の家康に残された仕事は幕府永続の礎石固め、すなわち確乎とした泰平の世づくりであった。「人間はみな永遠に続く大樹の枝葉なのだ」という万民の愛と安らぎをめざす世を!その理想を果たし、巨樹はついに波乱にみちた75年の生涯を終える。時代を超えて生きる壮大なロマン完結編。
慶長8年2月、家康は征夷大将軍に就任し、いよいよ天下人として、理想の国家づくりに着手した。徳川・豊臣両家の和合のため、孫の千姫を秀頼に嫁がせ、「斬り取り勝手」の戦国の常識を根底から改革しようとする。しかし淀君をはじめとする反徳川の執念は根深く、泰平の道はいまだ遠しである。
江戸に幕府を開いた家康の封建政治はようやく人々の理解を得て根づくかに見えた。日本は世界一の進歩国として世界に知られ,国内では秀忠に嫡子竹千代が生まれて徳川の基礎も固まった、と思われた。が、次期政権を望む淀君と秀頼にとっては竹千代出生は大きな不安の種となり、再び乱世のきざしが。
着々と国内統治を進める一方で、家康は海外貿易に情熱を見せる。と、ここにもまた一つの矛盾が生じた。紅毛人対南蛮人の確執。それは世界の海に野望をもやす大久保長安の奇怪な夢を煽り、伊達政宗、松平忠輝をもふしぎな野心の渦に捲きこんだ。さらに切支丹勢力の画策!家康の理想は危機に瀕する。
大久保長安の“貿易日本”建設の野心は、松平忠輝と伊達政宗の心を大きく揺さぶった。しかし野心は時として無謀を呼ぶ。はたして長安の動きは、旧教宣教師や関ケ原牢人の、徳川覆滅の夢を煽る導火線となった。大坂へ大坂へと、諸国の牢人の激情が集約されてゆく。“大坂の陣”はすでにその兆しを見せた。