著者 : 山科みずき
永遠に失われた初夜永遠に失われた初夜
ルーシーは夫のディオに離婚を迫った。結婚して1年半、夫が屋敷に招く客を妻としてもてなし、理想の夫婦を演じてきた。でも、それももうおしまい。父亡きいま、夫婦を続ける意味はない。この結婚は、夫が父の会社を救うという契約の一部だったのだから。結婚式の夜、それを知った彼女は夫とベッドをともにするのを拒み、その後も、人前に出るとき以外は一緒にいることさえ避けてきた。ところが、離婚を告げられたディオの反応は意外なものだった。まだ行ってないハネムーンのあとでなら別れてもいいというのだ。カリブの島で2週間、心ゆくまでベッ
花嫁の悲しい嘘花嫁の悲しい嘘
チャリティは幼いころから詐欺師である父の言うなりに、詐欺の片棒を担がされてきた。実母の顔も知らない彼女にとって、唯一の家族である父に認められることは何より重要だったのだ。だがとうとう父と決別する日が訪れた。イタリア人富豪ロッコの財産を騙し取ったあと、父は姿を消した──よりによって、娘にすべての罪をなすりつけて……。ホテルの一室で憤怒に燃えるロッコに責められ、揉み合ううちに、あろうことか彼女はバージンを捧げてしまった。なぜだかわからないが、そうすることが自然に思えたのだ。2カ月後、妊娠に気づいたチャリティは