小説むすび | 著者 : 山野紗織

著者 : 山野紗織

絆のプリンセス絆のプリンセス

文字どおり灰かぶりの私が、 この麗しき皇太子の花嫁……? 幼い頃に両親を亡くし、車の整備士の伯父に育てられたイジー。 その伯父も亡き今、天涯孤独の彼女に遺されたたった一つの母の形見は 家族に伝わるという古い木箱だが、鍵がないため中身を知らない。 ある日、イジーの職場に黒塗りのリムジンが横づけされた。 側近を従えて降りてきたのは、ブルーグリーンの瞳の端整な若い男性。 「イザベル・ポーサードだね。僕はベルノニアの皇太子ニコラだ」 親しい人しか知らない彼女の本名を口にした彼は、驚きの告白をした。 「君が持っている箱は、君が赤ん坊のときに僕が贈ったものだ。 王子が結婚するとき、妻に“花嫁の箱”を贈る。僕は君の夫だ」 口をぽかんと開けたイジーをまっすぐに見据え、ニコラは鍵を差し出した。 アメリカの片田舎で育ち、車の整備士として額に汗し、油まみれの手で懸命に働くこの私がプリンセスだったなんて! みずからの出自に驚くイジー。けれども、ニコラ皇太子は別の国のプリンセスと結婚するために、イジーとの婚姻無効を望んでいるのでしたーー

プリンセスに変身プリンセスに変身

少年に身をやつした彼女が恋した、 黒い瞳の気高きシーク。 オーストラリアの難民収容所で、ハニは身を守るため 少年のふりをしてつらい暮らしに耐えていた。 ほんとうの名前も、自分が何者なのかもわからない。 ある日、走ってきた車にあやうく轢かれかけ倒れたハニは、 中から現れた黒い瞳の堂々たる体躯の男性を見て、息をのんだ。 端整で誇り高い顔。この辺では見慣れない白い外衣とかぶりものーー きっと高貴な身分の人なのだろう。私には縁のない世界の。 ハニは病院へ行こうという彼の言葉に返事もせず、その場を立ち去った。 後日シャリフと名乗る彼が再び現れ、ハニに伝えたいことがあると言う。 まさかこの人は……わたしが女性だと気づいているの? 様々な時代の選りすぐりのディザイアの話題作をお贈りする“ハーレクイン・ディザイア傑作選”。今作は、シークがヒーローの物語で人気作家となった、アレキサンドラ・セラーズです。シャリフがハニに面会に来た、驚くべき理由とは?

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP