著者 : 岡村多希子
ポルトガルの作家で領事でもあったモラエスが愛したふたりの日本人女性への追慕の情を通して描く大正期のニッポン……徳島の人々との暮らしのなかで感じたこと、考えたことを見事に文学に結晶した傑作の増補改訂版 コハル おヨネだろうか…コハルだろうか… 正午の号砲(またもやコハル) 祭日のごちそう 日本の三人心中 日本の異国情調 潮音寺の墓地のごみため 着物? それともお金?-着物 久松は家にいません 無 臭 半分のバナナ ある散歩での感想 風景を最後にひと目 夢をみて 敦盛の墓 笑ったり泣いたり 私の追慕の園で ある日本の諺 訳者解説 「おヨネとコハル」について ヴェンセスラウ・デ・モラエスについて 増補・「おヨネとコハル」の新しい読み方
いま、最も注目を集めているポルトガルを代表するノーベル賞作家サラマーゴが、詩人フェルナンド・ペソアの「異名」リカルド・レイスを主人公に、句点の少ない独特の文体で、暗い歴史の転換点ーーリスボンの1936年を描く問題の歴史心理小説!/「数あるサラマーゴの作品のうちでも特にこの小説に心惹かれたのは、リスボンへのサウダーデによるのかもしれません。小説や文献を読むときには地図を片手にという長年の習慣から、私にとっては、リスボンの町がふるさとのようになつかしいものになってしまっているようです。『リカルド・レイスの死の年』は、政治小説とも恋物語とも、いろいろな読み方が可能ですが、リスボンという町なしには成り立ち得なかったであろう小説と言えましょう。」(訳者あとがき)
31年間日本に住み、徳島の地に果てたポルトガルの文豪が三人の友人(ロドリゲス、アルブケルケ、カンポス)と交わした私信の本邦初訳。モラエスが神戸領事に就任した経緯、マカオに残した妻子のこと、徳島隠棲の理由など赤裸々に綴る。
「おヨネとコハル」「徳島の盆踊り」などで知られるポルトガル人作家モラエスが1910年(明治43年)から1928年(昭和3年)まで、本国にいる妹フランシスカへ書き送った書簡。当時日本で大流行した絵葉書付。(カラー多数)
イベリアの風土と人々の心を照し出し、ポルトガル的「世界を生きている」ことの実感を綴る本邦初の選集。土着的な作品からプルースト、ジョイスらの影響を多く残す作品まで、現代の代表的作家21人による出色の作品集。 まえがき 下宿屋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラウル・ブランダン 楽しい復活・・・・・・・・・・・・・・・アキリノ・リベイロ 船乗りの主・・・・・・・・・・・・・・・フェレイラ・デ・カストロ ばあさんは魔ものよ・・・・・・・ジョアン・デ・アラウジョ・コレイア 三つの国・・・・・・・・・・・・・・・・ジョゼ・レジオ 密航者・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジョゼ・ロドリゲス・ミグエイス 復活・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドミンゴス・モンテイロ アルマ・グランデ・・・・・・・・・・ミゲル・トルガ 若者は手を嫌う・・・・・・・・・・アルヴェス・レドル マリア・アルティニャ・・・・・・マヌエル・ダ・フォンセカ 冬のスポーツ・・・・・・・・・・・ルイース・フォルジャス・トリゲイロス 缶詰め・・・・・・・・・・・・・・・・・マリオ・ディオニジオ ジェノヴェヴァかあさん・・・ヴェルジリオ・フェレイラ 太鼓の少年・・・・・・・・・・・・フェルナンド・ナモーラ 男・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ソフィア・デ・メロ・ブレイネル・アンドレゼン 鴉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カルロス・デ・オリヴェイラ バラード・・・・・・・・・・・・・・・マリオ・ブラガ 青い諦念・・・・・・・・・・・・・・アグスティナ・ベサ・ルイース 太陽の輝く三十分・・・・・・ウルバノ・タヴァレス・ロドリゲス 旅人・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジョゼ・カルドーゾ・ピレス 英語の授業・・・・・・・・・・・マリア・オンディーナ・ブラガ 現代ポルトガル文学について・・・・・・・・・岡村多希子 あとがき
ポルトガル文学の最高の短篇集として今なおロングセラーを続けている本書は、猟犬、闘牛、蝉、鶏など動物たちに擬人化した手法で、「動物のような人間」、「人間のような動物」に託し、発達した文明社会の不毛性を鋭く風刺。