著者 : 岸田るり子
悲しくて切ない想いが詰まった恋愛小説である この作品は、読者にとって思いがけない結末を 迎える。 まさかどんでん返しで こんなにも 泣かされるなんて 見合いで結婚した夫には好きな人がいた。 十年も前から、今も続いている。 その事実を知っても、平凡な主婦の華美には、 別れて自力で生きていくことが出来ない。 そんな彼女の癒やしは、絵を描くことだけだった。 ある日、自分のデジカメに撮った覚えのない少年と、彼が書いたと思われる詩が写っているのを見つける。 その少年にひかれ、恋をした時、 運命は、とんでもない方向へ動き始めた……。 (ノンストップ・ラブ・ミステリー) 第一章 桜の乱 第二章 バタフライ・エフェクト 第三章 恍惚 第四章 はらわたに棲む悪霊 第五章 炎に魅せられし者 第六章 失われたノート 第七章 持ち寄りピザ・パーティー 第八章 ストーカー 第九章 残されたメッセージ 第十章 逆流の旅 第十一章 怯える住人 第十二章 愛されない者、愛せない者 第十三章 連続放火魔の正体 第十四章 琵琶湖の家 第十五章 タイムスリップ 第十六章 十年前のアルバム 第十七章 めぐり会い 解説 村上貴史
絵を描くことが好きな少女・さくらは、ある日、月光に照らされて夜の池に浮かぶ美しい女性の姿を描く。その胸にはナイフが突き刺さっていたが、それはさくらの空想のはずだった。だが、大人になったとき、さくらは祖母から、女優だった叔母・ゆう子が20年前、京都の広沢の池で刺殺されたことを知って愕然とする。空想で描いたはずの絵は、実際に起きた事件を描いたのか。さくらは、叔母の死の謎を探ろうとするが……。究極の愛と絆を問うミステリー!
東京で暮らす月光のもとへ、故郷の京都に残した双子の妹・冬花が殺人罪で逮捕されたという連絡が入った。被害者は冬花の高校時代の同級生・川井喜代。妹がなぜあの女を?二十年前、冬花を弄んだ喜代が許せず二人を引き離したはずだったのに。帰省した月光は、冬花に思いを寄せる男・杉田とともに真相解明に乗り出す。だが、浮かび上がるのは成功者となった喜代の疑惑と悪行、そして孤独な人々を引きずり込む黒い罠だったー。
色覚障害者のサイト〈ランボー・クラブ〉。仲間を探す中学生の菊巳が偶然見つけたそのサイトに掲げられた、ランボーの詩。なぜか解読できた原語の詩を読んだ時、彼にあるはずのない、鮮やかな血の色を見た記憶が蘇った。 そして後日、何者かによってその詩が書き換えられ、詩になぞらえた死体が発見された! 色覚障害の少年をめぐる事件の驚くべき真相とは? 鮎川哲也賞受賞作家が贈る、傑作本格ミステリ! 解説=大矢博子 (単行本版タイトル『ランボー・クラブ』改題・文庫化)
パリで死んだ従妹の遺品を整理するため、彼女のアパルトマンを訪れた清美。そこで見た彼女の秘密……(「パリ症候群」)ほか、長くパリに暮らしていた鮎川賞作家が描く愛と憎悪に彩られた犯罪小説集。日本推理作家協会賞短編部門候補作「青い絹の人形」も収録。 パリで死んだ従妹の遺品を整理するため渡航した清美。彼女の死は、本当に自殺なのか?現地での従妹の乱れた生活を知るほどに疑惑は深まっていく(「パリ症候群」)ほか、鮮やかな結末が魅力的な日本推理作家協会賞短編部門候補作「青い絹の人形」など知的で洗練されていながらも「毒」を含んだ短編5編を収録した粒よりの短編集。 「パリ症候群」(書下ろし) 「砂の住人1--クロテロアーー」(メフィスト掲載) 「砂の住人2--依頼人ーー」(書下ろし) 「すべては二人のために」(メフィスト掲載) 「青い絹の人形」(メフィスト掲載、日本推理作家協会賞短編部門候補作)
望川貴は幼稚園で出会った日仏混血の少女・万里枝プティに心を奪われ、二人は永遠の絆で結ばれていると確信する。小中高大学と同じ学校で過ごし、大学でも同じ文学サークルへ入会するが、そこで出会った大財閥の御曹司が万里枝に急接近する。貴は凡庸な容姿の自分とは違い、驚くほどの美貌を誇る異父兄・木村晴彦に、万里枝を誘惑するよう依頼する。貴の計画は成功するかに見えたがー。錯綜する愛憎。はたして真実の絆はどこに。
京都の医大に勤める秋沢宗一は、同僚の結婚披露宴で偶然、十三年前の恋人・亜木帆一二三に出会う。不思議なことに彼女は、未だ二十代の若さと美貌を持つ別人となっていた。昔の激しい恋情が甦った秋沢は、女の周辺を探るうち驚くべき事実を掴む。彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていたのだ…。気鋭が放つ、サスペンス・ミステリー。
絵が好きな少女・さくらには、不思議な力があった。空想で描いたはずの場所や物が、そのまま実在しているのだ。ある日、描いたのは、月光に照らされ、夜の池に浮かぶ美しい女性の姿。手には花束を抱え、胸にはナイフが突き刺さっていた。不吉なことと、母に絵を描くことを禁じられ、大人になったさくらは、祖母から叔母の話を聞いて愕然とする。女優だった叔母・ゆう子は、20年前、京都の広沢の池で刺殺されたというのだ。その死の様子は自分が昔描いたあの絵とそっくりである。さくらは、ゆう子が当時下宿していたペンションを捜し出し、部屋を借りて叔母の死の謎を探ろうとする。次第に明かされるゆう子の凄絶な人生。そして驚くべき死の真相とは…。
京都の医学部大学院に勤務する秋沢宗一は、研究室助手の結婚披露宴で、偶然ある女性を見かける。それは13年前、札幌時代に激しく愛しあった亜木帆一二三だった。不思議なことに、もう中年であるはずの一二三は20代の若さと美貌を持った別人となっていた。昔の燃えるような感情が甦り、どうしても彼女のことが忘れられない秋沢は、女の周辺を探るうち、驚くべき事実を掴む。彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていたのだ…。第14回鮎川賞を受賞した気鋭が放つ、書下し長篇ミステリー。