著者 : 島尾敏雄
新編日本幻想文学集成 第8巻新編日本幻想文学集成 第8巻
アーサー王伝説を踏まえたファンタジー「幻影の盾」。SPレコードにまつわる怪異をえがいた「サラサーテの盤」。妖しい幽霊屋敷を舞台にした都市幻想小説「白血球」。超現実主義的手法で夢の世界を克明に記述した「夢の中での日常」。他全48編。
島の果て島の果て
南海のカゲロウ島に配属された朔中尉。特攻隊長として、常に死を目の前にして過ごす彼は、島の少女トエに出会う。おとぎ話のような二人の恋。戦局が緊迫する中、遂に出撃命令が下るー(「島の果て」)。生々しく描かれる感情表現と、やわらかな筆致で綴られる情景描写との両立により決定的な存在感を放つ島尾戦争文学。趣の異なる8編を、寄せては返す波のように体感できる短編集。写真、関連年譜も収録。
夢屑夢屑
『死の棘』の最後の章ののち発表された八つの短篇。島尾敏雄が、執拗に描き続けてきた“夢”。何故、彼は、これほどまで“夢”にこだわったのか…。夢の中に現実の関係を投影し、人の心の微妙な揺らめきにしなやかな文学的感受性を示した、野間文芸賞受賞作家の名作短篇集。
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