著者 : 平井イサク
ニューヨークは眠らない。だから救急救命士の俺も、静かな夜は過ごせない。心拍停止、呼吸困難、薬物中毒、銃撃事件、交通事故。大都会の夜は生と死のせめぎあいに満ちあふれ、救急車は夜を徹して、すさんだ街を走り回る。そんなある夜、心臓発作を起こした老人の家に呼ばれた俺は、不可解な体験をした。俺の面前に現われた人影は…自らも救急救命士であった著者が、その実体験をもとに描き出す、生死と愛憎のドラマ。
眠らない大都会ニューヨーク。救急救命士の俺は、今夜も静かな夜は過ごせない。心拍停止、呼吸困難、薬物中毒、銃撃事件、交通事故…大都会の夜は、生と死のせめぎあいに満ち溢れている。かつては俺も、そこで人々を救い、それを楽しみ、そこに参加することに生きがいを感じていた。だが、黄色いレインコートを着た少女、ローズを救うことが出来なかった、あの夜からすべては変わった。死んだはずのローズが俺の行く先々に姿を見せ、俺にあの夜を忘れさせてくれないのだ。妻は俺を捨て、仕事のミスも多くなった。救急救命士の仕事は、もはや俺の生きがいではなくなってしまったらしい。そんなある夜、心臓発作を起こした老人の家に呼ばれた俺は、そこで不可解な体験をする…自らも救急救命士であった著者が、その実体験をもとに描き出す、生死と愛憎のドラマ。ニコラス・ケイジ主演、マーティン・スコセッシ監督で映画化の話題作。
マンハッタンは、その事件に戦慄した。NY随一の規模を誇る総合病院、ミッド-マンハッタン・メディカル・センターで、高名な女性医師が死体で発見されたのだ。全身を刺され、下半身の下着を剥ぎ取られた姿で…病人を癒す安息の場所であるはずの病院での惨劇に、マスコミは騒然となった。状況から見て、レイプ殺人の可能性が高い。マンハッタン検察庁の性犯罪訴追課を率いる女性検事補アレックスが、ただちに現場へ急行した。だが、状況を知った彼女は唖然とする。病院は警備が甘く、その構内には数多くのホームレスが住み着き、外部の人物も侵入可能な、きわめつきの危険地帯だったのだ。思わぬ事態に、容疑者は続出し、捜査は遅々として進まない。苦しい状況に追い込まれたアレックスだが、事件解決への手がかりは、意外なところからもたらされた…自らも性犯罪訴追のエキスパートである著者が、マンハッタンの犯罪と生活を余すところなく描き出した、一級品のサスペンス。
「メアリー・バーゲンか…」透視能力者メアリーに追いつめられ、警察に射殺された殺人犯は、なぜ最期に彼女の名を呼んだのか?それは新たな大量殺人の前兆だった。その夜から襲いかかる、凄惨な幻想とポルターガイスト。そして、事件は彼女自身の忌まわしい過去さえもよみがえらせる!ベストセラー作家の原点となった傑作ホラー。
元テレビ・リポーターのトッド・ミルズは、学生時代の恋人ジャニスと共に奇怪な事件に巻き込まれた。彼女が預かっていた赤ん坊が二人の目の前で、何者かに連れ去られたのだ。彼女はその赤ん坊を息子から密かに預かっていた。トッドは追跡を始めるが、やがて彼の過去の意外な真実が浮かび上がってくる…サスペンス溢れるアメリカ探偵作家クラブ賞候補作。
マンハッタンの地方検察庁で性犯罪訴追課を率いる地方検事補アレックスは、とある早朝、新聞で自分自身の殺害を報じる記事を読む羽目になった。高性能ライフルで顔面を吹き飛ばされた女性の死体が、アレックスの別荘で発見されたからだ。殺されたのは、アレックスの親友で人気映画女優のイザベラだった。ストーカーに悩まされていたイザベラは、一時的に身を隠すため、アレックスの別荘を借りていたのだ。彼女はアレックスと間違われて犠牲になったのか?だが、殺されたイザベラが別荘に男を連れ込んでいたことが判明し、事件の様相は一変する。事件後に姿を消したその男が犯人なのか?その正体は、別れた夫か、ふられた恋人か、あるいは謎のストーカーか?混迷を深める事件と、山をなす日常業務に忙殺されるアレックスだが、やがて予想外の容疑者の出現で、窮地に立たされることに。犯罪多発地帯マンハッタンで、日夜卑劣な性犯罪と闘い続ける、ニュー・ヒロイン登場。期待の新鋭が自身の体験を生かしてリアルに描く、闘う地方検事補アレックスの活躍。
シカゴ市警殺人課の期待の若手、ジェーク・フィリップスは、有能なベテラン刑事モンドとコンビを組むことになった。ところが、テレフォン・セックス・クラブの経営者が殺され、現場の遺留品から容疑者としてモンドが浮上した。犯人は、テレフォン・セックスに耽溺する、ミスターXと名乗る謎の男だった。相手をする女たちも怯えるほどの変質者、Xとは誰なのか?モンドの無実を信じるジェークは、懸命の捜査を始める。
快楽のために殺し、被害者の臓器を提供する謎の男、コレクター。完全犯罪に喜びを見出す彼にとって、巨額の報酬は二義的なものに過ぎなかった。シカゴ市警の精鋭捜査班を率いるトゥリオ刑事も、殺人者の鉄壁の仮面を剥ぐことができない。しかもコレクターは情報収集のため、トゥリオの恋人である弁護士メリアンの身辺に迫っていた。やがて彼女が知ったコレクターの意外な正体とは?謎の殺人者との対決を描くサスペンス。
殺人事件の公判に辣腕をふるうエリート地方検事補ピーターは、私生活の危機に直面していた。妻が突然離婚を決意して、家を出たのだ。妻への愛情断ちがたく、狂おしいほどに彼女の足取りを追うピーター。その折、市長の甥が殺害され、事件の担当がピーターに回ってくる。だが、彼はそれが自分の人生を変える事件に発展していくとは知るよしもなかった。追いつめられた検察官の苦闘をスリリングに描いて絶賛された話題作。
マギーは詐欺師。ホテルのバーに一人座り、下心を覗かせて近づいてくる男から金品を失敬するのが仕事だ。ところがある日、網にかけた男シャンクスから逆に仕事を持ちかけられてしまう。ある男をカモにしてフロッピーを盗めば、一万ドル出すというのだ。話に乗ったマギーは、ジャマイカに飛ぶが…。二転三転する展開で一気に読ませる洒落た大人のサスペンス。
老後を送る裕福な人々が住むフロリダ。ここにはその金持ちたちを狙って、さまざまな詐欺師が集まっていた。それを取り締まるため、新たな捜査機関が創設され、警察や財務省などからメンバーが派遣されてきた。その一人、女性警官のリタ・サリヴァンは、不思議な魅力をもつ天才的な詐欺師デイヴィッド・ラスボーンの調査をする囮捜査官になった。もぐりの証券業者、密輸関係者など、ひと癖もふた癖もあるラスボーンの仲間たちにも、捜査官が割り当てられた。やがてラスボーンは、仲間と共に、ふたつの大仕事に取りかかる。捜査官たちは彼らをぴったりとマークしていたが、ここで思わぬ事態が起きた。リタがラスボーンに心を奪われてゆき、捜査に支障が生じてきたのだ…。ありとあらゆる手を使って繰りひろげる巧妙な詐欺。そして、リタとラスボーンの危険な大人の恋。人気作家がしゃれたタッチで描くサスペンス長篇。
ハリウッドの成功者として、富も名声も手にいれた映画監督、ダニー・デニスン。人目をひかずにおかない容貌に、少年のような魅力をたたえた彼には、なにひとつ不足はないように思えた。しかし、彼には誰にも明かしていない過去があった。実は彼にはナチの強制収容所で悲惨な体験をしたユダヤ人だったのだ。名前を変え、新しい人生を生きる彼は、いまわしい記憶を完全に消しさったと思っていた-。ひとりの美しい娘ルーバに出会い、官能的な体験をするまでは。ポーランドの貧しい家庭に生まれ、幼いころから身を売って生きていきたルーバはセックスを自由に楽しむことを知っていた。その素直さがダニーのまとっていた虚飾の鎧をゆさぶりはじめる。同時にダニーは奔放すぎるルーバの生き方にとまどいをおぼえるのだが…。数々の名演で知られるハリウッドの大スター、カーク・ダグラスが、映画界を舞台に、いつわりの人生を送る男と、愛を素直に表現する女のふれあいをセクシャルかつ大胆に描き、シドニイ・シェルドンを越えると絶賛されたベストセラー・ロマン。
マイク・ハマーが事務所のドアを開けたとき、そこに見たものは、血まみれの秘書ヴェルダと、見知らぬ男の惨殺死体だった。男はハマーの椅子に縛りつけられたうえ、両手指を切断されていた。机の上には“俺を殺したから、お前は死ぬのだ-ペンタ”という置き手紙。だが、ハマーの身に覚えはなかった。いったいペンタとは何者か?何の目的でこんな酷いことを?愛するヴェルダを半死半生の目に遭わされ、復讐を誓うハマーは、自らを囮として捨身の調査を開始。ペンタがCIA局員を殺しており、また事務所で殺された男が元暗黒街の人間だったことをつきとめる。19年の空白を経て、探偵マイク・ハマーが甦った。巨匠スピレインが、冷酷な殺人を繰り返す暗殺者を追うハマーの壮絶な闘いを痛快に描く、ファン待望の最新作。
「お帰り、イーゴリ」。帰宅したベッカーを待っていたのは、コンピューターのディスプレイに映し出されたKGBのメッセージだった。それは16年のスリーパー生活=リッチなアメリカ市民としての優雅な日常と、生まれつつある愛から彼をもぎ取る悪魔の声だった。手に汗握るエスピオナージュ長編。
メキシコ湾に浮かぶ巨大な石油採掘デッキ“シー・ウィッチ”。石油王ワース卿が最新の科学技術を駆使して建造したこの装置は安い石油の大量供給を可能にした。だがそれは石油市場を陰で支配する男たちには許すことのできない事態だった。石油価格の下落を防止するため、世界有数の爆破の戦門家クロンカイトにシー・ウィッチの破壊が依頼される。周到かつ巧妙な手段でワース卿を追いつめてゆくクロンカイト。シー・ウィッチ破壊のため、彼がとった驚異の作戦とは?巨大な海の魔物をめぐる息づまる攻防戦を王者マクリーンがスリリングに描く。
レバノンの米国大使館員たちがテロリストに誘拐された。やがて人質の幽閉先が衛星写真によって明らかになる。そこはリビアの砂漠の只中だった。付近にソ連軍が守護するウラン濃縮工場があるため、国家レベルでのうかつな軍事行動は取れない。これを知った映画スターのレディングが独自の人質救出計画を立案。彼の依頼を受けた退役陸軍少佐クエイリーはプロフェッショナルの男たちを選りすぐり、ロケ隊を装った救出部隊を組織した。