著者 : 平岡陽明
古代史マニアの吉川英治文学新人賞候補作家がずっと解き明かしたかった“日本のルーツ”。アメリカの大学で「夢」を研究する29歳の学者・高宮アスカは、新聞社の古代史担当記者である58歳の叔父・周二と話すうち、「邪馬台国の謎」に興味を持つ。アスカは、夢や超常現象、地政学などの知識を駆使し、史学外からのアプローチで「魏志倭人伝」を読み解こうとするが…。若き奇才が明晰な頭脳でクールに解明する、日本史最大のミステリー!!
高校卒業から二十数年。41歳の誕生日を迎えた朝、バレーボール部の仲間「ガンプ君」からメッセージが届く。「41」という数字の美しさを讃えたあとに「500万ドルのストックオプションをプレゼントする」と書かれた謎のメールは他の部員たちの誕生日にも届いていたものだった。真偽もガンプ君の消息も不明のまま「不惑」を迎えた元男子高校生たちは、再会を果たす。「そろそろ隠居かな」と言いつつ、まだ諦めきれない私たち。人生をやり直すのに「遅い」なんてことはない。家庭も仕事も諦めたわけじゃない。それにしても40代。「不惑」を過ぎても迷いっぱなし。
地図会社キョーリンの調査員・合志俊介。彼の仕事は日本各地を歩き、家の表札を一軒ずつ書き留めること。俊介には一平と湯太郎という幼馴染みがいた。三人は十五歳になる年、裏山のクスノキで誓いを立てた。一つ、友のピンチは助けること、二つ、友の頼みは断らないこと、三つ、友に隠し事はしないこと。その日から、男たちはそれぞれの“道”を歩き始めたー。
「読書はどんなに孤独な行為に見えたとしても、人や世界とつながることです」神楽坂に盲導犬と住むよう子は、出版社の担当・希子と隔週の木曜日に、打ち合わせを兼ねたランチをするのが楽しみだ。一方、神楽坂で“古書Slope”を切り盛りするバツイチの本間は、五歳になる息子のふうちゃんと、週に一度会えるのが木曜日だ。書物への深い愛、物語への強い信頼、それを分かち合える大切な人。本に込められた“想い”を伝えていくー。
40歳、フリーランスのライター、正規雇用なし、未婚。就職氷河期ど真ん中経験者で、不景気しか知らない。たった一人の肉親である母を亡くしてから、漠然とした喪失感を抱えていた。ある日再会した元同僚の「死ぬまでにしたい10のこと」リスト作成を手伝ってから、少しずつ世界が変わり始める。