著者 : 平野卿子
ゼルプの欺瞞ゼルプの欺瞞
行方不明の娘を探してほしいという依頼を受けた私立探偵ゼルプは、女子大生の彼女の生活から手がかりを掴もうとするが、関係者は非協力的、さらに“父”だと名乗った依頼者の男も正体不明だった。そして彼女の知人である医者が殺されたとき、闇に葬られた過去の基地爆発事件が浮上してきた…。ベルンハルト・シュリンクがあの『朗読者』に先だって一九九二年に発表し、翌年ドイツ・ミステリ大賞を受賞した話題の長編小説。
花粉の部屋花粉の部屋
幼い頃、父と母は離婚した。母は新しい恋人と海外へ。父もやがて再婚し…。娘をかえりみない子供のような親。抵抗のすべを知らない子供。世界を静かに覆しつつある新しい家族像を、自らの体験をもとに、柔らかな声で描いた、21世紀文学の幕開けを予感させる長篇。ドイツ語圏の文学賞を独占した23歳の新人の、繊細、果敢な話題作。
女薬剤師女薬剤師
女薬剤師ヘラはハイデルベルクの産婦人科病院に入院中。病院の夜は長く、退屈だ。二人部屋の隣のベッドにいるのは、初老のローゼマリー・ヒルテ。暇つぶしに、ヘラは夜ごと彼女に自分の過去の秘密を打ち明けはじめる。相手の病状は芳しくなさそうだし、どうせ先は長くないはず。だが、ローゼマリーは恐ろしい聞き手だった…。
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