著者 : 彩藤アザミ
「水憑き」の血を受け継ぐ不村家では、数代に一度、生前に躰を「お納め」した子が生まれる。人智を超えた才気を授かることから、一族繁栄の兆しとされていたが、一方その陰では、常に、ある怪異の存在が蠢いていた。「あわこさまは、不村に仇なすものを赦さない」。脚のない天才児、狗神遣いの少女、生首で生き存える双子のきょうだい…。あわこさまの正体、不村家を襲う悲劇との関係とはー。一族に受け継がれる異形の血脈。それは、忌むべき業か、或いは神が与えし恩寵か。頽廃と禁忌が織りなす、危険すぎるホラーミステリ。
時は昭和6年。小説家の母を持ち、女学校に通う14歳の茜は、放蕩者の父に困らされつつも平和でちょっぴり退屈な日常を過ごしていた。が、それも過去の話。やんごとなき血を継ぐ天才少女探偵・夏我日潮に、“電気ガール”の異名を持つ発明家の卵・丸川環、ホンモノの華族令嬢・見留院紫の四人で探偵団を結成し、巷を騒がす謎を解決するのである!かしまし女学生の本格青春ミステリー。
和洋折衷文化が花開く昭和6年。女学校に通う花村茜と級友たちに怪文書が届いた。疑われた親友を庇う茜の耳に凛とした声が響く。-「やれ、アリバイがないのは僕も同じだぞ」。謎めいた才女・夏我目潮だった。鮮やかに事件を解決する彼女に惚れ込んだ茜は、天才で変人の丸川環も誘い、探偵團を結成するのだが。乙女の園で繰り広げられる昭和本格レトロ青春ミステリーここに登場!
祠に隠した鼈甲の帯留めを見つけて欲しいー。それが売れない小説家のおじいちゃんが残した遺言だった。仕事にも恋にも破れて引きこもり生活を送る二十七歳の荊庭紅は、遺言に従って遠野を訪れ、この地の旧家で起こった八十年前の不可解な猟奇殺人事件を知る。それは祖父が書いた淫靡な怪奇小説『サナキの森』の「呪いによる殺人」に酷似していて…。第一回新潮ミステリー大賞受賞作。
失踪した妹を捜す男が迷い込んだのは、磁器人形作家の奇妙な王国。雪に閉ざされた山荘に招かれた4人のコレクターの前で、無残な遺体が発見された。一体誰が何のために?次の標的は?そして、鍵を握るトランプコードの秘密を知ってしまった者の運命とは…。復讐と耽美と追憶のゴシック・ミステリ。
帯留めを探して欲しいー売れない小説家だった祖父が遺した手紙に従い、仕事を辞めてひきこもっていた私は、遠野を訪れる。この地の旧家で起こった80年前の不可解な殺人事件。それは祖父の怪奇小説『サナキの森』に描かれていた「呪いによる殺人」に酷似していた…。これは偶然の一致か?祖父は何を知っていたのか?時空を超えた謎解きが始まる。平成生まれの25歳が放つ、新感覚ホラーミステリー。第1回新潮ミステリー大賞受賞作。