著者 : 後藤由季子
辣腕弁護士トニーのもとに、思いがけない仕事が持ち込まれた。依頼人は高校時代の親友で、いまは母校の教頭をしているサム。教え子の女生徒と関係を持ったあげく、殺害の容疑をかけられているのだ。トニーの脳裡によみがえったのは、彼自身が28年前に恋人を殺したとして無実の罪を着せられ、苦悩した悪夢のような日々-過去と現在の殺人事件が絡みあう圧巻の法廷サスペンス。
故郷に舞い戻ったトニーは、絶対不利な裁判を水際立った弁護で強引に無罪評決へと持ち込もうとする。対する検察側からは意外な事実が提出される。真実をめぐって繰り広げられる息づまるゲーム。すべての真相を知りながら沈黙をつらぬく殺人者の正体とは?そして封印されていたトニー自身の過去の悪夢の結末は?-法廷サスペンスの鬼才が心血を注いだ、追憶と懊悩の人間ドラマ。
辣腕弁護士トニーのもとに持ち込まれた依頼は、高校時代の親友でスポーツ競技のライバルでもあったサムの弁護だった。いまやレイクシティ高校の教頭となっているサムは、教え子の女子高生マーシーと関係を持ったあげく、殺害した疑いをかけられていたのだ。トニーの脳裡に甦ったのは、彼自身が28年前に恋人アリスンを殺したとして無実の罪を着せられ、苦悩した悪夢のような日々。苦い思いを噛みしめつつ、故郷の町に舞い戻ったトニーは、絶対不利な裁判を水際立った弁護で強引に評決不能へと持ち込もうとする。だが、裁判が進行するにつれ、パンドラの匣のように封印された彼自身の過去の悪夢が、事件に重くのしかかってくるのだった。すべての真相を知りながら沈黙をつらぬく殺人者の正体とは?かくして、真実をめぐって静かなるゲームが繰り広げられることになった-。法廷サスペンスの鬼才が心血を注いだ、追憶と懊悩の人間ドラマ。
デイヴ・デラノーは、5年の服役を経てマイアミ刑務所を出る当日、国外追放されたロシア人ゲルギエフから手紙を受け取った。そこに記されていた現金強奪計画を、デイヴは、その弁護士を通じ、マフィアの黒幕ヌーデリに持ちかける。大西洋を横断する豪華ヨット運搬船に乗り込み、資金洗浄すべく極秘で隠し運ばれる麻薬売上金を横取しようというのだ。海洋ピカレスク・ロマンの金字塔。