著者 : 志水辰夫
尋ねて雪か尋ねて雪か
佐古田組の佐古田史朗は弟分の島孝一を連れて、東京から雪の札幌へ乗り込んだ。ゴルフ場で急死した会社社長がメンバーズロッカーに隠しておいて税金のがれのための二重帳簿が盗まれ、遺族から捜索を依頼されたのだ。犯人と目される仙頭昭のマンションを突き止め侵入するが、彼は何者かに殺害され、目的のものは持ち去られていた。誰かが上前をはねたのだ。冬の札幌で繰り広げられる哀切な長篇ハードボイルド。
背いて故郷背いて故郷
正体不明の船のやとわれ船長だったわたしは、2度目の出航で親友の成瀬と交替した。ところが成瀬は殺される。船に疑惑を抱いた彼は、ひそかに何かを探っていたらしい。わたしが友を殺した敵を追い求めると次々奇怪かつ危険な徴候に襲われ…。美しい大自然と人間の悪を精緻に描く秀作。日本推理作家協会賞受賞作品。
こっちは渤海こっちは渤海
箱舟沈めて5億円、濡れ手で粟の保険金。詐欺師チームの行く先は波涛は燃える日本海。CIAの乱入で足を伸ばしてソ連領。叫ぶは百舌かマンモスか、連れに来ました要人を。スラプスティックな冒険の眠りなき夜の大長編。