著者 : 愛甲玲
プルーデンスがニコロスと結婚して8年の月日がたった。彼はギリシアでも有数の大企業のCEOだが、8年前は違った。倒れかけた会社を救うという目的のために、大富豪の相続人であるプルーデンスとしかたなく結ばれたのだ。しかも本当の夫婦になったことはなく、彼には複数の愛人がいる。プルーデンスはそんな関係がいやになり、離婚を切り出した。ところがニコロスの答えは予想外のものだった。彼は形だけの結婚を本物にしたいと言いだしたのだ。君が妊娠を望むなら、子どもの父親になってもいい、と。今さらどうして? 当然、プルーデンスは拒絶した。■巨匠L・グレアムの名作リバイバルです。2/15にはお手ごろ文庫より『償いの結婚式』を、3/20にはHQロマンスよりシークレットベビーがテーマの新作を刊行予定。その後も続々とグレアムの傲慢で情熱的なヒーローたちによる劇的展開のロマンスをお届けします。
私は身分違いの招かれざる花嫁。 愛を望んではいけない。 カフェで働くポーシャは、貧しい青年の客に言い寄られ、 熱意にほだされて結婚の約束をした。ところが身ごもった直後、 彼とまったく連絡がつかなくなった。いったい何があったの? ふと手にした新聞の一面を見て、彼女は凍りついた。彼が事故死? しかも、じつはイタリア財閥の次男で、妻までいたなんて……。 秘密裏に出産したポーシャの前に、ある夜、美麗な紳士が現れる。 赤ん坊の伯父にあたるルチェンゾは、ポーシャ母子をイタリアへ 招くために来たのだと、蔑みに満ちた冷たい目で告げた。 本当は息子を奪いに来たのでしょう? この子は私が守るわ。 息子をしっかりと胸に抱き、ポーシャは覚悟を決めた。 今は亡き王道ロマンスの大家、ダイアナ・ハミルトンの珠玉作です。思いがけず大財閥の跡継ぎを身ごもり、密かにひとりで産み育てようとしていたヒロイン。彼女を金目当ての女と決めつけて冷淡に扱っていたヒーローから、不躾に愛のない求婚をされて……。
「僕のベッドでいったい何を?」 その傲慢な声を、恍惚がかき消したーー 地味で実用的な服装ばかりのきまじめなジョディは、恋愛とはまるで無縁。 仕事熱心で小学校の校長に抜擢された彼女の目下の悩みは、 子どもたちの親の大半が勤める村の工場が買収され、 閉鎖の危機に追い込まれていることだ。 買収したのは、気鋭の有名実業家レオ・ジェファーソンーー 傲慢な乗っ取り屋が会社の利益のために村の心臓をもぎ取ろうだなんて! レオのような大企業トップにはそうそう会えないと聞き、 それならばと、彼の滞在先であるホテルの最高級スイートで待つことに。 ところがジュースと間違えてお酒を飲んで、夢うつつのうちに、 まったくいつもの彼女らしくなく、レオに純潔を捧げてしまい……。 翌朝、ジョディはレオに夜の仕事をしている女性と思い違いをされ、非難されて戸惑います。動転した彼女は身元を明かさないままその場をあとにしますが、後日、校長として出席した会食の席で、レオと気まずい再会を果たして……。P・ジョーダンの筆が冴える名作!
(「悪魔」に「サタン」とルビ付ける) 侯爵様がたとえ★悪魔/サタン/でもかまわない。 わたしはサタンの花嫁になりたい。 質素を好む厳格な叔父に育てられ、その教えを忠実に守るアネリス。 ある日、彼女にはセントジョン侯爵という後見人がいるとわかり、 住み慣れた村からロンドンに出て、レディ教育を受けることになった。 屋敷に着き、現れた侯爵を見て、アネリスは息をのんだ。 村で偶然知り合って、つい心を奪われた王党派の人。 世にも美しい瞳のあの方が、わたしの後見人だったなんて! 叔父によれば、贅沢を好む王党派は皆、悪魔ーーサタンの弟子だという。 そんな考えも、アネリスの恋心を消し去ることはできなかった。 やがて魅惑的なレディに変身した彼女は華やかな宮廷生活に飛び込む。 しかし国王たちの注目を引くも、愛する侯爵だけは彼女に厳しくて……。 清貧であれと育てられたアネリスは華やかな社交界に戸惑いつつも、まるでシンデレラのようにレディとして花開きます。それなのに侯爵は彼女に厳しいだけでなく、彼には美しく洗練されたフランス人女性の恋人までいることがわかり……。アネリスの初恋の行方は?
大邸宅の一室と思われる豪華な部屋でカレンは目覚めた。 ハンサムな浅黒い肌の男性が彼女の手を握り、こちらを見つめている。 「あ、あなたは……?」カレンがおずおずと尋ねると、 彼は一瞬言葉を失ってから言った。「僕はきみの夫、ルイスだ」 このすてきな男性が……わたしの夫ですって? 事故に遭い、記憶を失ったカレンには何も思い出せなかった。 自分が世界的な大富豪の妻であることも。ルイスが言葉を継いだ。 「きみは、別の男と駆け落ちするところだったんだ」 そんな……嘘よ。わたしが浮気をしていたなんて。 何も思い出せなくても、彼にはこんなに強く惹かれるのに。 記憶喪失は、ロマンスの王道テーマのひとつ。往年の人気作家ケイ・ソープが、不貞の濡れ衣を晴らし、夫婦の愛を取り戻すべく奮闘する、一途で健気なヒロインを描きます。
ティナはまだ、ニックの妻になったことを実感できずにいた。 彼の異母弟バシリ・レアンドロスさえ事故で亡くならなければ、 こんなおかしな事態にはならなかっただろう。 いま、ティナのおなかにはバシリの子がいる。その子に レアンドロスの姓を名乗らせ、安定した生活を与えるべきだと 強く説得され、大富豪ニックとの偽装結婚に踏み切ったのだ。 しかし、ティナはたちまち激しい後悔に苛まれ始める。 名目だけの妻なのに、どうして彼を愛してしまったんだろうと。 しかもティナには誰にも言えない、いとわしい“傷”があった。
プルーデンスが憧れのニコロスと結婚して、8年の月日が流れた。 今でこそ彼は大企業の最高責任者として辣腕をふるう身だが、 傾きかけた父親の会社を救うため、彼女と結婚しただけなのだ。 しかも結婚式では酒をあおり、初夜の契りを頑なに拒絶したーー 思い出すだけで、胸を焼くような悲しみがこみ上げてくる。 夫への未練を断ち切るため、ついに彼女は離婚を切り出していた。 ところが予想外にもニコロスは、この結婚を本物にしたいと、 君が望むなら、肉体関係を結んでもいいと言い出したのだ。 彼の真意がつかめず、プルーデンスの心は締めつけられるが……。
結婚なんて絶対にしないと、チェズニーは心に誓っていた。 両親や姉たちの悲惨な結婚生活を目の当たりにしていれば、 それも当然というものだろう。仕事に生きがいを求めようと決め、 チェズニーは個人秘書の職に応募して首尾よく採用された。 上司は、大企業の取締役であるジョエル・デヴェンポート。 金髪で青い瞳の彼に、チェズニーはたちまち魅せられてしまう。 でも、有能な秘書が上司に恋するなんてもってのほか。 つのる思いを秘めて仕事をこなしていたある日、 チェズニーはジョエルの突然の言葉に呆然とする。 「2年間の期限付きで結婚してほしい」 〈身分違いの恋〉と銘打ちお贈りする企画第1弾は、ジェシカ・スティールが描く大人気のボスと秘書の恋物語。魅惑のボスの名ばかりの妻になった秘書の、切ない片想いははたして実るのでしょうか?
サフランはさる富豪女性の専属ビューティ・セラピストとして、エーゲ海クルーズのツアー旅行に随行することになった。青い海と空に囲まれ、開放的な気分を楽しんでいたある日、雇い主の息子でギリシア人実業家のアレックスが港に現れた。突然母親が姿を消したので、居所を突き止めて追ってきたらしい。彼はあろうことかサフランを誘拐犯扱いして侮辱したうえ、無理やり自分のクルーザーに乗り換えさせたーこうして、激しい怒りと熱い欲望を瞳にたぎらせる男との、決して逃げだせない牢獄のような旅が始まった。