著者 : 戸田裕之
1944年春、英国内で活動をつづけるドイツ屈指のスパイ、暗号名「針」は重大機密を入手した。大戦の帰趨を左右する証拠フィルムを携えた彼は、自らヒトラーに情報を届ける決意を固め、盗んだ漁船で単身、祖国に向かう。だが、船は嵐のなかで難破。漂着した北海の孤島に暮らす夫婦が、「針」の運命を塗り替えてゆくー。鬼才が弱冠29歳で打ち立てたスパイ小説の金字塔、新訳で登場。
昏睡から覚めると、大戦は終わっていた。地雷に吹き飛ばされた男は、記憶を失っていた。度重なる悪夢ゆえに、自分の過去への恐怖は膨らむ。それでもアイデンティティを探し求める男に明かされてゆく驚愕の事実。男は最後の対決の舞台へ向かうー。今世紀前半、米国とナチスの思惑を探り、それぞれの地で紙幣印刷会社を繁栄させた一族の愛憎と欲望を描くローラーコースター・サスペンス。
パリー米人外科医オズボーンは、28年前に父を殺害した男を発見した。ロンドンーロス市警刑事マクヴェイは、首なし死体の謎に挑んでいた。ジュネーヴー美貌の研修医ヴェラは、運命を塗り変える恋に落ちた。そしてベルリンードイツの名士たちはある祝賀会を準備していた…。無秩序や出来事の裏に潜む、巨大な陰謀とは何か。全世界を震撼させた、大型新人の冒険サスペンス長編。
次々に起きる惨劇を切り抜けながら、父親殺害の真相究明に執念を燃やすオズボーン。刑事マクヴェイも、各国捜査機関と密に連絡を取りつつ、数十年にもわたるおぞましい計画の核心に迫っていた。メディアの帝王アーウィン・ショールの正体とは。そして、《明後日》という謎のコードネームの意味とは。猛火と黒煙に包まれたベルリンを後に、オズボーンは氷雪のユングフラウに向かう。
冷戦の時代は幕を閉じた。合衆国大統領コードは軍備を大幅に削減して、経済の建て直しを図ろうとする。そんな折り、米海軍の原潜が何者かに撃沈され、核ミサイルを奪われた。NSAの女性局員アッシュは、事件にイランが関与しているのではないかと疑う。が、タカ派の空軍参謀総長クーガンはロシアのしわざと断定し、最新鋭のステルス爆撃機を発進させた。追真のハイテク軍事スリラー。
アメリカ政財界の大物たちの息子ばかりを集めた全寮制学校が、過激な武装テロ・グループに占拠された。人質となった数十名の生徒の親たちがいずれも政府に影響力を持つため、ホワイトハウスはかつてないほど対応に苦慮する。だが、生徒のひとり、ビリー・テッパーは持ち前の才知と勇気を武器に、大胆かつ奇抜なテロリスト掃討作戦を開始した。スリルとサスペンスに富む話題の映画の原作。
一匹狼のパイロット、フィッツジェラルドのもとに、イラン政府との不正取引に応じた実業家から依頼があった。仕事の内容はハーキュリーズC130輸送機を隠密裡にイランへ運ぶこと。承諾したフィッツジェラルドは3人の仲間を集め、緻密な作戦を開始する。が、取引にからむさまざまな男たちの欲と野望が招くのは、二重、三重の裏切りの罠だった。英国航空小説の鬼才が放つ大型サスペンス。
クリスマスを2日後にひかえたロスアンジェルス。続発する強盗事件は、ついに殺人にまでエスカレートした。犠性者はパトロール警官。容疑者として最近刑務所を仮釈放されたばかりのボビー・バーンズが浮かびあがる。事件を担当するのは、L.A.保安官事務所きってのあらくれ刑事ジェリー・ベック。連続して起きる大量殺人と追跡行。バーンズを追って南部に飛んだベックの前に、白人優越主義者たちの禍々しい陰謀が明らかになる…。