著者 : 戸田裕之
バリントン海運の株式を巧妙に操作し、会社の凋落を企むマルティネス親子。銀行家ハードキャッスルの後ろ盾を得たハリーたちと、秒刻みの真っ向勝負が始まる。なかなか思い通りに行かず追い詰められたかに見えたマルティネスだったが、その悪辟さはハリーたちの想像を上回るものだったー。ついに完成した豪華客船の処女航海と一族の行く末は、裏切りの羅針盤によって導かれる!
オーストラリアで働くノルウェー人女性が死体で見つかり、オスロ警察の刑事ハリーは捜査協力のため、単身シドニーに赴く。ハリーも加わった捜査班の前に次第に浮かび上がる、隠れていた一連のレイプ殺人。犯人の目星は二転三転し、捜査班は出し抜かれては後手を踏む。さらに、封じ込めていた自身の過去がハリーを苛みはじめる…。「ガラスの鍵」賞受賞に輝く驚異のデビュー作、登場。
バリントン家の正統な後継者はハリーかジャイルズか、国中を巻き込んだ大論争がようやく決着。それぞれが新しい生活を手にした矢先、突然の病魔が大切な命を奪い、また新たな難題が持ち上がる。喪失の哀しみのなかで、ハリーとエマが敵対した次なる相手はなんと、ジャイルズだったー。裏切られた友情と兄妹愛は取り返せるのか?予想外が連鎖する「クリフトン」シリーズ第3部。
ハリーとエマを恨む者たちはバリントン海運の凋落と総選挙に挑むジャイルズの敗北を企図する。一方、校則やぶりの常習犯であったセバスティアンは志望校への推薦を得るべく改心したかに見えたが、知らぬうちに国際的犯罪の渦中の人となってしまった。息子を救いたい一心で、政府の要請のもと、ハリーは遠くブエノスアイレスを目指すが…秘められた真実が、新たな悲劇を招く!
オスロにその年の初雪が降った日、一人の女性が姿を消した。彼女のスカーフを首に巻いた雪だるまが残されていた。捜査に着手したハリー・ホーレ警部は、この10年間で、女性が失踪したまま未解決の事案が、明らかに多すぎることに気づく。そして、ハリーに届いた謎めいた手紙には“雪だるま”という署名があった…。全世界でシリーズ累計2000万部、ノルウェーを代表するミステリー作家の傑作。
“雪だるま”事件は連続殺人の様相を呈していた。また、10年前に起きた警官失踪が、事件に関係していることも明らかとなる。捜査班の前には、次々と容疑者が浮かぶが、真犯人はあざ笑うかのように先回りし、やがて、その魔手は、ハリーの身辺にも迫る…。アルコール依存症と闘いながら捜査に打ち込む、陰影に富む主人公と、癖のある同僚警官たち。30カ国以上で出版されている傑作警察小説。
アメリカ上陸と同時にハリーを待ち受けていたのは、突然の逮捕劇と不条理な刑務所暮らしだった!一方イギリスでは、皆がハリーの死の報せに打ちひしがれるなか、エマだけが愛する彼の生存を信じ続ける。真相を探るため、単身米国に乗り込むエマ。重大な真実を秘めたある本に出会い…。二つの家族の運命が大西洋を越えて揺さぶられる、大波乱の「クリフトン」シリーズ第2部。
時代は第二次世界大戦に突入。金策に苦しむヒューゴーは過ちを重ね、ハリーの母メイジーとの取引を目論む。そのころ、エマが必死に行方を追うハリーは、予想だにせぬ場所で生死を賭けた試練を迎えていたー。「生きて再会したい」エマの願いは届くのか?やがて彼らは、英国中を巻き込む大論争の的となっていく。名誉や金への野心渦巻き、変化する人間模様。
1920年代、イギリスの港町ブリストルに住む貧しい少年ハリーは、サッカー選手か世界を旅する船乗りを夢見ていた。しかし、意外な才能に恵まれ、進学校へすすんだ彼は、富裕層の御曹司たちから再三いじめを受ける。やがて名家出身のジャイルズという親友を得るが…。『ケインとアベル』より30余年、貴族と庶民の生きざまを描く著者畢生の最高傑作。壮大なるサーガ、ついに開幕。
波乱の学校生活のなか、それでも学業に励むハリーは次々に厳しい真実と向き合うことになる。英雄として戦死したと教わった父の本当の姿。ウェイトレスとして働く母メイジーの暗い過去。師と崇める謎の男ジャック・ターが背負う傷。伯父スタンの許しがたい行い…。少年が大人への扉を開けてゆく中、ついに直面することになった驚愕の事実とは?全英1位ベストセラー、日本上陸。
ジョン・バロンは胸を躍らせていた。これから永遠の追跡と逃亡の旅が始まるとも知らずに…。殺人課刑事にとって憧れのロス市警5-2班に配属されて初の捜査は、簡単な任務と思われた。だが犯人は逃走。その追跡劇のさなか、彼は伝説の5-2班の邪悪な一面と美貌の殺し屋レイモンドの存在を知るー。ロス、ヨーロッパ、モスクワをまたぐ壮大な陰謀の糸が、その姿を現しつつあった。
あの男は本当に死んだのか?自らと妹の命を守るため、名を変えイギリスへと逃亡したジョン。穏やかな日々と新しい未来がつかめたかと見えた矢先、再び蠢きだす過去の亡霊。パリ、チューリヒ、ダヴォス…ヨーロッパ全域に張り巡らされた「ロマノフの血」へと到る周到な計画がいままさに発動の段階へと到っていた。予想を裏切り続けるサスペンス巨篇が最後にたどり着く、血の結末。
ミサイル防衛を凍結する条約に調印すべくロシアを訪問した合衆国大統領夫妻が、ロシア大統領夫妻とともに銃撃を受ける。取り押さえられた犯人は亡命イギリス人の息子。三国合同捜査が開始されることとなり、例によってチャーリーにお鉢が回ってくる。だが、高をくくっていた彼が調べを進めるうちに、尋常ならざる陰謀の構図が浮かび上がってきた…。好評シリーズ、注目の新展開。
ロシア国内にそびえる幾多の壁。入り乱れる各国捜査陣の思惑。相変わらず冷笑的な上司。困難な状況の中、チャーリーは自身のルールを堅持する。“作戦を立てるときは退路を確保し、必ず他人より先を行く”。だが、検証を進めれば進めるほど疑わしくなってゆく人物がいたーナターリアである。すでに冷えかけている関係をなんとか修復したいチャーリーは難しい判断を迫られた…。
ロシアからは法も秩序も消えていた。当局の権威は失墜し、幾多のマフィア組織が無軌道に鎬を削っていた。そしてチャーリーに未来はなかった。さらに、未来のない男に与えられたはずの任務は、思わぬ危険な方向へと彼を導いてゆく。米ロ両大国の思惑に揉まれ、屈折した愛情に揺さぶられながら、彼は因縁浅からぬ街で孤独な活動を展開する。今日的テーマと壮大な構想のシリーズ第十作。
原子爆弾数十発に相当するとされる、240キロを超えるプルトニウム。それはロシア国内に残されているのか、はたまた移送されてしまったのか?チャーリーの調査が進展する一方で、罪なき娘サーシャの身に危機が迫る。目には目を、命には命を。自らの簡潔な哲学に基づき、チャーリーは鉄壁の罠を用意した。銃弾の嵐の向こうで微笑むのは誰か。世界を危機に陥れた計画は終幕に向かう。
冷戦が終わって、上司も変わった。チャーリーは新人ガウアーの教育係を押しつけられ、憮然とする。一方、新生ロシアで対外情報部門のトップに昇りつめたナターリヤは、幼い娘を育てながら組織内の暗闘に耐え、チャーリーの行方を追っていた。そして北京ではロンドンに情報を送っていたイエズス会士が公安当局にマークされ、彼を出国させることがガウアーの初仕事に。シリーズ第九作。