著者 : 戸田裕之
イギリス労働党に入党し政治家としての階段を上りつめていくサーシャ。ヴェトナム戦争を経てアメリカの経済界で伸し上がっていくアレックス。やがて二十世紀が終わる頃、二人の進路は何かに導かれたかのように同じ場所へと向っていく。そこには野望と怨念が渦巻く世界が待ち構えていた。果して両者の到達点はー現代史を背景に、人生の偶然と宿命を奇抜なスタイルで描き出す空前のサーガ。
ある事件の結果、心身に大きなダメージを負ったハリーは、警察を休職し、香港で隠れるように日々を送っていた。だが、そんなハリーを探して、オスロから刑事のカイアが訪ねてくる。自分の血液による溺死という奇怪な殺され方をした女性二人が相次いで見つかり、この連続殺人事件の捜査にハリーの力が必要だと言ってー。ノルウェーに戻ったハリーの前には、更なる犠牲者が現れて…。
連続殺人事件の被害者たちの繋がりを追う、ハリー率いる刑事部捜査班。だが主導権を握りたい中央捜査局の横槍が入り、刑事部は事件から締め出されてしまう。極秘に捜査を続けた末に浮かんだ有力な容疑者。だが、ハリーを出し抜くかのように、中央捜査局がその男を逮捕する。二転三転する事態のなか、世界の果てまで赴いたハリーが見出した真相とは。ノルウェー発、メガヒット・サスペンス!!
町長殺害事件を捜査する刑事の前に現れたのは、犯行を自白する51人もの町民だった…「だれが町長を殺したか?」。早期退職を強いられた銀行員が資産家の顧客の秘密に気づき、人生大逆転の賭けに出る「上級副支店長」。旅行の保険で小金を手に入れる術を考案した夫婦の末路を3通りのエンディングで描く「生涯の休日」。奇抜すぎる発想と意外すぎる展開で人生の不思議を縦横に描き出す傑作集。
クリスマスシーズンのオスロで、街頭コンサート中の救世軍のメンバーが射殺された。オスロ警察警部のハリーはこの件の捜査に当たるが、衆人環視のなかの事件なのに目撃証言がまったく得られないことに疑問を抱く。一方、暗殺の実行犯は、すぐにオスロから脱出しようとするが、降雪で航空便が欠航になり、一晩滞在せざるを得なくなる。翌朝、新聞を目にした彼は…。傑作北欧ミステリー。
救世軍メンバー射殺事件の捜査チームは、犯人を特定し、クロアチア人の男を指名手配する。その男は、契約を全うするため、厳寒のオスロで過酷な逃避行を続けながら、本当のターゲットを繰り返し狙う。だが、名前が割れ、パスポートやクレジットカードが使えなくなり、手持ちの現金も底をつく。さらに、銃弾を使い果たしたために…。CWAインターナショナル・ダガー賞候補の傑作!
ハリーはバッキンガム宮殿で爵位を授けられた。新首相マーガレット・サッチャーから閣僚に任命されたエマ。選挙では敗れたものの、遂に家庭の幸福を得たジャイルズ。彼らの人生は、それぞれに頂点を迎えようとしていた。一方で執拗に復讐を目論み、金に執着し続ける亡者たちの動きはやまないが、彼らにはそれぞれの陥穽が待ち受けていた。人間の美醜賢愚を描き抜いた空前の大河小説、最終巻。
ハリーは亡き母が望んでいた小説の執筆に着手する。それは畢生の傑作となるべき作品だった。エマも保守党内閣の中で頭角を現して、更なる要職に任命される。ハリーの出生の秘密が明らかになり、子や孫たちも幸福を掴みかけたとき、クリフトン家を悪夢のような病魔が襲う。悲嘆そして絶望と闘う一家に、やがて信じ難い結末が…稀代の物語作家が満を持して描き上げた衝撃と余韻消え去らぬ終幕。
サニーの父は警察官だったが、突然、拳銃で自殺した。自分は警察の内部情報を犯罪組織に売る内通者だった、という遺書を残して。気落ちした母も後を追うように亡くなり、サニーは薬物におぼれ…そして今、刑務所にいる。あらゆる収監者が、サニーには心を開き、秘密を打ち明けるのだ、まるで懺悔をするように。サニーの父の死の真相を知る者がそれを明かしたときー凄絶な復讐劇の幕が開く!
警戒厳重な刑務所から脱獄し、父を陥れ自分を騙した者どもを次々と殺していくサニー。一方、オスロ警察のベテラン警部シモンは、このところ続く殺人が実は連続殺人で、そこには隠された規則性があることに気づく。また、犯罪組織側も、サニーを消すため追い始めた。警察と犯罪組織、双方に追われながらサニーは復讐を完遂できるのかー。現在の北欧ミステリーを牽引するネスボの渾身作!
客船“バッキンガム”爆破事件の後、ハリーはシベリア強制収容所に幽閉されている一人のロシア人を救出する決意を固める。その男ババコフはかつてスターリンの専属通訳を務め、内幕を暴露した本を著して逮捕されていた。セバスティアンの恋とビジネスに迫る危機、ジャイルズを襲う予期せぬ不祥寺、そしてエマを待ち受ける陰謀…一寸先に闇が訪れ、息つく暇も与えぬシリーズ第5部。
ソ連が闇に葬り去ったババコフの著書『アンクル・ジョー』のありかを知ったハリーは単身、モスクワに向う。だが、そこに待ち受けていたのは異常極まりない国家の罠だった。一方、エマはバリントン海運社内の危機を抱えながら、宿敵ヴァージニアに起された名誉毀損訴訟の法廷に立つことに。はたして全ての真実が語られる日は来るのか。希望と絶望が交互に押し寄せる驚愕の新展開!
アメリカでは公民権運動がかつてない高まりを見せ、黒人の自由と平等のために全身全霊を捧げてきたジョージの夢がかなう日が近づいていた。しかしそれを目前にケネディ大統領が凶弾に倒れ、アメリカはふたたび混沌の渦中へ!一方、モスクワでクーデターが勃発、ディムカが側近を務める第一書記が失脚し、体制が一転する。より良い社会を築くために苦闘してきたディムカは失意の日々に。そしてターニャは、友人で政治犯の囚人の手記を西側諸国で出版しようと密かに計略をめぐらせていた…。
職を失ったディムカに、彼の手腕を見込んだ改革派の議長から声がかかる。新たな社会実現に向けてディムカはふたたび政治の道を歩みはじめた。一方、ターニャが出版に暗躍した囚人の手記は西欧でベストセラーとなり、ソヴィエトの現実が世界に明かされようとしていた。そしてアメリカでは、ジョージが政治の中枢に躍進、真の改革が始まろうとしていた…!東西対立からベルリンの壁崩壊まで、各国で怒濤の時代を生き抜く人々の運命が絡み合う。『巨人たちの落日』『凍てつく世界』に続く畢生の大作“百年三部作”ついに完結。
1961年、共産主義体制下の東ベルリン。反体制派の烙印を押された教師のレベッカは驚愕の事実を知らされた。夫の正体は秘密警察官で、彼女と家族を監視していたのだ。希望を失ったレベッカは自由を求めて西側へ逃亡をはかる。一方、公民権運動が広がるアメリカでは、黒人青年ジョージが司法長官補佐官として希望に燃えていた。人種差別撤廃のため政界に入り、みずから国を変えるのだ。そしてモスクワでは双子の兄妹ディムカとターニャが理想の社会実現を目指し奔走する…。激動の20世紀を背景に壮大なスケールで描く大河ロマン。
命がけの苦難の末、レベッカは西側に渡ることに成功した。だがやがて、巨大な壁が完成し、東側の家族との間を完全に分断する。一方、ケネディ大統領のもとで民主的な光が国を照らすなか、希望に満ちたジョージを予想だにしない展開が待ちうけていた。キューバが東西対立の焦点となり、一触即発の危機へと突入していったのだ。司法長官補佐官のジョージとモスクワで第一書記の補佐官を務めるディムカは、それぞれの立場から核戦争回避に向けて必死の画策を続ける。が、米ソの対立は激化し、全世界が死の恐怖でおおわれていった!
オスロ中心部の銀行に、白昼強盗が押し入り、銀行員一人を射殺、金を奪って逃走した。現場に手がかりひとつ残さない鮮やかな手口で、ハリー・ホーレ警部も加わった捜査チームにとっては、前途多難を予感させられた。一方、かつてのガールフレンド、アンナと食事をしたハリーは、翌朝、前夜の記憶がない状態で目覚めた。そしてアンナが死体で見つかり…。30カ国以上で出版されている話題作。
連続銀行強盗事件の捜査が行き詰まり、ハリーはチームを離れ、独自の捜査に踏み出す。また、自殺として処理されたアンナの死の真相を探り続けるハリーに、謎めいたメールが届く。死の直前、ハリーがアンナと会っていたことを知っている、とほのめかす文面だった。そして、アンナ殺害の容疑が降りかかり、窮地に陥るハリー…。エドガー賞長編賞の候補にもなった、北欧ミステリーの傑作。