著者 : 新野剛志
■第34回鮎川哲也賞選評、および第2回創元ミステリ短編賞選評&受賞作・歳内沙都「桜越しに空を撮る」掲載。■本邦初訳短編掲載などで贈る、特集「美しくも歪(ゆが)んだ世界へようこそー ジョン・コナリーの物語」。■気鋭による傑作読切 古矢永塔子「私たちの愛の巣」、嶋津輝「稲子のカフェー」掲載。■新野剛志が贈る、終戦まもない東京を活写する連作『粒と棘』、堂々の連載最終回ほか。
昭和11年夏、満洲国・奉天の街。新聞社の飛行士・鷲尾順之介は、殺人事件に端を発した銃撃戦に遭遇し、謎めいた美貌の歌手・宋麗琳を偶然助けた。それは運命の出会いだった。一方、関東軍参謀部の梶清剛大尉は、同志とともに「ある計画」を遂行していた。そして、彼らの運命の糸は複雑に絡み始めるー。ライバル社の行方不明機を発見した順之介は、突如現れた梶から銃を突きつけられる。内蒙古で「荷物」を引き取り、空輸しろと命令されるのだが…。否応なく操縦桿を握り、空へ上がった彼を待つ運命とは?そして、次々と明らかになる、驚愕の真実と迫り来る危機とは!?壮大なスケールで描く冒険巨篇。
大手企業を退職し、27歳で認可外保育園「みつばち園」に勤め始めた星野親。そこは、事情を抱えた子供たちが集まることで有名な園だった。子供にご飯を与えない親、パチンコに夢中で迎えに来ない母、父母同士の不倫…。そんな中、みつばち園は運営形態を市から問題視され、存続の危機に立たされる。星野たち保育士は園を守るためある決断をすることにー。新人保育士の奮闘の日々を描いた、切なくも心温まる青春小説。
平凡な公園ランナーであるインテリア会社「ワンダーケース」の社長・高木雅弘は、所属するランニングサークルの仲間たちと行なっている賭けレースにハマっていた。ある日、高木のもとに「明日のレースには負けなさい。さもなければ、ひとが死にます」と書かれた一通の郵便が届く。そして翌日、高木がレースに勝つと、さっきまで走っていた公園内で本当に男の死体が発見される。しかもその男は大学時代の同級生だったー。これは偶然なのか、それとも…。走れば走るほど、日常は壊れ、運命は狂っていくー。江戸川乱歩賞作家が放つ、戦慄のランニングミステリー!
スカイツリーの町で生まれ育った吾郎。低額宿泊所の施設長だったが社長と喧嘩してクビ。バツイチで、可愛い息子には時々しか会えず、元妻は再婚するという…。多難な毎日だけど元ホームレスの青年・魁多に絵の才能を感じて、ギャラリストになろうと決意した。めげない男の奮闘が痛快・爽快な下町人情物語!
航空業界に吹き荒れる逆風の中、遠藤や森尾が働く成田空港の大航ツーリストにもリストラの圧力が。さらに、エリート本社出向社員・星名の不可解な言動にも翻弄され、人のいい遠藤が遂に出社拒否!?「常にお客様のため」にトラブルを解決してきた空港スタッフたちの奮闘ぶりに胸が熱くなる大人気シリーズ第3弾!
妻子と別れ一人で暮らす作家の中谷は、ある夜、コンビニの前で酔った女を助ける。連れて帰った部屋で女が語ったのは幼いころの不可思議な記憶。中谷はその過去を辿ることになる。同じころ一人の青年が幼少期の「恩人」を探し出そうとしていた。孤独な三人が交錯し「家族」の真の意味を模索する傑作ミステリー!
「視聴率が十二パーセントを超えたら、無差別に人を殺す」。国民的人気番組に届いた前代未聞の脅迫状が、バブルに沸く日本を揺るがせる。これは単なるいたずらか、それとも全視聴者への挑戦なのか。そして、背後に秘められた哀しい純愛物語とは?乱歩賞作家が、バブルの狂乱と、その中で生きる人々の葛藤を描く傑作ミステリー。
僕と宗介は半年前、街で偶然再会した。学生時代からの友人は、仕事を辞めて行くあてもないらしい。仕方なく一晩だけ泊めてやるつもりだったのが、今ではすっかり居着いてしまっている。そんな彼は、僕の周辺で起きた事件を素人探偵となって次々と解決していくのだが…。それぞれ暗い過去を持つ青年、勇吾と宗介。彼らに訪れる出会いと別れを描き、爽やかな余韻を残す連作短編集。
星野親、27歳。大手保険会社を退職し、子どもの頃からの夢だった保育士として、無認可保育園「みつばち園」に勤め始めた。そこは、事情を抱えた子どもたちが多く集まり「ダイナマイト・ハニー」と呼ばれる園だった。十分なごはんを食べさせてもらえない子、パチンコに夢中で迎えに来ない母親、父母同士の不倫…。星野は答えの出ない問題に体当たりでぶつかっていく。そんな中、みつばち園は運営形態を市から問題視され、存続の危機に立たされる。園のため、そして子どもたちを守るため、星野たち保育士はある行動に出るー。
平凡な公園ランナーの自分が大勢の見も知らぬひとから見つめられているなんてーランニング仲間との「レース」にはまっているインテリア会社社長・高木のもとに届いた一通の脅迫状ー。「明日のレースには負けなさい。さもなければ、ひとが死にます」高木が勝った夜、レースが行なわれた公園で本当に男の死体が発見された!?乱歩賞作家が放つ疾走!狂走!ランニングミステリー!!
20歳の夏休み。新しい自分になれるかもと海外旅行を計画したが、直前になって旅行会社に騙されて出発できなかった僕。仕方なく地元で中学時代の同級生と過ごすが…。覚えのないいじめを赦してくれと言われたり、訳ありだった女の子と再会したり、次から次に起こる事件。しまいには「ひとを殺しちゃったみたいだ」と携帯電話が鳴る始末。いったい僕の夏休みはどうなるんだ!?恋も友情も笑いも涙も入り乱れ。何が何だかわからないが“何か”だけは確かにあったあの頃を、まるごと描いた青春小説。
妻子に逃げられたダメ男・松橋吾郎は、ただいま低額宿泊所の施設長。貧困ビジネスに食い物にされる入所者たちの面倒を見ながら目をつけたのが、元ホームレスの若者・魁多の絵だった。吾郎が後見人をつとめる若きアーティストは、本物なのか。失った家族を取り戻すため、吾郎は起死回生の一手「ギャラリスト」に全てを賭ける!日々の営みの大切なことが詰まった、元ホームレス作家ならではの人情物語。
その3人は誰も、「家族」を持たなかった。重なり合った孤独の先にあるのは光か、それともー。高校時代に姿を消した姉の行方を捜しつづけている作家の中谷。「あたしが関わるひと、みんな死んでいく」という26歳の亜樹。子供のころに“教授”と目指した黄金の里に行きたいと願う友幸。一人で生きていながら、いつも誰かを求めていた。乱歩賞作家が喪われた「家族」を描く衝撃のミステリー。
遠藤慶太は30歳。大航ツーリスト成田空港所に赴任して二年目を迎えた。今や空港勤務のプロ「あぽやん」として大活躍ーのはずが、能天気な新人の教育、テロリストの出没騒動に今日も悪戦苦闘。さらに空港所閉鎖の話が浮上する中、恋のライバル登場で、まさに大ピンチ!?遠藤の活躍を描く、大人気シリーズ第二弾。
遠藤慶太は29歳。大航ツーリスト本社から成田空港所に「飛ばされて」きた。返り咲きを誓う遠藤だったがーパスポートの不所持、予約消滅といった旅客のトラブル解決に奮闘するうちに空港勤務のエキスパート「あぽやん」へと成長してゆく、個性豊かな同僚たちと仕事への情熱を爽やかに描いた空港物語。
空港=airportを略してAPO。国内最後の水際であらゆるトラブルに対応する空港のプロフェッショナルをかつて旅行会社・大航ツーリストでは「あぽやん」と呼んだー成田空港所勤務2年目を迎えた遠藤慶太は新人教育に恋のライバル登場に悪戦苦闘。しかも、親会社・大日本航空の経営悪化の煽りを受けて空港所閉鎖の噂が!?立派な「あぽやん」目指して今日も走る遠藤の運命やいかに?爽快お仕事小説。