著者 : 日野草
殺し屋たちが受け継ぐルールー依頼人には必ず会うこと。できるだけ苦しませずに殺すこと。相手が絶命するまでその目を覗き続けること。そして…5つの時代をつなぐ、5組の殺し屋たち。優しい殺し屋たちが時を超えて見守った、殺意と命の物語。
偽宗教で荒稼ぎしているベテラン女性詐欺師。その手管と首尾を描くトリッキーな一作、大石直紀「おばあちゃんといっしょ」。会社の保養所でトランプを始めたOL三人組。罰ゲームで明かされる秘密が心底恐ろしい永嶋恵美「ババ抜き」。日本推理作家協会賞を受賞したこの二作品を含む、選り抜きの8編を収録!
出所した藤木は、7年ぶりに会った従妹に彼氏を紹介される。彼の愛情深い様子に、藤木は従妹との“秘密”を打ち明けようと決意するが、男は一変して正体を明かしたー「僕は義波。復讐の贈与者です」(「アフター・ライフ」)。復讐代行業を続ける“援助者”だが、悪事銀行が依頼の裏で暗躍し、メンバーは次々といなくなる。そして義波は、最後に誘われた廃車工場で、ある選択を迫られるー。話題沸騰の連作ミステリ、感動の完結!
「今から起こることは、全部おまえのせいだ」。高校時代の同級生に復讐するため、高層ビルの展望室を占拠し、多数決で殺す人質を決める“命の投票”を始めた男・伏見。彼の計画は、一人の男の登場によって綻び始める…。人それぞれの隠れた弱みを巧みに見抜き、利用し、業務をこなす義波と復讐代行業者“援助者”。だが、彼らにもある組織が忍び寄るー。変幻自在にあなたを惑わす、衝撃のミステリ!番外編「象の鎖」収録。
上野の美術館の前庭にある“地獄の門”の前で、水曜日11時に頼みたい仕事の内容を話すと“泥棒の守護神”が現れるという奇妙な噂が。半信半疑で訪れた、造形作家TOKIWAのマネージャー篠原健。彼女が亡くなり、噂を信じたくなったのだ。「盗んで欲しいのは、あの人の遺体と一緒に棺に納められてしまうもの」。だが何も起こらない。守護神などいない、そう思ったとき何かが手元に落ちて来てー。
雨の降り続く日、訪ねてきた女に俺は仰天する。彼女は数時間前、俺に殺され、浴室で冷たくなっているはずだー。過去に負い目を抱えた人々に巧みに迫る、正体不明の復讐代行業者。彼らはある「最終目的」を胸に、思いもよらない方法で標的の一番の弱みを利用し、恨む人・恨まれる人を予想外の結末に導く。人間の心を丸裸にする、6つの恐るべき復讐計画とはー。再読必至の新感覚リベンジ・ミステリ!
おとなしい性格の夫・立夏は、妻の恵里香の浮気を疑い尾行する。車が到着した場所は、自分が持つ東京郊外の土地だった。そこで恵里香と義妹の茉菜は、車のトランクから身体の自由を奪った少女を連れ出す。義弟の柳が一部始終をハンディカメラで撮影する中、恵里香は少女にナイフを突き立てた。思わず立夏が声を上げると、その隙をついて、死んだはずの少女が駆け出したー