著者 : 星新一
わたしは彼らと違うのだ。いかにむなしくても、それはどうしようもないことだー。殿さまには殿さまの悩みがあって、些細な物事にも思いを馳せる(『殿さまの日』)。“ショートショートの神様”が、斬新な切り口によって描き出す傑作時代小説集第一弾。
世間と隔絶され、美と絢爛のうちに育った秀頼にとって、大坂城の中だけが現実だった。徳川との抗争が激化するにつれ、秀頼は城の外にある悪徳というものの存在に気づく。表題作他5篇の歴史・時代小説を収録。
学校から一歩足を踏み出せば、そこには日常のささやかな謎や冒険が待ち受けているーー。読者と選んだ好評アンソロジーシリーズ。放課後編には、浅田次郎、石田衣良、橋本紡、星新一、宮部みゆきの短編を収録。
全世界で、あるいは全宇宙で永遠に読み継がれるべきマスターピース集。これ1冊で、星新一作品世界のすべてがわかる。星チルドレンの旗手・新井素子が選ぶショートショートの最高傑作54。
青年の部屋に美女が出現した、となりの女子大生の部屋には死んだはずの父親が。触ることのできない幻があちこちで目撃される。現象は広がり、モナリザやヒットラー、さまざまな動物、怪物、札束も出現。人々の夢が幻となって現れているのだ。みんながみんな、自分の夢をつれて歩き出した。やがて、世界は夢であふれかえり、そしてー。平和な日常にそっと潜む、小さな乱流の種。皮肉でユーモラスな短編12編を収録。
おれは産業スパイとして研究所にもぐりこんだものの、捕らえられる。相手は秘密を守るために独断で処罰するという。それはテレポーテーション装置を使った地球外への追放だった。傑作ショートショート集!
宇宙基地に連れてこられたミノルとハルコは、奇妙な“電波幽霊”の正体をつきとめるため、基地隊員のキダ、特殊ロボットのプーボと広大な宇宙空間へ旅立った。ものすごく攻撃的な鳥が支配するテリラ星、あらゆるものを食べつくす恐ろしい植物に占領されたオロ星、かぶと虫のような怪虫に滅ぼされてしまった無人の星など、果てしない宇宙で彼らは大活躍!すばらしい空想の世界に読者を誘う、傑作ジュブナイルアドベンチャー。
脳を残して全て人工の身体となったムント氏。ある日、外に出ると、そこは動くものが何ひとつない世界だった(「凍った時間」)。SFからミステリ、時代物まで、バラエティ豊かなショートショート集。
お金持ちのエヌ氏は、博士が自慢するロボットを買い入れた。オールマイティだが、時々あばれたり逃げたりする。ひどいロボットを買わされたと怒ったエヌ氏は、博士に文句を言ったが……。
ある時代、電話がなんでもしてくれた。完璧な説明、セールス、払込に、秘密の相談、音楽に治療。ある日マンションの一階に電話が、「お知らせする。まもなく、そちらの店に強盗が入る……」。傑作連作短篇!
星新一氏の文庫本39冊にわたる全短編、さらに文庫未収録ショートショートを加え、全1048編を収録。第1巻「1961-1968」、第2巻「1968-1973」、第3巻「1974-1997」の3巻構成。年譜、五十音索引を付す。
海の下の、奥の奥で眠っている神の夢。大地をうごめき、すべてを食い尽くす不快なブガン。アステカの怪しげな薬草に酔って義経がみる昔日の幻。満月の夜にとらえた人魚を食べてしまった男たちのゆくえー。天地の創造、人類の誕生など語りつがれてきた物語が、いま奇抜な着想で生れかわる。あなたを空想の小宇宙へ誘う、幻想的で奇妙な味わいの52編のワンダーランド。
引き抜かれたカカシのあとに生えた草の葉っぱ、雲母のようにキラキラする竜のウロコ、字の書かれた小さな石ころーそんな奇妙なものばかりがあるというどんぐり民話館。そのどんぐり民話館を探しに、都会から一人の青年がやってきたが…。いつまでも語りつがれる民話のような味わいで、さまざまな人生の喜怒哀楽を描いた31編。ショートショート1001編を達成した記念の作品集。
平凡なサラリーマンが、ねごとで妻にもらした見知らぬ男への殺意。ねごとでの殺人計画はしだいに具体化していく。はたして、夢の中の出来事なのか、それとも本当は…。他人には信じてもらえない、不思議な事件はいつもどこかで起きている。日常的な時間や空間を超えて展開する非現実的現実世界をウイットあふれる語り口で描く、夢とサスペンスにみちたショートショート21編。