著者 : 春野ひろこ
冴えないシンデレラが恋したのは、 ハンサムで奔放な王子様。 三姉妹の末娘で、美人の姉たちと比べられて育ったレイチェル。 周りからは“シンデレラ”などと呼ばれ励まされるけれど、 私は醜いアヒルの子。きっと愛も知らずに一生を終えるのだろう。 そんな折、レイチェルは親友のいとこのザックと偶然出会う。 目も覚めるようなハンサムな実業家で、自信たっぷりな彼は、 他の女性には目もくれず、なぜか彼女だけを熱心に口説いてきた。 私をからかっているの? いったい何が狙いなのかしら。 訝しみながらも彼の魅力に抗えず、レイチェルは誘われるまま 車に乗り込むが、天候が急変して近くの宿に避難する羽目に。 しかも案内された屋根裏部屋にはベッドがひとつしかなくて……。 強引で自信家だと思っていたヒーローから聞かされた哀しい過去。それは真剣で一途な愛を求めるヒロインにはつらいものでしたが、彼への想いは高まるばかりで……。ハーレクイン・ロマンスではおなじみのヘレン・ブルックスが描くシンデレラ・ロマンスです!
彼女もあんな顔で式を挙げたくないでしょう── 元婚約者の心ない言葉を思いだし、リリーは涙をぬぐった。 事故のせいで頬に残った醜い傷跡にそっと触れる。 いっそのこと、誰も知らない土地に行って人生をやり直そう。 そう思った矢先、ふと新聞の求人記事に目がとまった。 “料理人求む。オクラホマ州クリントン” 秘書の経験しかないリリーだったが、応募に迷いはなかった。 そして雇い主の大牧場主ケイスに会った瞬間、彼女は確信した。 ロサンゼルスからはるばるここに来たのは、間違いではなかったわ。 ケイスはたじろぐこともなく、澄んだ目でリリーを見つめていた。 シャロン・サラの真骨頂、さわやかな涙と感動を誘うロマンス。
小さな天使の存在が、二人の関係を変えるーシークレットベビー・アンソロジー!『シークの隠された妻』「ぼくたちはまだ夫婦らしい。正式な離婚手続が必要だ」突然訪ねてきたジャウルの言葉に、クリシーは驚いた。2年前、マルワン国皇太子の彼は挙式の翌月に忽然と姿を消したー彼女のおなかに双子を残して。やがて代わりに父王が現れ、無情にも結婚は無効だと告げたのだった。なのに今ごろ現れて離婚したいですって?しかし双子の子供たちの存在を知るやジャウルの態度は豹変し、離婚は撤回すると言いだした。彼の子ならばマルワン国で育てることが法律で決まっているというのだ。私から子供まで奪おうというの?『愛してると言えなくて』引退する雇い主から、学校を引き継ぐには誠実な相手との結婚が条件と言われた教師ベイリー。友人の勧めでゲイブと出逢って彼を愛するようになり、結婚を決めたー動機が仕事のためだと思われないよう、例の条件のことは隠して。だが期せずしてゲイブの知るところとなり、責められた彼女は家を出た。10カ月後。今日はバレンタインデー。ベイリーは赤ん坊を胸に抱き、懐かしい家をめざしていた。“生きたバレンタイン・プレゼント”を、ゲイブはどう思うだろう?そして今度こそ、私は彼を心から愛してると言えるかしら?
18歳の夏、キャリーはさる公国の大公リュクに恋をし、純潔を捧げた。だが翌日、彼は名づけ親を通して別れの意思を伝えることで、彼女を公国から追い出しにかかったのだった。用意された“一夜のお相手代”には目もくれず城を去ったキャリーは、やがてリュクの子を身ごもっていることに気づいたが、子宮外妊娠だったため出産はあきらめざるをえなかった…。そんな辛く悲しい出来事を記憶の奥底に閉じこめ、8年が過ぎた。そして今、思わぬ再会を果たしたリュクから、プロポーズされる!ほとんど脅迫ともいえる強引な求婚に戸惑いながらも、彼への恋心をくすぶらせていたキャリーは受けることにするが…。
信じた男に傷つけられて男性不信になったステファニーは、女手一つで4歳の娘を育てながら、身を粉にして働いていた。そんなある日、彼女はブルーグレーの美しい瞳の顧客、ラウルと出逢う。莫大な富を築いたその若き大富豪はしかし、恐ろしく尊大だった。最愛の娘と過ごす時間がなくなるほど遅くまで彼女を働かせたうえ、夜はパーティに同伴するよう要求してきたのだ。まるで愛人のように。一瞬でも彼をハンサムですてきな人と思った自分が信じられない!反発心が芽生えたステファニーは、自戒の念を込めて、彼といると胸の鼓動が速くなるのは怒りのせいだと思おうとした。なのに、ラウルは彼女の娘も、さらには母さえも魅了してしまい…。
「結婚1周年だよ、ミセス・パレンティ」大富豪の夫サウルの甘いささやきに、ジゼルの胸は幸福感で満たされた。ところが、愛を確かめ合った直後、衝撃の一報がーサウルのいとこ、アレジオ公国の大公アルドが暗殺事件に巻き込まれたというのだ。駆けつけたサウルに跡を継ぐことを約束させ、アルドは息を引き取った。“子供は作らない”それがサウルとジゼルの婚前の取り決めだったのに、サウルが大公の座に就けば、世継ぎをもうけざるをえなくなる。幼い頃に家族を失い、命の儚さを痛いほど知るジゼルは野婚をも考えた。サウルも子供を作らないという決意は固く、どうにか道を模索すると言う。だが運命は思わぬ方向へ転がる。ジゼルの予期せぬ妊娠が判明したのだ!
14歳で両親を亡くし、伯父に引き取られたゾーイ。伯父のもとで働く気鋭の弁護士ジャスティンに恋をして、20歳のバレンタインデーの夜、ついに夢が叶い、長年憧れてきたジャスティンと結ばれて結婚した。だが、幸せは長くは続かない。彼にとってこの結婚は、ただの出世への足がかりで、愛人と密会までしていたのだ。傷ついたゾーイは家を出たー妊娠していることは告げぬまま。4年後。幼い息子が難病に罹り、骨髄移植が必要となった。私が不適合なら、残された希望は父親のジャスティンだけ…。複雑な思いを胸に、ゾーイはかつての最愛の人のもとへ向かった。
ギリシア大富豪ニックと離婚協議中のベッツィ。もう引き返せない。夫のあんな秘密と嘘を知ったあとでは。ニックを心から愛していた。だから子供が欲しいと言った。なのに、まさか彼がもう何年も前に避妊手術を受けていたなんて!名もなきウエイトレスだった私に、ギリシア名家の跡継ぎを産ませるつもりなどはじめからなかったのだ。だが別居中のニックがふらりと屋敷に立ち寄ったある日、二人は離婚のことも忘れ、何度も激しく求め合ってしまう。尽きることのない情熱と、夫への愛に苛まれるベッツィは、2カ月後、信じられない体の変化に気づく…。
ポピーの初恋相手は、いとこのクリスだった。幼いころは、彼の兄ジェームズが大好きだったが、思春期になり、優しいクリスに淡い恋心を抱くようになると、それに気づいたジェームズは、ひどく冷たく、意地悪になった。大人になり、ポピーの初恋はクリスの結婚で無残に散った。ほどなくして上司でもあるジェームズの出張に同行したポピーは、あるささいなきっかけで、彼の腕に抱かれてしまう。思いがけず、クリスには感じたことのない情熱をかきたてられ、ポピーはみずからジェームズを求め、純潔を捧げた。その一夜で身ごもってしまうとは、思いもせずにー。
義兄を、男性として愛してしまった。 そして、我が子の父親としてもーー。 ジョディの父が、ギリシア名家の女性と再婚した。 多感な少女は義理の兄となった御曹司ステリオスに憧れ続け、 18歳のとき、ついに兄妹の一線を越え、純潔を捧げた。 だがそれを知った家族はジョディだけを責め、勘当したのだ。 4年後、ジョディはいとこの結婚式のために帰省する。 ステリオスは彼女の存在が式をぶち壊しにすることを危ぶみ、 自分の屋敷に閉じ込めようとするが、突然の嵐で一帯が停電。 暗闇の中、二人はあの夜を再現するかのように体を重ねてしまう。 逃げるようにギリシアを去った彼女のお腹には、新しい命がーー。 まるでギリシア悲劇を思わせるような、ドラマティックな義兄妹のロマンスをお届けします。4年前の過ちを再びおかしてしまう二人。ジョディは逃げるようにギリシアを去りますが、彼女のお腹には赤ちゃんが……。
わたしが妊娠?ターシャは、医師の診断に愕然とした。相手は、ブリスベーンきっての法廷弁護士ジャレットだ。彼はいったいどう思うかしら…?体を重ねるときはとても情熱的な二人だが、今まで一度だって、将来について口にしたことはない。ためらいながら妊娠を告げると、彼は急に冷ややかになり、「そんなことをしてくれとぼくが頼んだか?」と言い放った。だがそのあと、静かに「結婚しよう」と告げられ、ひどく傷ついたターシャは、彼のもとを去ることにしたー。
田舎町で生まれ育ったコリーは、地元の青年に失恋し、傷心のあまり転職して故郷をあとにした。ロンドンの一流企業に社長秘書として採用されたはいいが、初日から社長のマックス・ハンターに釘を刺されてしまう。「僕に対して、仕事の邪魔になる感情は抱かないでくれ」と。たしかに彼は恐ろしいほどハンサムだけれど、傲慢すぎるわ。仕事はやりがいに満ち、マックスはボスとしても有能だった。そんなマックスと1週間、二人きりの海外出張が決まる。初日の夜、緊張していたコリーに、なんと彼はキスをしてー。
イヴが祖母とともにひっそりと暮らす郊外の館に、ロンドンで奔放な生活を送る母が男性を伴ってやってきた。母は30代と年齢を偽り、彼には娘の存在を秘密にしているらしい。そのハンサムな男性の名は、ジェイク・ロメーロ。若くして大成した、世界的な実業家だという。ジェイクは、若さに似合わず地味なイヴに関心を抱いたようで、館に滞在中、何かと彼女に優しい言葉をかけてくれる。母という恋人がいるのに、いったいどういうつもりなのかしら?イヴはジェイクに対してそっけない態度をとりつづけたーそうしなければ、初めて感じる胸のときめきに屈してしまいそうで。
「かつてぼくが所有していたものを取り戻す」この世でもっとも非情な男の言葉に、ケイラは打ちのめされた。いったいどれほど私を苦しめれば気がすむの…。元夫デュアルドに会社を乗っ取られた父は失意の中、亡くなった。二度と会うつもりはなかったのに、弟が借金の取り立てで襲われ、大けがをしては大富豪デュアルドの助けにすがるほかない。冷たく冴えた目でデュアルドは借金の清算を承諾するが、ただし、見返りはケイラとの復縁だというのだ。それは妻として、ベッドの中でも彼を満足させることだった。
貧しいグレイシーは病気の友人に頼まれ、富豪の屋敷に赴いて、豪華な庭園の薔薇に水やりをしていた。そこへ屋敷の主ラファエルが現れて不法侵入だと咎めると、縮みあがるグレイシーにこう命じた。「罪滅ぼしとして、今夜のパーティに僕と同行してもらう」ラファエルの美貌と尊大さに圧倒され、彼女は思わず承諾する。用意された白いドレスをまとい、夢のようなキスを交わすうち、情熱に溺れたグレイシーは気づけば薔薇園で純潔を捧げていた。だがラファエルには一夜の戯れ、身分の違いは明らかで…。
父にむりやり結婚相手を決められそうになったジュリエットは、容姿の似た親友になりすまし、ひそかに遠く海外へ家出した。そこで、車椅子に乗った少女の話し相手の職を得る。いざ仕事先を訪れると、なんとそこはポルトガル貴族の邸宅で、彼女を迎えた美しいグレーの瞳の男性にひと目で惹きつけられた。その男性こそ、フェリペ・デ・カストロ公爵、少女の伯父だった。だが彼は怪訝な表情を浮かべ、誰かが勝手に求人を出したと言う。ジュリエットは傲慢な公爵に魅力を感じている自分が恐ろしかったが、少女の放った忠告がさらなる追い打ちをかけた。「前任者が首になったのは、伯父に熱をあげたからよ」
花屋で働くイレーナは、隣家の新しい主に思わず目を奪われた。ニコ・ラドクリフーヨーロッパの小国の伯爵だという。魅力的だけれど、私には雲の上の人だわ。彼女は自身を戒めた。だが思いがけず、ニコから多額の報酬の仕事が舞いこむ。「司書の資格を持つきみに、屋敷の古文書の整理を頼みたい」屋根の修繕も満足にできないほど困窮していたイレーナは引き受けざるをえず、彼の屋敷に通いつめることに。数日後の朝、ニコのベッドで目覚めた彼女は青ざめた。なんてこと!彼の誘惑に負けて戒めを破ってしまうなんて…。
信じた男に裏切られ、シングルマザーとなったステファニーは、4歳になった最愛の娘を育てながら、仕事に打ち込んでいた。美しく仕事熱心な彼女に求愛者は絶えなかったが、ステファニーの心に刻まれた男性不信の傷は深かった。そんなある日、彼女は新しい顧客、ラウル・ラニエと出会う。莫大な富を持つ若きフランス人実業家は、恐ろしく尊大だった。娘との時間がなくなるほど遅くまで働かせたうえ、夜はパーティに同伴するよう要求したのだ。まるで愛人のように。一瞬でも彼をハンサムだと思った自分が信じられないーステファニーは、鼓動が速いのは怒りのせいだと思おうとした。