著者 : 朝吹由紀子
愛をさがして愛をさがして
ある朝マチユは、肺癌であと数カ月の命だと告げられた-未来のない彼を、愛人は、かつての恋人は、そして妻は、どう受けとめてくれるのだろうか…。六カ月もしたら、僕は消えてなくなってしまうんだ-。死を宣告された彼を慰めてくれるものは何なのか。パリの街をさまよう孤独な男の心模様。死に直面する人間を描いたサガンの最新小説。
水彩画のような血水彩画のような血
映画監督コンスタンチンは25年ぶりにハリウッドを去り祖国ドイツの依頼で、ナチ占領下のフランスにいる。長年の夢「パルムの僧院」を映画にするため、愛すべき妻ワンダと若者ロマーノをまじえスタッフと共に南仏プロヴァンスで撮影に熱中していた。楽天家の彼に、忘れていた遠い昔の両親と自殺した姉の過去が去来する…。コンスタンチンと妻とロマーノの「愛と自由」への道を描く長編。
夏に抱かれて夏に抱かれて
1942年・夏、ひときわ熱く燃えた季節。ナチの軍靴の響きとともに訪れた、短くも激しい恋…。レジスタンスに身を捧げるジェロームと、少年の心をもつシャルル。2人の間で揺れ動き、過去におびえる女、アリス。出会いから7日目、ついに選択の時が来た-。恋愛小説の名手・サガンが奏でる、哀しい愛の三重奏。
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