著者 : 朝比奈弘治
夢に追われて夢に追われて
レーモン・クノー『文体練習』を手がけた名翻訳者/フランス文学者による、奇想の小説集。パンデミック後の世界を描く傑作短篇から近未来ディストピア・フィクションまで、驚異とユーモアに満ち満ちた全16篇。
ダラダラ
母親ダラが生前「ナタリーおばさん」と呼んでいた女性が殺害されたことに興味を持ったブリジットは、母親と親交のあった六人の人物を訪ねる。だが彼らの話を聞いていくうちに興味の中心は母親の生涯へと傾斜してゆく。-ダラはユーゴにチトーが凱旋してくる前夜に国を捨てた政治亡命者だった。混迷の時代を生きなければならなかった女性の過酷な生を慈しみをこめて描く長編。
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