著者 : 杉本りえ
亜夢の夏休みの最重要課題は、母である夢子さんを探し出すこと。祖母にきいてみても、忘れたとか、知らないとかいって、まともに答えてくれない。でも、BFの俊介は一生懸命に協力してくれている。そんな中で、俊介は、道を尋ねたことから、看護学生の絵里子と知り会った。とても素敵な人!亜夢には絵里子の存在が気になるが、彼女の応援もあり、夢子さん探しは一歩ずつ進んでいった。
亜夢は高校2年だが、1人でアパート暮らしをしている。その目的は、夢子さんを深し出すため。夢子さんとは死んだと聞かされいる母、でも亜夢にはどうしても、生きているように思える。親友の理津子は得意の占いで協力してくれてる。そんなある日、ケンカを目撃、亜夢は特技のカラテで思いもかけぬ助だちをし、俊介と知り合うことになった。ところが彼は、野本組の3代目だった。
「このウワキモノ!」ミス松高といわれる岬真奈美から、おれにたびたび電話がかかってくるので、妹のかなえは最初冷やかし半分だったのが、最近では、反感をあらわにしている。理由はわかっている。札幌のゆり子をどうする気なのだといいたいらしい。ところが、真奈美はおれに関心があるからではなく、親友の石橋のことをあれこれ聞きたいからおれに近づいたはずなのに、石橋も真奈美も…。
近所で起きた下着ドロ、犯人は愛犬サクラ、それとも憧れの男のコ?『サクラの散歩道』。ある日、若菜はルックス抜群の男のコに声をかけられた、でも、心には、自分勝手で武骨な幼なじみのことが…『砂場のナイト』。生まれつき事件に巻きこまれやすいボク、今度は金庫泥棒の計画を聞いてしまって…『少年たちのエポック』、ほか3編を収録した短編集。
札幌にいってしまったゆり子と、手紙での交際が始まった。心まちに手紙をまつおれだったが、内容は必ずしも満足するものでなく、特に小田という男が頻繁に登場するので、心おだやかではなかった。やがて誤解をうみ、互いに意地のはり合いになってしまった。そんなとき、妹の恋騒動から、本当に大切なのは“自分の気持ち”だということに気づき、ゆり子に会うために札幌いきを決心した…。
おれがゆり子と知り合ったのは、ひょんなことからだった。高校入学後まもなく、通学のバスの中で、金が足りなくて困っていたおれに、彼女が「返さなくていいわ」と言って、バス賃分をくれたのだ。おれはいつもは自転車通学なので、彼女に会いたいと思いながらも、その後は二度会っただけだった。だが、夏休みも残り少なくなったある日、彼女にむしょうに会いたくなり、自転車を走らせた。
テニスコートで知り合った女の子2人にご馳走するはめになったのは、沙世子に断られ、文也とテニスをしたことにあった。彼女らはつまらなかったし、おれ(真人)と文也は逃げ出したかった。そしておれたちを救ったのも偶然そこに来た沙世子だった。こうして、ちょっと変わった風の沙世子と、沙世子に言わせるとケーハクな文也と、ごくフツーのおれの、3人パターンのつき合いが始まった。
ぼく(安達勇太)が、倉橋美麗とつきあい始めてから1年半になる。でも、いまだにぼくは美麗のことを好きなのかどうかわからない。そして、それは美麗も同じ。ぼくたちは、お互いを束縛しない、自由な関係の友達なのだ。ある夜、ぼくは美麗に電話した。部屋に行っていいかときいたら、友達がきてるという。行って、その友達に会って驚いた。その子は小学校時代にあこがれていた女の子だった。
剛は父が死亡したため就職し、三奈子は志望校に失敗してM短大に通っていた。三奈子は恋人の剛といつも一緒にいたかったが、仕事の忙しい剛となかなか会えず、話題も食いちがったりで、少し不安を感じていた。そんな時、大学の友人あさ子に誘われて、三奈子は仕方なくパーティに出席した。三奈子はそこで、パーティというのにプールで泳いでいる邦夫と知り合い、一目惚れされてしまった。
「ひょっとして、透とは親がちがうのでは?」真帆は弟の透より一つ上の中3。美形の透はおしゃれでモテる。それに比べて、真帆は平凡で美的センスに欠ける。親がちがうという考えは、疑問から確信へと変わっていく。ある日、透の所へ、真帆と同学年の達也が訪ねてきた。真帆の心はドキッとなった。サッカー部のキャプテンの達也に憧れる女の子は多い。真帆の親友の尚美も、その一人だった。
ウブで真面目でおカタイ崩子は、早紀子と千晶と初めてきたカフェバーでも、なんとなく落ちつかなかった。男の子も苦手だった。なのに、そこで崩子のマンションの隣の部屋によくくる哲也に声をかけられて、崩子の気分はうわついた。だから、偶然ではあったが、バイトが終わった後、哲也と二人で歩いている崩子は夢見心地だった。しかし、そこに哲也の彼女が現れ、哲也を非難しはじめた。
私、コウメ。16歳にして初めて地球の外に出た。冥王星で地球外生命体とのコンタクトの方法を研究している、おとうさんに会いに行ったの。おとうさんは5年前から研究所にこもりっぱなし。私、冥王星の空から宇宙に向けて「こんにちは。お元気ですか?」って呼びかけた。長い旅を終え、地球に戻ってから不思議なことが…。私の体の中から、地球外生命体(?)の声がしはじめたの…!
それは春、猫のシーズンたけなわのころだった。陽気に誘われて、つい散歩に出たおいら(タマ)は、公園で知見らぬ白猫と出会った。犬のようにデカイそのメス猫は、恥ずかしそうに「チビといいますの」と自己紹介した。話をきいてみると、最近、越してきたばかりの飼い猫で、迷子になってしまったらしい。そのチビが、「おそばにいても、よろしいですか?」と、おいらに身をすりよせてきた!