著者 : 東山彰良
青年は鬼(グイ)となってこの世に舞い戻った。三毒を討伐するためにーー。舞台は毛沢東率いる中国共産党が全権を握る中国。拾い子ながら愛情豊かに育てられた佟雨龍を待ち受ける過酷な運命と成長を描いた、感動のエンターテインメント長編。
青年は鬼(グイ)となってこの世に舞い戻った。三毒を討伐するためにーー。舞台は毛沢東率いる中国共産党が全権を握る中国。拾い子ながら愛情豊かに育てられた佟雨龍を待ち受ける過酷な運命と成長を描いた、感動のエンターテインメント長編。
呪術で死者を操る17歳の邪行少女ビビウ・ニエは 政府軍と反乱軍が争う戦場で何をしたのか!? 独裁者が治めるベラシア連邦のルガレ自治州で、独立を求め反乱軍が決起した。この自治州では古くから、死者を歩かせる呪術を操る邪行師の存在が知られている。陽が落ち、いったん矛を収めた反乱軍と政府軍が睨み合う中、チリーン、チリーン、という鈴の音とともに、「巫」の文字が灰色で染めぬかれた黒い長衣をまとった小さな影と死者の列が、両軍の間を通り過ぎようとしていた。政府軍の指揮官が呼びかける。「どこへ行く、小僧?」。小さな影は神妙に答えた。「死者を彼らの村まで送りとどけます」。これが、邪行師との因縁浅からぬバイ中尉と、赤い髪の邪行少女ビビウとの出会いだったーー。 『流』(直木賞)、『罪の終わり』(中央公論文芸賞)、『僕が殺した人と僕を殺した人』(織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞)を超える興奮ーー著者渾身の超弩級エンターテインメント! 雑誌「中央公論」人気連載、待望の書籍化。
1962年、叔父は怪物を撃ったのか? 痺れる、興奮する、息を忘れる。直木賞受賞作『流』はこの小説に結実した! 乗機B- 17を撃墜され、毛沢東治世下の敵国に落下した、台湾空軍スパイ。彼は飢餓の大陸から奇跡の帰還を果たす。そう、これは私の血族の話だ。中国、台北、東京。幾つもの煉獄を遍歴する男と彼をモデルに小説を書く作家ーー二人の男の運命が交じりあう。恋そして冒険。東山彰良の黄金期を告げる圧倒的長篇。
ただ街を映すだけのライブカメラは、嘘のない「正しい」世界…。パンデミック下の孤独な者たちの群像劇。(『ただしみ』)。コロナ禍の新たな日常を送る、育ち盛りの中学生・玲奈のもとに、ある日突然おとずれた「濃厚接触」の知らせ(『腹を空かせた勇者ども』)。顔の見えない「ジェントルマン」の声に従い、反ユートピアの物語を紡ぐ男がくわだてる、脱ディストピアの叛乱(『オキシジェン』)。感染症を世界へ巻き散らすことを計画する組織“臆病なテロリスト、臆病な殺人者”に志願したわたしが出会った、究極の人工美を備えた女・アイラ(『MINE』)。死者は活発に人肉を求め、生者が死んだように隠れて暮らす世界で、ぼくは飼い猫を探す旅に出た(『天国という名の猫を探して悪魔と出会う話』)。最前線の作家たちが贈るもうひとつのパンデミック。
九州の温泉街、小さな街の団地、ニューヨーク、台北、東京ー残酷さと優しさが隣り合わせるパッとしない世界、それでも生きていくむき出しの人間たち。直木賞作家・東山彰良が新たに挑む、自由でボーダレスな短編集!
ちょっぴり怖い、だからおもしろい。 これぞエンタメ!! 前代未聞の「ミステリー短編バトンつなぎ」 「宮辻薬東宮」(みやつじやくとうぐう) 宮部みゆきさんお書き下ろし短編を辻村深月さんが読み、短編を書き下ろす。その辻村さんの短編を薬丸岳さんが読み、書き下ろし……今をときめく超人気作家たちが“つないだ”ミステリーアンソロジー。 「人・で・なし」宮部みゆき 「ママ・はは」辻村深月 「わたし・わたし」薬丸岳 「スマホが・ほ・し・い」東山彰良 「夢・を・殺す」宮内悠介
紋身街は世界中のどの街にも一本はある、細くて小汚い、猥雑な通り。大人たちは狡くていけしゃあしゃあと嘘をつくけど、大切なことも教えてくれる。少年が見つめる台湾の原風景。東山ワールドの到達点。
脱獄すれば目玉が飛び出す“アイポッパー”というマイクロ・チップが埋め込まれ、逃亡不可能と言われる囚人収容施設“キャンプ”の囚人たちに、千載一遇のチャンスが!?ツバメは囚人仲間のミユキ、モモと、なぜかついてきた連続少女暴行殺害犯の川原昇とともに、自由を求めて駆け出すがー。『流』で直木賞を受賞以後、破竹の勢いの著者、伝説のデビュー作!!
「マニヒュレイテッド」と呼ばれる人型AIの射撃手・ユマ。“魂”を得るために、聖書型の悪魔・アグリと契約し、“地獄の扉”の手がかりを追っている。ユマとアグリは、魂に迫るような悲しい歌声を持つ歌姫・シオリと関わるうちに、人とAIと悪魔の、悲劇的事件に遭遇し…。心を理解し始めるAIと、魂を堕落させようとする悪魔。人ならざる者たちの、地獄を探し求める冒険が幕を開ける。
文久三年。やくざ者の蓮八は、苦界に沈んだ幼馴染み・八穂を救うため、やくざの賭場から大金をせしめた。報復として蓮八に差し向けられたのは、凄腕の殺し屋・夜汐。京で新選組の一員となり、身を隠すことにした蓮八だが、ある日八穂からの文を受け取る。帰ってきてほしい…その想いを読み取った蓮八は、組から脱走することを決意。土方や沖田からも追われながら、八穂の待つ小仏峠に向かうべく、必死で山中を進む。だが、夢で蓮八に語りかけ、折りに触れ彼を導くのは、命を狙っているはずの夜汐だったー。
どん底に生を受け、殺人を犯し、脱獄を果たした、ナサニエル・ヘイレン。奇妙なシリアル・キラーと旅を共にし、新たな倫理を打ち立てながら悩める者を解き放つ。彼らを追うのは白聖書派の使徒、ネイサン・バラード。文明崩壊後の北米を駆ける傑作ロードノベルにして、“食人の神”黒騎士の穢土降臨を描く、未来世紀の神話。頁を開け──物語の奔流にその身を任せよ。中央公論文芸賞受賞作。
この本の主成分は、これまで恋に関して沈黙するしかなかった有象無象たちの涙なのだ。モテ、という人類最大のテーマ。男たちよ泣け、女たちよ笑えー有象無象たちの哀歌、誕生。
一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾 に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)に言わしめた直木賞受賞作。 一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)と言わしめた直木賞受賞作。 <文庫版の解説:ロバート・ハリス(作家・ラジオDJ)> プロローグ 第一章 偉大なる総統と祖父の死 第二章 高校を退学になる 第三章 お狐様のこと 第四章 火の鳥に乗って幽霊と遭遇する 第五章 彼女なりのメッセージ 第六章 美しい歌 第七章 受験の失敗と初恋について 第八章 十九歳的厄災 第九章 ダンスはうまく踊れない 第十章 軍魂部隊での二年間 第十一章 激しい失意 第十二章 恋も二度目なら 第十三章 風にのっても入れるけれど、牛が引っぱっても出られない場所 第十四章 大陸の土の下から エピローグ 解説 ロバート・ハリス
猫好きで鳴る人気作家7人が集結。 猫の小説7編を収録する文庫オリジナルのアンソロジー登場! 巻末には「猫小説オールタイム・ベスト」紹介も。 【収録作品】 「マロンの話」湊かなえ 「エア・キャット」有栖川有栖 「泣く猫」柚月裕子 「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」北村薫 「凶暴な気分」井上荒野 「黒い白猫」東山彰良 「三べんまわってニャンと鳴く」加納朋子 「猫と本を巡る旅 オールタイム猫小説傑作選」澤田瞳子
ちょっぴり怖い、だからおもしろい。 これぞエンタメ!! 前代未聞の「ミステリー短編バトンつなぎ」 「宮辻薬東宮」(みやつじやくとうぐう) 宮部みゆきさんお書き下ろし短編を辻村深月さんが読み、短編を書き下ろす。その辻村さんの短編を薬丸岳さんが読み、書き下ろし……今をときめく超人気作家たちが2年の歳月をかけて“つないだ”ミステリーアンソロジー。 「人・で・なし」(宮部みゆき) 「ママ・はは」(辻村深月) 「わたし・わたし」(薬丸岳) 「スマホが・ほ・し・い」(東山彰良) 「夢・を・殺す」(宮内悠介)
1984年。13歳だった。夏休みが終わる2日前、ぼくたちの人生はここから大きく狂いはじめたんだ。少年時代は儚く、切なく、きらめいている。台湾が舞台の青春小説
キッド・ラビットが昏睡から目覚めると辺りには人っ子ひとりーというか、兎っ子一匹いなかった。そう、ぼくたちは人間じゃない。兎だ。人間たちはまだ気づいていないけど、兎社会を脅かす大事件が勃発した。死者が甦り生者を襲ってむしゃむしゃ喰っているんだ。いまや森は屍兎どもの天下で、この兎史上最悪の事件を終わらせるには、死の山に棲む人喰い熊を狩らなければいけないという魔女ラビットのお告げなんだが…いったいなんてこった!『ジョニー・ザ・ラビット』から2年3カ月後の世界を描く、スラップスティック兎ゾンビ小説。