著者 : 松本剛史
父の身体には、たくさんの銃弾が残した傷があるー。エドガー賞最優秀長編賞最終候補。みずみずしい感動を呼ぶ傑作ミステリー。12歳の少女ルーは、父とともに亡き母の故郷に移り住んだ。それまでは父とふたり、各地を転々としながら暮らしてきたが、娘に真っ当な暮らしをさせようと、父サミュエルは漁師として働くことを決めたのだ。しかし母方の祖母は父娘に会おうとしない。母はなぜ死んだのか。自分が生まれる前、両親はどんなふうに生きてきたのか。父の身体に刻まれた弾傷はどうしてできたのか。真相は彼女が考える以上に重く、その因縁が父娘に忍び寄りつつあった…。ティーンとしていじめや恋愛を経験して成長してゆくルーの物語と、サミュエルを撃った弾丸にまつわる過去の断章を交互に語り、緊迫のクライム・サスペンスと雄大なロード・ノヴェル、鮮烈な青春小説と美しい自然の物語を完璧に融合させ、全米各紙誌の絶賛を浴びた傑作。
“早く、早く死ななきゃならない”。海兵隊員の夫が、ナイフで自らの首を掻き切る前に書き遺した言葉。それは、FBI捜査官ジェーンの悪夢の始まりだった。調べを進めるうち明らかになる、全米の自殺率の異常な増加。夫同様、才気に溢れ幸せに見えた人々はなぜ発作的に死を選んだのか?やがてある研究所と会員制秘密クラブの存在が浮上し、ジェーンは想像を超えた戦慄の真実を知ることになるー。
米国NSAの局員アーヴァインは暗号解読の専門家。中東のテロリストを炙り出すためのプロジェクト「サイバー・シェパード」を立ち上げた。その矢先に世界各地で同時多発テロが発生するが、被害は最小限に止まる。その立役者は英国MI5の諜報員サリーだった。次なるテロを阻むべく手を組んだ二人は、逃亡したテロリストの首魁アスワミーの行方を追ってサイバー空間を渉猟していくが…。
イギリスが検挙したテロリストを訊問したアメリカは、大失態を犯す。国家の思惑を背負いながらも互いに惹かれ合うアーヴァインとサリー。アーヴァインはアスワミーに繋がるアドレス「スマートマン」を発見したものの、発信元にはたどり着けない。テロリストたちの真の狙いとは?緊迫感が募っていく中、サリーはある符号に気づいた…スパイ小説の巨匠が放つ迫真の電脳諜報サスペンス!
あの4人を消せばいいー。殺し屋コンラッドはある日、自分の変わり果てた姿に初めて気づいた。最愛の人を失ってから9年間、彼は指示されるまま無慈悲に殺しを重ねてきたのだ。自由になるのに邪魔な男は4人だけ。だが、始末に取りかかった彼は、驚愕の真実を知る。自分は誰のために殺してきたのか。自らの人生を取り戻すことはできるのか。哀切のラストが待つ絶品サスペンス。
ミサイルが国連本部ビルに撃ちこまれたー双頭の弾頭にはサリンと炭疽菌が積まれていた。不発に終わり被害の拡大は免れたものの、ニューヨークやワシントンでは爆弾テロが続発。捜査の結果、使用された爆弾はいずれもロシア製と判明した。FBI捜査官カウリーは、急遽モスクワ民警のダニーロフに協力を要請する。ふたりは、国境を越えて三たびコンビを組むことになったが…。
国防総省のコンピューター・システムがサイバー・テロによって崩壊した。商務省、農務省などの政府機関のシステムも一斉にクラッシュする。不気味な犯行声明が送りつけられるが、犯人の意図は依然として不明。そんな折、爆弾テロはモスクワをも襲った。カウリーは至急、現地へと飛ぶ。事件の背後に見え隠れする邪悪なロシア・マフィアの存在。そしてアメリカとの驚くべき接点とは。
その夜またモスクワの路地裏に転がった死体からは、髪の毛とボタンが奪われていた。民警のダニーロフは、猟奇的な手口から連続殺人犯は異常者だと考える。だが被害者のひとりがアメリカ大使館員の女性だったため、事件にはFBIが介入することになった。風采のあがらぬロシア人刑事ダニーロフと、翳りをおびたFBI捜査官カウリーによる共同捜査が始まったが…。新シリーズ誕生。
最初は何の変哲もない、よくあるデスクワークの一つに思えた。60年前の遺言状というのがいささか好奇心をかきたてたが、それとて退屈な仕事を彩る軽いアクセント。だが、ひとたびその農場の相続人が現れるや、私は生死を賭けた危険な謎解きゲームの渦中に巻きこまれた…。灼熱のオーストラリアを舞台に、冴えない青年弁護士とタフな女陸軍大尉が展開する決死の探索行。名手がポップな筆致で描く、スリル満点の痛快冒険活劇。