著者 : 染田屋茂
23年前、凶悪事件を自白し、保護施設で育ったウーロフ。事件当時14歳だった男が実家に戻った時、事件は起きた。ウーロフの父が自宅で、斬殺死体で発見されたのだ。犯人と疑われ、世間の誹りを受けるウーロフ。同郷のエイラは、警察官補として事件の捜査に当たるが、次第に彼女の前に、過去の事件が浮かび上がってくるー。スウェーデン推理作家アカデミー最優秀長篇賞、スカンジナヴィア推理作家協会ガラスの鍵賞W受賞作。
1940年5月、ヒトラーはすでにチェコスロバキア、ポーランド、デンマーク、ノルウェーに侵攻。ヨーロッパを征服すべく準備を進めていた。フランスは陥落寸前、イギリスの緊張が高まるなか、新首相として指名されたのはーウィンストン・チャーチル、65歳。ドイツの圧倒的な軍事力に戦いをあきらめてヒトラーと交渉すべきという意見を退け、新首相は戦うことを決断する。アカデミー賞映画小説版。
海兵隊退役一等軍曹ボブ・リー・スワガー。ヴェトナム戦争で目覚ましい戦績を遺した名狙撃手はアーカンソー州の片田舎でひっそりとトレーラー暮しをしていた。日々の友はライフルと年老いた犬。その彼を二人の男が訪れ、最新技術で製作された弾丸の試射を持ちかけた。ボブはその申し出を受ける。彼は条件の異なる難射撃を次々にクリアし、1400ヤードの長距離狙撃も成功させ、周囲の人間を驚嘆させた。だが、この試験射撃はボブを巻き込んで展開される巧妙に仕組まれた謀略の始まりだった…。
全米を揺るがす要人暗殺事件の犯人にされたボブ。FBIから追われる身の彼の頭の中をよぎった事件の犯人像は、ロシア人スナイパーだった。ヴェトナムで、ボブに重傷を負わせ、親友の命を断った手練の狙撃手。一方、独自の捜査を続けるFBI捜査官ニック・メンフィスもボブの無罪を信じていた。そんな彼の前に憧れのボブが姿を現す。ふたりは、自らの名誉と愛する女性を守るため、特殊部隊兵士120人を相手に壮絶な銃撃戦を挑んでいく。“ボブ・リー・スワガー・シリーズ”の開幕!
雪のコペンハーゲン。イヌイットの血をひき、雪と氷と孤独を愛する女性、スミラ。友人の少年が雪の屋根から転落死する。が、雪が「読める」スミラに残された足跡は告げる、これは事故ではない-。真相を追う彼女にかかる検察の圧力。無言の脅し。そして、スミラが単身乗り込んだ謎の船は、氷に閉ざされたグリーンランドへ…。全く新しいヒロイン像が欧米で爆発的にヒットした、北欧産海洋冒険ミステリー。
ロンドン・シティの若い債券トレーダーのポール・マレーは、同僚から不審な取引のことを知らされた。その矢先同僚が死体で発見され、疑問を抱いたポールは独自に調査を開始。やがて彼の前に、巧妙に隠された国際金融詐欺が浮かび上げる。仕組んだのは誰なのか。“アンクル・サムのマネー・マシーン”とは何か。次から次へと新たな謎が生まれ、パラノイアに陥るポール。真相を探ろうとポールは渡米、ようやく証拠の片鱗をつかむが、帰国した彼を待っていたのはインサイダー取引の冤罪と殺人容疑であった…。
ボンの政府機関で働くエルケは有能な秘書で、38歳の独身。私生活での話し相手はペットの犬だけ、という孤独な彼女に、ある日ひとりの男が近づいてきた。KGBのセックス・スパイであるオットーは、ジャーナリストと身分を偽っていた。彼の任務はエルケを籠絡し、ドイツのあらゆる機密情報を手に入れることなのだ。オットーは巧みにエルケに近づき、その心を捉えたのだったが…。
KGBの大物実力者カジンとマリクは、かつては親友同士だった。しかし顔を合わせなかった四十年間、カジンは憎いマリクを悲惨な目にあわせることと、KGBの指揮権を獲得するチャンスを狙っていた。マリクの息子ユーリは危険を察して罠を逃れたが、その時父親と上司カジンの間に隠された過去のあることに気づいた…。二大国の謀報組織を舞台に壮大な復讐戦が繰り広げられる。
10年の刑期を終えて出所した〈世紀の大怪盗〉ハドソン・ホーク。マフィアに脅迫され、盗賊稼業に舞い戻ったホークは、相棒のトミーとともにダヴィンチの騎馬像を盗み出した。騎馬像に隠されていた謎のクリスタル。このクリスタルには、大きな秘密が潜んでいるらしい…。ニューヨーク、ローマ、イタリアの古城を舞台に怪盗ホークが繰り広げる華麗なアクション・アドベンチャー。
かつて、独立のためにイラク軍と戦ったクルド人の戦士ウル・ベグが、単身アメリカに潜入した。目的は、一度はクルドを支援しながら土壇場で裏切ったアメリカに復讐すること。標的は元国務長官ダンツィグ。事態を察知したCIAは、当時ウル・ベグを鍛え、ともに戦った元秘密工作員チャーディに白羽の矢を立てた。チャーディは、裏切りの借りを返すべく、ふたたび戦場に身を投じる。
チャーディは、かつてウル・ベグたちクルド人ゲリラと行動をともにしていた元恋人、ジョアンナに接触。情報収集のかたわら、ダンツィグ警護の任につく。一方、メキシコでは、若手工作員トレウィットが、ウル・ベグ密入国の謎を解く重大な手がかりを発見していた。標的に迫るウル・ベグ。見え隠れするKGBの影。背後に潜む巨大な陰謀とはなにか?著者渾身のスパイ・サスペンス巨編。
アメリカ・メリーランド州の山中深く埋められた核ミサイル発射基地。難攻不落のこの基地が、謎の集団に占拠された。最新鋭核ミサイルの発射を阻止するためには、基地へ侵入するしかない。ミサイル発射までに残された時間は十数時間。基地奪回に出動した歴戦の勇士プラー大佐率いる特殊部隊デルタ・フォースは世界の終末を救えるのか…。息づまり迫力で描く大型軍事サスペンス。
核ミサイル基地を占拠した謎の集団の正体が明らかになった。彼らはたんなるテロ集団ではなく、激しい訓練を受け、組織された軍隊だったのだ。真正面から彼らに戦いを挑む特殊部隊デルタ・フォース、州兵、レンジャー部隊。そして、廃坑のトンネルから基地侵入を図るベトナム帰還兵ウォールズと元ベトコンの女性戦士ファン。核ミサイル発射へのデッド・リミットは刻々と迫る…。
暗殺犯の凶弾を浴び傷を負いながらも、若手上院議員ファロンが行った演説は、全米に深い感動を与えた。再選が危い大統領ベイカーの顧問と、党の長老たちは、一躍マスコミの寵児となったファロンを副大統領候補に大統領選を乗り切ろうと図る。この動きを察知した副大統領イーストマンは、大統領に公然と反旗を翻す一方、ファロンの弱点を探り始めた…。迫真のポリティカル・サスペンス。
副大統領イーストマンの爆弾発言で大統領は苦境に陥った。一方狙撃事件の謎を追うFBIの老捜査官マンクーソは、精神病院にいるファロンの妻を訪ね、清廉潔白とされていた彼の意外な秘密を知らされた。大統領候補指名の党大会を数日後に控え、ファロンをめぐって大統領、副大統領、そして長老政治家たちの思惑が渦巻く…。アメリカ大統領候補選出の舞台裏をリアルに描く長編。
CIAは、百万人に1人という心を覗く力を持つ男女を集めてスパイに仕立てあげ、国家の重要機密にかかわる情報戦に利用している。しかし彼らは、そのあまりにも“敏感な心”のために32歳以上は生きることが出来ない、という。ふとしたことから、自分の運命に疑問を抱いたスパイたちは、巨大な組織との対決を余儀なくされる。特殊な力を持つスパイたちの苦悩を描く異色サスペンス。
800名の客を乗せた遊覧船がデトロイト川でテロ集団に乗取られた。そんな大事件も、殺し屋のマクリンには全く無関係の出来事のはずだった。しかし服役中の彼のボスが、自分の早期仮釈放を条件にFBIと裏取引を行なった結果、マクリンに事件解決への尽力を要求してきたのだ。やむなくマクリンは凶悪な犯人一味に単身挑むが!アル中の妻、ヤク中の息子を抱えた異色の中年殺し屋登場。-ハードボイルドの気鋭が描く会心のアクション。