著者 : 柴田哲孝
元自衛隊員の遺体がまた見つかった。共通するのは、政情不安下の南スーダンにPKO部隊として派遣された“特戦群”メンバーだったこと。俺たちは狙われているー同隊所属の風戸亮司の疑惑は深まり、危機からの突破口を探り始める。時を同じくして一人の女性医師が南スーダンから帰国し愛娘と再会した。だがその直後、凄惨な悲劇に遭遇し…。彼の地に関わった者たちに迫る不穏な影の正体は?そして、その目的とは?自衛隊日報問題を起点に繰り広げられる緊迫の軍事サスペンス!
元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。 日本の未来を奪った2発の弾丸。 本当に“彼”が、元総理を撃ったのか? 日本を震撼させた実際の事件をモチーフに膨大な取材で描く、傑作サスペンス。 奈良県で日本の元内閣総理大臣が撃たれ、死亡した。その場で取り押さえられたのは41歳男性の容疑者。男は手製の銃で背後から被害者を強襲。犯行の動機として、元総理とある宗教団体とのつながりを主張したーー。 日本史上最長政権を築いた元総理が殺された、前代未聞の凶行。しかし、この事件では多くの疑問点が見逃されていた。致命傷となった銃弾が、現場から見つかっていない。被害者の体からは、容疑者が放ったのとは逆方向から撃たれた銃創が見つかった。そして、警察の現場検証は事件発生から5日後まで行われなかった。 警察は何を隠しているのか? 真犯人は誰だ?
石神井公園の三宝寺池に浮かんだ不可解な水死体。肺から発見場所とは異なる水質の水が検出されたことから、刑事・片倉康孝は事件を“他殺”と推理し、被害者の男がSNSに残した写真を頼りに静岡県の大井川鐵道へ向かう。一方、父親を失った幼い娘は何かを知っているように、奇妙な言動で捜査を翻弄。さらに片倉の元妻、智子の「スピリチュアルなものを感じる」という言葉を発端として、事件の謎はさらに意外な方向へと迷走をはじめるが…。南アルプスの奥地と東京を結ぶ無数の糸口が捜査陣を撹乱する!
2019年7月、小説家の桑島洋介はベトナム戦争を題材に新作を書こうと思い立ち、取材のため彼の国を訪れた。ベトナム人女性で、旧知の新聞記者ホアン・タオにホーチミン市内を案内してもらった折に、戦時中に米兵が所有していたらしいひとつのジッポーを、桑島は手に入れた。約50年前、激戦地で任務に就いていた兵士の名は「JIMMY HOWARD」と刻まれている。俄然、興味が湧いた桑島が調査に乗り出すと、次々に意外な事実が明らかになり、やがてアメリカで殺人事件が発生する。いまだ癒えぬ戦争の影と米軍の闇を暴く正統派ノンストップ・サスペンス!!
「宇和島藩伊達家の墓所の中にある」柴田家の墓。重臣といえるほどの名家ではない柴田家が、なぜそのような所に祀られているのか。その謎を解く鍵となる人物が、著者の四世代前の祖先、高祖父に当たる“柴田快太郎”であったー!八代藩主伊達宗城の密命を受け脱藩したという高祖父の伝説を、『下山事件』で昭和史の謎を掘り起こした柴田哲孝が、再び現代に蘇らせる!幕末の動乱を迫真の筆致と視点で描く、歴史小説の傑作、誕生。
強盗容疑で勾留されていた竹迫和也が弁護士と接見中に脱走。彼は、定年間近の“乗り鉄”刑事・片倉康孝が、六年前に逮捕した男だった。休暇を使い、秘境のローカル線・飯田線で天龍峡に赴く片倉。道中で竹迫の生家を訪ね、近隣住民から、彼の幼い頃、祖母が強盗に殺されていたことを聞く。一方、犯罪を重ねて逃げる竹迫もまた天龍峡へ。彼にとって拭えぬ過去の眠る地で惨劇の幕が上がる。片倉は凶悪犯・竹迫の暴走を食い止められるか。そして衝撃の結末!
二〇年前、東京都練馬区で起きた放火殺人事件の現場から姿を消した謎の女、鮎子。定年間近の刑事・片倉康孝は、女の足取りを辿るため、秘境のローカル線・只見線に乗った。そして旅先の魚沼で、四〇年前に火事で鮎子という女が死んでいたことを突き止める。時空を超えて重なる「火事」と「鮎子」-二つの事件の関係は?迷宮入り事件の真相を追う、傑作警察小説。
戦後、日銀から消えた二〇万カラットのダイヤモンド。曾祖父から謎の遺言を託された小説家の浅野迦羅守は、恋人の小笠原伊万里、元CIAの南部正宗、数学の天才ギャンブラーらと共に暗号の解読に挑む。目に見えぬ敵と、四人の仲間を次々と襲う危機。はたして時価一〇〇〇億円と言われるダイヤを発見できるのか。『Mの暗号』に続く昭和史ミステリー第二弾!
茨城県の牛久沼で、釣り人が沼に引きずり込まれるという事件が起きた。後に発見されたバラバラ死体。いったい、何者の仕業なのか。事件の唯一の目撃者は、河童にやられたと証言するが…。沼には、何かが潜んでいる。宿なしのルポライター有賀雄二郎と、つくば中央署の阿久沢健三は、川漁師の源三、少年太一の協力を得て、河童伝説の残る地で真相究明に乗り出した。
女とは怖い生きものである。その美貌と肉体で男を虜にし、巧みな話術で財産を奪い、魂さえも我がものにしようとする。世にも恐ろしき六人の女性をハードボイルドの名手が描いた連作短篇集。母子家庭の女が男の肉体を目的に近づく「あなたがほしい」など、驚愕の六篇を収録。これらの話、すべて事実かもしれない…!?
なぜ「真珠湾」だったのか?欧州戦線への参戦を目論み、日本に仕掛けられるルーズベルトの謀略。開戦やむなしに至った時、命運を託された連合艦隊司令長官・山本五十六が見せた、もうひとつの貌とは?
定年間近の刑事・片倉康孝は、休暇を利用して小出と会津若松を結ぶ秘境のローカル線“只見線”に乗りに来た。この旅は、20年前に練馬で起きた放火殺人事件の現場から消えた謎の女“鮎子”の足跡を探す旅でもある。現地で話を聞くと、練馬の事件のさらに40年前、羽賀鮎子という女性が火事で亡くなっていたことが分かった。二つの火事、二人の鮎子につながりはあるのか!?片倉は後輩刑事の柳井淳らと共に、ふたたびこの事件を追うことにしたー。過去に携わった迷宮入り事件の真相は!?謎が謎を呼ぶ傑作警察小説!
殺人事件を起こした崎津直也が刑期を終えて出所した直後に神戸で殺された。その直後、九年前に崎津を逮捕した刑事の片倉康孝も何者かに刺される。崎津から届いた手紙に書かれていた「砂丘の蛙」という謎の言葉に、戸籍には載っていない「妹」の存在。事件の渦中に巻き込まれた片倉は、捜査本部から外されても地道な捜査を続け、神戸、鳥取へと足を運ぶ。傑作推理小説。
ハロウィンで賑わう六本木で、ピエロ装束の男が外国人を射殺する。銃弾の痕から割り出されたのは、四半世紀以上前に死んでいるはずの凶悪な暗殺者“クズリ”。立て続けに起きる射殺事件は誰の仕業なのか?伝説の殺し屋が、麻薬と莫大なカネを巡って蠢く外道を相手に繰り広げる血と涙の極北ハードボイルド。
戦時中、軍需省の要請により立法化され、それに基づき皇室からも供出されたダイヤモンドがあった。その量、32万カラット。戦後は日銀に保管されていたが、その内20万カラットが占領のどさくさの中に消失。GHQのアメリカ軍将校が盗み出したとも、日本の政権運用資金に使われたとも言われていた。東大教授にして歴史作家・浅野迦羅守は、戦後の特務機関・亜細亜産業に勤めていた曽祖父たちから、消えたダイヤの在り処を示す暗号文の遺言書を託された。しかし、捜索を開始するや何者かからの脅迫を受け、やがて敵の襲撃が…。