著者 : 森詠
人の生きる意味を問う。著者畢生の歴史大作 日本革命前夜ー 時は幕末。北関東の清流、那珂川が流れる黒羽藩で、青年下士・板倉誠之介は育まれた。彼の養父、主水丞は百姓一揆に同調したことで、一家は厳しい生活を余儀なくされているが、誠之介の心には、民を思い、信念をもって立ち向かう侍への憧れが宿っていく。 藩は他藩から新たな藩主を迎えることを決め、不正を働く家老の権力に対する憤りが、家臣たちの間で藩政改革の波を呼び起こす。城代の息子、浄法寺高俊との激しい対立、さらには幼なじみの加代との淡い出会い、そして養父の不審な死が重なりながら、誠之介は幕府が終わる時代の流れに対峙する。 彼の目指す道は、ただの武士としてではなく、民のために生きること。その熱い志を胸に、安穏なる日々を超えて、ただ鮮烈に生きていく。 北関東の豊かな四季を芳醇な日本語で綴りながら、人の生きる意味を問う、著者畢生の書。 【編集担当からのおすすめ情報】 『燃える波濤』、『雨はいつまで降り続く』、『彷徨う警官』など、数々のベストセラーを世に出した著者による渾身の集大成です。 幕末の混乱のなか、藩政改革に揺れる家中で力強く生き抜く下士の姿を通じて、現代の私達に「どう生きるか」を問いかけます。坂本龍馬や土方歳三などの歴史的英雄と同様に、日本人の心に深く刻まれる若き侍の生き様が鮮烈に描かれています。 さらに、著者ゆかりの栃木県大田原の美しい情景が、豊潤な日本語で綴られ、深い郷愁を呼び起こします。 新しい時代小説の傑作がここに誕生しました。
奉納仕合いに奇妙な噂。 選ばれた剣士に下る、恐るべき使命とは…? かつて祖父ら三人が受けた御上からの密命が今再び!? その祖父の消息が判明した。 魔界白神山地の谺仙之助に津軽藩が刺客を放った! 十五歳の寒九郎が江戸へ逃れて三年。 津軽藩士の父は切腹、母は後追いの寒九郎は、叔母が嫁いだ旗本武田作之介の後見で文武の修行に励んでいた。 一月十六日の奉納仕合いを前に奇妙な噂が流れた。 勝ち抜いた剣士に御上から恐るべき密命が下されるという。かつて寒九郎の祖父らへの密命と同様に…。 その祖父は今、津軽藩からの刺客を逃れて魔界白神山地に隠れていると判明。 ◆ 著者について 森 詠 もり・えい 栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。 東京外国語大学卒。主な著作に『振り返れば、風』『燃える波濤』『雨はいつまで降り続く』『夏の旅人』『冬の翼』、戦争小説『日本朝鮮戦争』、 警察小説『横浜狼犬』『清算』、青春小説『オサムの朝』『少年記オサム14歳』『那珂川青春記』『日に新たなり』『はるか青春』『パートナー』等がある。 歴史時代小説『七人の弁慶』や『坂東三国志』も書いている。 本書は既刊の「忘れ草秘剣帖シリーズ」「剣客相談人シリーズ」(全23巻)とは趣きを新たにした、第3シリーズの第2弾。 ◆ 好評既刊 剣客相談人 全 23 巻 忘れ草秘剣帖 全 4 巻 ( いずれも二見時代小説文庫 )
琉球諸島戦争で日本自衛隊に敗北した中国軍は、ロシア製空母「ワリヤーグ」を近代化改造した本格的空母「遼寧」を中心とする第一空母打撃群を出撃させる。時を同じくして、統幕作戦本部がサイバーアタックを仕掛けられ、レーダー・システムがダウン。九州と沖縄の各基地に多数の弾道ミサイルが撃ち込まれた。突如として勃発した第二次琉球戦争。日本自衛隊は、台風で大時化のなか、中国機動艦隊を迎撃するために出撃するのだった。一方、「暁作戦」を決行した日本は、「あかぎ」「しなの」の攻撃型空母二隻によって日本空母機動艦隊を創設。慣熟訓練をしながら日本へ回航しようとしていた。その情報を掴んだ中国海軍は、空母を撃沈させようとするのだが…。
祖父仙之助が封印した谺一刀流の秘密とは? はたして“秘剣”とは? 祖父はいずこに居るのか? なぜ谺一刀流を封印した? 父母はなぜ自害したのか? 祖父への文はなんのため? 寒九郎の命を狙うのは誰? 津軽藩士の父は切腹、母は後追い。鹿取寒九郎は藩から追われ単身、江戸へ。 叔母が嫁いだ旗本三百石・武田作之介の許で、少年寒九郎の孤独の闘いが始まった。 まだ見ぬ祖父仙之助はなぜに谺一刀流を封印したのか? 父母はなぜ自害したのか? その父から祖父への文はなんのためか? 祖父はいまどこに? なぜ十五歳の寒九郎が謎の侍たちに何度も命を狙われるのか……? ◆ 著者について 森 詠 もり・えい 栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。 東京外国語大学卒。主な著作に『振り返れば、風』『燃える波濤』『雨はいつまで降り続く』『夏の旅人』『冬の翼』、戦争小説『日本朝鮮戦争』、 警察小説『横浜狼犬』『清算』、青春小説『オサムの朝』『少年記オサム14歳』『那珂川青春記』『日に新たなり』『はるか青春』『パートナー』等がある。 歴史時代小説『七人の弁慶』や『坂東三国志』も書いている。 本書は既刊の「忘れ草秘剣帖シリーズ」「剣客相談人シリーズ」(全23巻)とは趣きを新たにした、第3シリーズの第2弾。 ◆ 好評既刊 剣客相談人 全 23 巻 忘れ草秘剣帖 全 4 巻 ( いずれも二見時代小説文庫 )
父は切腹、母は後追い。 津軽藩を逃れ江戸へ! 孤独な闘いが始まった。 鹿取寒九郎、前髪の十四歳。 「江戸にてある御方に渡せ」父の書状の宛名と中身は? 十万石の津軽藩で何が…? 父母の死の真相に迫れるか!? 剣客相談人(全23巻)の森詠、新シリーズ第1弾!! 旗本武田作之介家の門前に行き倒れがあった。まだ前髪も取れぬ侍姿の子ども。 小袖も袴もぼろぼろで土や泥塗れ、腹が空いているらしく息も絶え絶えの薄汚い小僧。 津軽藩士・鹿取真之助の一子、寒九郎と名乗り、叔母の早苗様にお目通りしたいという。 父が切腹して果て、母も後を追ったので、津軽からひとり出てきたと叔母に告げた。 こうして寒九郎の孤独の闘いが始まった。 ◆ 著者について 森 詠 もり・えい 栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。 東京外国語大学卒。主な著作に『振り返れば、風』『燃える波濤』『雨はいつまで降り続く』『夏の旅人』『冬の翼』、戦争小説『日本朝鮮戦争』、 警察小説『横浜狼犬』『清算』、青春小説『オサムの朝』『少年記オサム14歳』『那珂川青春記』『日に新たなり』『はるか青春』『パートナー』等がある。 最近、歴史時代小説『七人の弁慶』や『坂東三国志』も書いている。
未解決事案を洗い直す、特命捜査対策室7係。係長代理の北郷は、警視総監特命で、赤衛隊による東洋新聞襲撃事件を再捜査することになった。犯行声明を分析し、犯人の目的が金銭だと考えた北郷は、新聞社内に恐喝された痕跡を探す。テロを生き残った元記者から、最近事件を調べていたフリー記者の存在を聞いた北郷は男の行方を追うが、自殺と見せかけ殺されていたことがわかりー。国家を揺るがす闇との戦いが、遂に始まる。
25年前の赤衛隊による東洋新聞襲撃テロを再捜査する特命捜査対策室7係の北郷。関係者が次々に不審な死を遂げていた。聞き込みの中で、電力会社元会長から、東洋新聞が「原発複合体」に逆らったため襲撃されたとの証言が。彼らは自らの権益を守るため、非合法な組織をも持つ団体だというのだ。だが、証拠となるデータが何者かに盗まれてしまいー。巨悪の裏に隠れた黒幕の存在とは!?実力派作家が放つ、壮大な本格警察小説。
2011年春、大震災直後に蒲田署から警視庁捜査一課へ異動した北郷に与えられた任務は15年前の『大森女子大生放火殺人事件』の解明。アクの強い古参刑事や女性刑事を部下に従え班長代理・北郷が難事件に挑む。
千丈の堤も蟻の一穴から。一党独裁国家の中国は支配力の弱い周辺部から崩壊をはじめる。はじめは徐々に、だが、台湾戦争で一気に破滅へと突き進む。かつて強大な統一国家だった秦が脆くも崩れ去ったように。だが、台湾戦争は日本にとっても、国家存亡をかけた重大な危機でもある。海洋覇権に活路を求めようとする中国が死にもの狂いで日本、そして米国へ戦いを挑むからだ。中国の魔手は台湾から、次は沖縄へと延びていく。近未来軍事サスペンス、警告の書!
殺しに時効があってたまるか!恋人が殺された未解決事件解決のため突っ走る一匹狼の刑事・北郷。しかし彼の前に不可解な圧力がかかる。そして明らかになる警察の不祥事…。実力派作家の本格派警察小説!
幕府と朝廷の公武合体を模索する勝海舟は、半兵衛に一人の密使の護衛を依頼する。朝廷に密書を届ける役目を託されたのは、茜という美しい娘だった。しかし、茜は道中で、謎の一団にさらわれてしまう。茜を救うべく、半兵衛は信州山岳剣法・大文字流開祖である大文字康介を捜して、信州の山奥に向かった。その秘剣谺返しを破った者は、一人としていない。果たして半兵衛は、この秘剣に打ち勝つことができるのか?
剣聖・鬼無神兵衛が秋田藩の招きを受け、江戸を出たことを知った半兵衛は、その後を追った。半兵衛は旅の途中で、謎の一団に追われる名取敬之介という武士と出会う。ひょんなことから、秋田で行われる奉納武術大会に出ることになった半兵衛は、一人の老占い師に呼び止められた。占い師は半兵衛を見るなり、女難、男難、剣難、そして鬼難をはじめとする七難が降りかかるゆえ、気をつけよと予言するのだが…。
西国に武者修行の旅に出た半兵衛は、舟の中で出会った鴻乃森兵馬という浪人者に、長州へ行こうと誘われる。勤王や佐幕という思想に興味を持たない半兵衛は断ろうとしたが、長州に伝説の鬼無剣を遣う幻の剣聖がいると聞き、興味を持った。その時、同じ舟に乗り合わせていた旅芸人と知り合った半兵衛は、お妙という美しい娘に一目惚れする。だが、その旅芸人達には、ある秘密が隠されていた。
謎の素浪人・蟹江又左衛門から、実母の優美が生きているという噂を聞いた大柿半兵衛は、剣の武者修行を兼ねて加賀に向かった。父幸之介の兄夫婦を訪ね、母の生死を確かめようと考えたのだ。加賀に旅する途中で、半兵衛はお絹という美しい娘と出会う。しかし、加賀に入った半兵衛の命を執拗に狙う集団が現れた。果たして半兵衛の母は、本当に生きているのか。加賀藩の御家騒動の裏に隠された真実とは!?
剣客修行の旅に出た大柿半兵衛は、袋井の宿で雲海という奇妙な老人と出会う。売れっ子の絵師でもある雲海は、酔えば酔うほど強くなるという「酔剣」の達人でもあった。雲海の酒乱癖にもめげず、教えを請うた半兵衛の腕は、めきめき上達していく。そんなある日、半兵衛は黒装束の一団に襲われた、西国大藩の綾姫とその一行を救い出した。だが、その裏には、驚くべきお家騒動の陰謀が隠されていた。書き下ろし。
1976年、ニューヨークで三人の日本人商社マンが殺され、冷凍死体が極秘裡に日本へ空輸されてきた。ロッキード事件を追っていたフリー記者の西村勝彦は、その情報を掴み取材を始めるうち、上海コネクションという組織の存在を知る。戦中から戦後にかけて、日本の政財界を裏から動かす上海人脈とは何か。恐るべき力を持つ地下帝国の実態を追う。