著者 : 椰月美智子
23歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するだろうなと思っている彼が。しかし、サスケと寝てしまった。気が合う同士、会ってるだけだからいいじゃん、と思っていたがー。好意、愛情、執着、秘密、嫉妬…。恋愛の感覚、感情のすべてが描かれた恋愛大河叙事小説。
「こ、こ、これ一応誘拐だから」中学生の美希は部活帰りに突然車に連れ込まれた。犯人は西小原さん。若くして美希を生んだ母の恋人だ。痴話げんかの腹いせらしい。呆れた美希はいつも自由奔放な母を心配させるため、動揺する西小原さんをドライブへ誘い出し…(「西小原さんの誘拐計画」より)。好きなのにうまく言えない!?不器用な恋愛初心者たちを描く八つの心温まる物語。
七月のある日「郵便」を発見したぼくの胸がきゅんとするやりとりーー(「郵便少年」森見登美彦)など、夏をテーマに大島真寿美、瀧羽麻子、藤谷治、森見登美彦、椰月美智子が競作。きらきらの刹那を切り取る
朝は、いとも簡単にやってくる。8時09分、瑞希は決まらない髪型に悩み、10時24分、貴大は里中さんを好きになる。12時46分、グループ分けで内海があぶれ、12時59分、みちるは嫌いな人にイヤと言えないでいるー。少年少女小説の第一人者の手で描かれた、中二思春期、今しか存在しない輝いた時間。心に温もりが残る短編集。
城下町、小田原。介護施設の同僚だった朝子と正人、梓と卓也は恋人同士。けれど以前はお互いの相手と付き合っていた。新しい恋にとまどい、別れの傷跡に心疼かせ、過去の罪に苦しみながらも、少しずつ前を向いて歩き始める二組の恋人たちを季節の移ろいと共にみずみずしく描く。
父親の不貞、旦那の浮気、魔が差した主婦……リバーサイドマンションに住む家族のあいだで繰り広げられる情事。愛憎、恐怖、哀しみ……『るり姉』で注目の実力派が様々なフリンのカタチを描く、連作短編集。
おじいさんの家で過ごした日々。それは、ぼくにとって唯一無二の帰る場所だ。ぼくは時おり、あの頃のことを丁寧に思い出す。ぼくはいつだって戻ることができる。あの、はじまりの夏にー。おとなになってゆく少年の姿をやさしくすこやかに描きあげ、野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した感動作。
十代の頃に出会った人、別れた人。はじめたこと、やめてしまったこと……。少年少女小説の名手たちが綴る、極上の青春小説。