著者 : 横山茂雄
その刹那、わたしの眼に映った息子の顔に浮かんでいた恍惚の表情は美しかったが、同時に年老いてもいた…少年と彼に取り憑いた正体不明の存在“あれ”との顛末を妖しく語り、読者の想像を超える衝撃的な結末を迎える代表作中篇「死者の饗宴」のほか、“サトレジ号でたぶん1898年だった”という謎の言葉と不気味な子供に翻弄される男を描く狂気に満ちた怪異談「ブレナーの息子」、ビルマの神秘な力を持つ宝石と護符をめぐる奇妙な物語「煙をあげる脚」など、知られざる英国怪奇文学の名手による異形のホラー・ストーリー、幽霊物語、超自然小説を厳選した全8篇。
ポルノ小説のゴーストライター、エド・トップリスの苦悩は、締切が近づいてもまったく書けないこと。いざ書き始めても、自身の生活や夫婦間問題のあれこれが紛れ込んで物語はなかなか進まない(そして小説は延々と1章25ページが繰り返される!)。ある日、書きかけの原稿が原因でエドは思いもよらないトラブルに巻き込まれることになる…コメディ・ミステリの巨匠ウェストレイクによる、仕掛けに満ちた半自伝的&爆笑のメタ奇想小説がついに邦訳!(1970年作)
アメリカ南部ジョージアの小さな町に住むスティーヴィ・クライは数年前夫を亡くし二人の子どもを養うためフリーランスライターとして生計をたてていた。ある日愛用する電動タイプライターが故障し、修理から戻ってくると、なんとひとりでに文章を打ち始めた!妄想か、現実か?その文章はスティーヴィの不安と悪夢、欲望と恐怖を活写したものだった。それを読むうちに彼女はーそして読者もー現実と虚構の区別がつかなくなり…ネビュラ賞作家ビジョップによる異形のモダン・ホラーにして怒涛のメタ・ホラー・エンターテインメント!巻末に“30年後の作者あとがき”を収録。(1984年作)
欧米でロングセラー、フランク・マギル編の決定版事典より1001編を精選。戯曲、叙事詩、回想録等を含む世界文学の主要作品を網羅したセレクション。ギルガメシュ叙事詩からピンチョンまで、古今東西の作品を収録する。配列は書名の五十音順。初版年、ジャンル等の書誌データも充実。作家略歴、文学史的位置付けを解説として各項目に記載。長篇作品にも十分な紙面を割き、詳しくあらすじをたどる。各項目末に入手可能な翻訳書誌を付す。肖像写真等の図版を約半数に掲載。